そろそろ日本の就活を変えたいと思って書きました
初めまして。
good luck株式会社の高村一光です。
学生のキャリア支援と企業の新卒採用支援の事業をしています。
僕はこれまで約8年間、ずっと人材業界に身を置いてきました。
その中で自分の体験から「日本の就活は変わるべきだ!!」と息巻いてパーソル時代に複業としてキャリア支援のコミュニティ『仕事塾』を設立し、毎日現役大学生と接する生活をかれこれ4年やっています。
自分の就活から9年くらい経った今でもやっぱり日本の就活は変わるべきだと思っていて変革を起こすために起業しました。
今日はそのゲームチェンジの方向性を伝えたいと思いnoteを書いてます。
日本の就活のここがおかしい
何といっても『学歴フィルター』でしょう。実際まだ存在します。
しかもこのフィルター、僕が就活していた9年前から存在します。
いったい何年続いているのか・・・という感じもしますが、これはもう変わらないと思いますし、変わらなくていいとも思います。
学歴というのは立派な努力結果ですので、それに至るまでの思考・行動経験は必ず糧にすべきです。
では僕が何を一番おかしいと思っているかと言うと、
『学生を評価する基準が学歴しかないこと』です。
(理系などの一部専門職を除く)
大前提として、学生は学歴だけでは決して評価できません。
中には大人が驚くほどの多くの経験をしていますし、大人が理解できないような多様な価値観を持っています。
学歴だけで評価するのは無理があります。
ただ、こんなことは誰でも分かってはいるんです。
最近は学歴を見ないようにしている企業も多いですし、スキルさえあれば職種別やポジション確約型での採用をしている企業もまだ少ないですが出てきました。
ただ学歴によるフィルタリングは消えません。
学歴が最も採用基準として明確で分かりやすく、かつ正確だからです。
もっと言うと『スカウト型サービス』には大体検索欄に『MARCH』とか『日東駒専』とかの学歴フィルターがリアルにあります。
ただこれもスカウトサービスが悪いわけではないんです。
今の現状、どうしても学歴が最も優れた評価基準だからという理由だけなんです。
ここまでをまとめると『学歴と同等レベルの評価基準がないこと』が日本の就活のおかしいところだということ。海外は大体『学歴+職歴』です。
そろそろ、新たな基準つくりに行きませんか?
今日はそういう話をしたいと思います。
まず企業の皆さん
最近は各社の採用力がグンと上がっていっていますよね。
採用広報、採用ブランディング、採用マーケティング、ナビサイト、キャリアSNS、ダイレクトリクルーティング、リファラル、タレントプール、長期インターンシップなど、あらゆる知識を使った総合格闘技に近い活動になっていると感じます。
僕も会社の仕事として採用支援業をやっているので、年々レベルアップしていく環境が刺激的で楽しくさせていただいています。
そんな中で企業の皆さんに提案です。
そろそろ『配属ガチャ』と言われないような採用をしてみませんか?
(脱 総合職一括採用)
採用活動をしてせっかく内定承諾をしてくれた新入社員も、
希望の配属地域ではなかったり希望の業務内容ではなかったりすると退職懸念になってしまいます。
…まあ、こんなこと百も承知ですよね。本来企業側も好んで配属ガチャなんてしていないと思います。
ただ、『どうすれば配属ガチャシステムから脱却できるか?(どうすれば総合職ではなくて職種別採用ができるか)』を部内で話をされていますか?
まずはそこから取り組んでみてほしいです。
恐らく話をするとこういう意見が出てくるかと思います。
「いやー、分かるよ。配属先を選べないってしんどいよね」
「だけど、実際のところこっちも不安があるよね」
「だってどんな業務適性があるか分からないから」
「だから研修の間に業務適性を見て、その方のための配属をしているつもりだけどねぇ」
実際僕もそうだと思います。
採用した段階では『人柄』『学生時代に何をやってきたか』『学歴』の情報しかないので、『具体的な業務スキル』や『業務適正』を見ることはできていません。
アルバイトの経験やボランティアの経験も素晴らしいのですが、『仕事をする上での業務スキルや業務適正を見ること』は難しいわけですね。
だから僕は普段学生に『職歴をつくること』を提案しています。
それは企業側も採用の判断基準が増えてお互いにとって良い結果になりそうだから、と伝えています。
少しだけエントリーに職歴があった方が良いとしている企業の採用活動事例を書きます。
知り合いのベンチャー企業は『営業職ルート・企画職ルート』などの職種別採用ルートを設けています。
そこでは新卒採用でも以下のようなwant条件を定めています。
ビジネス領域の就業経験(インターン含む)がある方
ご自身で起業や事業運営をしたことがある方
ご自身で仕事の受託・請負をしたことがある方
もうこれは中途採用です。つまり『即戦力』として新卒を扱っているのだと思います。
また、地元九州のある企業では『指定の条件を満たしている方は幹部候補として入社』というポジションが確約された採用をしたりしています。
そこでは以下のようなwant条件を定めています。
ビジネスの業務経験がある方
起業経験がある方
イノベーションを起こすことへの熱量が高く、実際にご自身の経験でイノベーションを起こした経験をお持ちの方
新卒にそこまで求めるの?という声も出てきそうですが、
逆に今からの時代は『どういう人材であればウチの会社の〇〇職は受けることができますよ』という情報提供をしていた方が、学生も就職準備ができるので良いと思っています。
もちろん工数やキャパシティを考えて『総合職』や『ビジネス職』といった一括採用からの配属先決定が、結果として全体最適だからその手法を取っていることも分かります。
ですが、理系の採用やエンジニアの採用は職歴と同じように『学習経験や実績』を求めていませんか?
今後はビジネス職(総合職)でもそうなると思っています。
改めてにはなりますが、企業の皆さんが『職種別・ポジション確約』の採用を実現して『脱 総合職一括採用』をすることができれば良いなと思っています。
それを実現するためにも『学歴以外の基準』が明確に必要なので、僕はここに『職歴』という基準を設けることを提案していきます。
次に、学生側についても考えてみたいと思います。
次に、大学生の皆さん
いつも就活本当にお疲れ様です。
悩んでいない就活生はいないですし、
自分の人生を決める活動ですから悩むのが普通だと思います。
中には当時の僕と同じように学歴フィルターによって悩んでいる方もいるかと思います。
「大丈夫、中身で勝負しよう!」
「学歴なんてそんなに見られてないよ」
とかそんな適当なアドバイスをするつもりは全くありませんし
なんなら変に安心をさせて事実を伝えないような残酷なこともしません。
僕からの提案は1つだけ。
『職歴』をつけてみませんか?
職歴というのは職務経歴のことでして、
一般的には
・どのような業務経験があるのか
・どのようなことができるのか
・どのような実績を残してきたのか
などが分かる履歴書のようなものです。
ではなぜ職歴を持つことを提案するかというと、企業にとっても学生の皆さんにとっても最適なマッチングを実現するものになるからです。
例えば、法人営業のインターンを1年続けていたとします。
そこではコミュニケーション能力を磨いて平均して月間20件のアポをテレアポで獲得して、商談も積極的に参加し、顧客の課題発見をするヒアリングスキルを身につけていたとします。
結果的に半年後には平均で毎月2件の契約を生み出し、売上200万円を毎月つくっていたとします。
その学生さんの職歴は
・営業職の経験が1年間ある
・テレアポも商談もすることができる
・毎月20アポ獲得、毎月2件契約、毎月売上200万円の実績がある
というものになります。
このような学生さんが自社の面接に来てみたと想像してください。
皆さんが採用する側だったらどう思いますか?
恐らく「この子は営業職で活躍できそう・・・!」って思いませんか?
要は採用活動の基準というのは『配属先で業務することがイメージできるかどうか』なわけです。
学歴を見るのは『コミュニケーションが円滑にできそう』という地頭を見られているのだと思いますが、
実際のところビジネスにおけるコミュニケーションが大事になるので『高学歴=コミュ力がある』ではない以上、
職務経験を積んで『ビジネスコミュニケーション力』を高めておいた方が良いと思います。
スポーツとかで例えても分かりやすいかと思います。
急に暴露しますが僕はスポーツ経験はありません。
そんな僕が大学でいきなりサッカー部に入りたいって言っても最初から試合には出してくれないでしょう。
ですが小学校からずっとサッカーをやっていて、ポジションはフォワードからディフェンスまで経験あり、実際に県大会・全国大会などの入賞経験がある方がサッカー部に入りたいって言ったら、早速試合に出ることができるかも知れません。
職歴とはつまりこういうことです。
皆さんは大学を卒業したら多くの場合『就職してビジネスパーソンになる』と思います。
そうなることが分かっているのであれば、『ビジネス経験を積んでおく』ということはそんなに悪くないのではありませんか?
もちろん、何の仕事をするか決まってないから選べないかも知れません。
ですが就活生の多くの方の悩みに『自分の向いている仕事が分からない』があります。
その向いていることや向いていないことを理解するためにもビジネス経験は役に立ちます。
ピッチャーが向いているのかキャッチャーが向いているのか、ある程度の適性はあるはずです(多分)。
その向き不向きを理解するためにも“まずはやってみる”というのは自己理解においても有効です。
以下に、よく就活を迷走してしまう学生が陥る考え方と
実際にビジネス経験を積んだ職歴を持つ就活生の違いを図解しておきます。
>迷走する就活生
>職歴を持つ就活生
今では職歴を作るためには色々な活動ができるようになってきました。
取り組みやすいのは長期インターンシップだと思います。
いくつかの仕事をやってみてはいかがでしょうか。
狙うは『脱ガチャ人材』
ここまでの話で結局何が言いたいかというと、
学生は『脱ガチャ人材』を目指し、
企業は『脱総合職一括採用』を目指そうよっていう話です。
誤解しないで受け取ってもらいたいのですが、
これからの学生は『脱ガチャ人材』にならないと自分の選択肢は無いものと捉えて良いかと思います。
まずはガチャガチャの理解です。多分多くの人がやったことあると思うのですが、そもそもガチャガチャというのはどれを引いても同じようなクオリティのものが入っています。
実際に価値が高いものは、店舗で単品の取り扱いを受けたりバイネームで高単価の取引がされたりします。
そして何が出てくるか分からないとか景品コンプリートしたいとかのエンタメ要素があるのかなと思います。
このような特性から『ガチャ』というのは"ランダム性"を指しますが、『いずれも同様のクオリティ』だということを忘れてはいけません。
配属ガチャを無くすのは企業努力ですが、
ガチャガチャに入れられないような人材を目指すことは個人の努力です。
このような"脱ガチャ人材"になるためには、一言でいうとそれはスキルや職歴を持つしかありません。
周りを見渡してみると理系学部を卒業した学生は
そのまま学部での学びを活かせるような仕事に配属されることが多いです。
これはまさにスキルですよね。
理系で機械設計を学んでメーカーに就職したのに事務職や営業職をするというのはレアケースですし、極端な話でいくと専門学校生は調理や美容の勉強をしてそのままその領域に就職することが多いですよね。
このような専門知識というスキルがある人は、
ガチャガチャに入れられるのではなく、『〇〇事業部の△△部署にて●●職を担当してください』と、指名採用されるようになります。
ここで僕自身の経験談の話をします。
当時はこんな言葉もなかったしそんなこと気にしたこともなかったのですが今思えば配属ガチャでした。
僕は新卒で大手人材企業に入社しました。
人材紹介をやりたくて入社したら配属されたのは
九州支社の求人広告営業。
なかなかですよね。
ですがその配属発表の時に記憶に残ってるのは
同期200名くらいのうち1人だけポジションが確定して入社した人がいたんです。配属先は新規事業開発系の部署。
聞いたらその人は選考のタイミングから
その部署に行きたい理由に加えてその部署で活躍できる根拠を持っていたそうです。
僕は多くの中の一人だったのですが、これは今思えば『突出するスキル・職歴がなかった』ということかなと思います。
※ここで伝えておくとガチャってのは後にプレミアがつくこともあるのと同様に、決して配属ガチャされる人材だからアウトではありません。
ただ、やっぱりガチャが嫌なのであれば
『自分はガチャの中に入れられて良い存在ではない』と信じて努力するしかないのかなと思います。
少し厳しい話になりましたが、これからの就活生は『脱ガチャ人材』というのを1つの目標にしても良いのではないかなと思いました。
職歴を持つだけでも『学歴によるフィルタリング』ではなく、『経験によるフィルタリング』をされるようになるかと思います。
まずは職歴をつくることから始めてみてください。
やっぱり今の就活を変えたい
長々と書いてきましたが、最後です。
やっぱり僕は日本の就活をもっと良くしたいと思っています。
日本では働くことに熱意のある人はたったの5%と言います。よく見るものですよね。
ですがこれをもっと具体的に見ていくと、
新卒1〜3年目で仕事を楽しめている人も少ないことが分かっています。
このデータと完全に相関があるわけではありませんが、若手の離職理由の1位は『仕事が自分に合わなかったから』というものです。
これは、そろそろ就活が変わるべきなのではないでしょうか。
ファーストキャリア選択、大人が思う以上に本人達にとっては大事です。
大人になれば「やり直し方」や「その後のキャリア形成」も分かりますが、就活を目の前にする彼らにはまだ理解が同様にできるわけではありません。
僕は大学生が職歴をつくりビジネス経験を積むことは、大学生自身が脱ガチャ人材になる可能性が高くなることだけではなく、企業も新たな採用基準を作ることができて、ポジション確約型などの脱配属ガチャ採用(脱総合職一括採用)ができるようにもなると思います。
また、そうなると就職活動における準備期間に学年は関係なくなり、大学1年からもキャリアを意識して活動する学生が増えると思います。
すると新卒採用市場が『大学3-4年』から『全学年』にまで広がり、新卒採用支援をする会社も新規参入してくるのではないでしょうか。
つまり、新卒採用市場に新たなイノベーションが起きる可能性もあります。
力技ではありますが、
学生は大学生時代からビジネス経験を積んで
職歴(キャリア)を持つ学生になり、
脱ガチャ人材を目指しましょう。
それが、今言われているキャリアオーナーシップというキャリアの主体性にもつながってくると思います。
今はもう会社にキャリアを決めてもらうのではなく自分でキャリアを作っていく時代です。
僕も学生の皆さんが職歴をつくることができる環境を全力で整備するために頑張ります。
一緒に頑張っていきましょう・
もしここまで読んでいただいてご協力いただけるような学生の方や企業の人事・経営者の方がいらっしゃれば遠慮なくお声がけください。ご提案も歓迎です。
一緒に日本の就活・新卒採用に新たな基準を作りに行きましょう。
また、今日の内容を動画にもまとめています。
良かったら見てください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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