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カッコいいオトナになるためには、悔しさが必要だ。

 大型連休も終わり、いよいよ季節は初夏へ…。でも、そんな季節の移り変わりとは裏腹に、前向きな気持ちになれる人ばかりではないでしょう。

 4月に入社した人たちが、初の部署に配属されたり、異動や転勤で新天地での生活を始めたばかりの人たちのドタバタの毎日にちょっと句読点がついた頃かもしれないのがこの季節です。

 そんな時に、ふと襲ってくるのが「会社行きたくないなぁ」「もう逃げられないなぁ」「本当にこの仕事向いているのかなぁ」といったいわゆる5月病の走りのような気持ち…。

 そんな人たちに向けて、自戒も込めて、以前認めたこの文章をお届けします。どうぞ。(訳あって、ちょっと特殊な区切りになっています。この狙いがわかった人がいたら、こっそり教えて下さい。)

▼あなたは最近、悔しいと思ったことはありますか?どんなことで、悔しいと思ったのでしょう?

▼悔しいことに大小はありません。悔しいと思えるくらいに、真剣に向き合っているかが大切だと思うのです

▼僕は、毎日悔しいと思っています。「面白い番組をやられた」「企画が通らなかった」「もっといい取材ができた」

▼自分なりに全力で取り組んで、ちょっと自信もあったりして、仕事をしているのですが、いつも跳ね返されてしまいます

▼「なんで?どうして?…悔しい!」でも、そういう風に思えるからこそ、次はもっとがんばろう、そのためには何から始めなくちゃいけないかな?と思って具体的に行動できるんです

▼最近、悔しいと思ったことがない人は、ちょっと考えてみたほうがいいかもしれません

▼僕は学生時代、ひたすらテニスに打ち込んでいました。プロになることを夢みていた時期もありました。でも、それは夢で終わってしまいました

▼勝ったり、負けたり。うれしさと悔しさと戦っていた日々。そんなテニスと同じくらい夢中になれる仕事ってあるのかな…。と探していた時に「テレビディレクター」という仕事とめぐり合ったのです

▼特に映像の勉強をしていたわけではありません。人に話を聞いたりしたことはあっても、取材を本格的にしたことはありません

▼伝えたいという気持ちはあっても、どう構成し、映像にまとめたらいいか、まったくわかりませんでした

▼悔しくて、悔しくて仕方がありませんでした

▼「どうしよう」と思った僕は、悔しさから映像であるテレビ番組を、文字にしてみることを思いつきました

▼面白いと思った番組を録画して、映像、音楽、テロップ、コメントなど、番組のあらゆる情報をすべて文字に書き起こしてみたんです

▼すると、だんだんと「伝え方」がわかってきて、人の心を動かす「仕組み」のようなものが、浮かび上がってきたんです

▼「このとき笑った」とか「ここで泣いちゃった」とか、テレビ番組をただ見ただけでは気づかないことが、文字に起こすことで、具体的にわかったんです

▼それ以来、何とか番組を作れるようになりました

▼「大ヒット!」とまでは行かなくても、テレビの前の皆さんが「あ、知ってる!」という番組を、ちょっとは、作れるようになったかなと思います。(ちょっとですけどね)

▼この春、僕はテレビディレクターになって11年目を迎えます

▼悔しさが、僕を育ててくれました。いや、いまも僕を育ててくれている。そう感じています。

※本記事は「digitalyouth」プロジェクトに寄稿した原稿(2012年)を再録したものです。


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