漢検との出会い

 今回は麻雀の話とは打って変わって「漢字」の話をしようと思うのだが、ご了承頂けるだろうか。


 「漢字」……
実は、高校に入るまでは何ら意識はしていなかった。


大きな理由の一つが、ただ教えられるものだからという事が挙げられる。
先生から覚えさせられるだけのもの、そういう認識だった。
それは小学校でも中学でもそこまで変わらず、ただただ覚えるものだった。

しかし、このような自分を一変させたきっかけがあった。
高1の時の現代文のお爺ちゃん先生が私を変えさせた。
先生はテストも近い授業の時ふと、
「漢字は大切やから……」
という旨の発言をしたのを私は聞き逃さなかった。

よし、絶対他の人達は漢字なんて二の次やろう。
それなら漢字で点稼いで差をつけてやろう。

そう決心させてくれた先生には感謝しても仕切れない。

それからというもの、配布された漢字ワークを片っ端から解いて暗記した。
おかげで学年トップクラス、漢字の設問はほぼ満点を貫き続けた。


そのワークには難解な語句がちらほらあった。
それが自分の性格に合致してしまう。
「難しい方がモチベーションが上がる」
そんな私は兎に角漢字に力を注いだ。


さあ、このままでは私は漢検には出会うことはない。
しかし、私を漢検の道に誘うが如くあるきっかけがあった。

それこそが、私のハンドルネームである
フォロワーさんに「ハンドルネームの由来は?」
と聞かれたことである。

「一気呵成」
本来は文章を一気に書き上げるという意味を持つ四字熟語である。
これに転じて物事を中断せず成し遂げるという半ばこじつけのような意味もあるのだが、わたしはこちらに惹かれた。

それはおいておき、フォロワーさんに間違った情報は与えまいと複数のサイトを閲覧して回っている最中だった。

画面をスクロールさせていた指が止まった。

「漢検一級」

その単語に目を奪われたのは言うまでもない。
私はいてもたってもいられず、漢検についての情報を漁りに漁った。

気付けば已に漢字に心を奪われてしまっていたらしい。
そうや、漢検を受けてみよう。
そう決心するのもここまで来れば時間は要さなかった。

すかさず参考書を買い、勉学に励んだ。
そんな日々を重ねる内に更に漢字の持つ魅力に堕とされていった。

この文章は漢文の一節なのか、
この漢字ってこんな読み方があったのか、
と目新しい情報に我を忘れてのめり込んだ。


私が受験しようとしているのは準一級だが、それなりに知識がついてくると授業の古文・漢文、現代文などもいっそう楽しくなった。


それに良い副効果も付いてきた。
それは辞書を引く癖がついた事だ。
と言っても、ネットで検索をかける事が大半なのではあるのが実情だ。
それでも、わからない語句があれば直ちに調べメモに録ったりノートに書き込んだりしている。
このような調べる癖が生まれたのは漢検のおかげだ。


そして調べれば調べるほど漢字の魅力に取り憑かれる。
「なるほど、こういう意味があってこんな熟語になっているのか」
と日々造詣を蓄えている。

準一級がこれ程まで楽しいなら、一級はどんなに楽しいのだろうかと日々考えつつ準一級の合格に向けて奮起している。

ふと思えば麻雀も漢字との繋がりが深いように感じる。
実際、「海底撈月」や「国士無双」など既存の四字熟語が麻雀の手役の名前に採用されていたりする。

そんな小噺を挟みつつ締めに入ろう。

漢検の最終目標は当然、一級合格。
残念なことに大学入試が被ってしまうために期間が開いてしまうが必ず挑戦しにいく。
趣味の範疇を越え、最早、闘いなのだ。
このような感情を趣味と言いくるめてしまうのは余りに口惜しい。

そして、「好きだからこそ極めたい」なんて思ってしまうのだ。
価値のない無駄な努力なんて言わせない。
努力そのものに価値があるし、好きな事を極めたいという気持ちになんの罪があるっていうんだい?

私は精一杯直向きに頑張る人を尊敬している。
その対象がなんであろうと努力できる人は素晴らしい。

短い人生なのだ、今やらねばいつやるのか?
烏兎、蔑ろにするでないぞ。
時は有限、後悔せぬよう暮らすのだ。

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