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テレビレビュー『1122』(2024)とても仲のいい夫婦、しかし二人には秘密があった



とても仲のいい夫婦、
しかし二人には秘密があった

タイトルは「1122」と書いて
「いいふうふ」と読みます。

原作は2017~2020年に
『月刊モーニングtwo』で
連載された作品で、

Prime Video で
実写ドラマ化されました。

妻・一子(高畑充希)は、
ウェブデザイナー、
夫・二也(おとや・岡田将生)は、
文具メーカー勤務です。

結婚7年目、ともに30代を迎えた二人は
それぞれが経済的に自立しており、
今でも友達のように話せて、
仲のいい夫婦でした。

しかし、二人には
普通の夫婦とは
違うところがあります。

毎月、第3木曜日の夜は、
夫が恋人と過ごす
「婚外恋愛許可制」
なるものを取り入れたのです。

夫・二也には、
妻・一子公認の愛人がいます。

どうして夫は
恋人と過ごすようになったのか

このドラマが配信されると知ったのは、
最初に告知された昨年の11月22日、
「いい夫婦の日」でした。

タイトルやキャスティングから
ほのぼのとした日常ドラマが
展開される夫婦の物語を
連想していました。

しかし、実際に観てみると、
不倫や夫婦のあり方を描いた

なかなかシリアスな内容で、
そのギャップに
ビックリさせられました。

もちろん、当初に想像していたような
ほのぼのとした場面も多いです。

なんせ、二人はとても仲がいいんです。

しかし、夫には公認の愛人がいる
という不思議な関係に
興味を惹かれます。

最初は意味がわからないのですが、
どうしてそのような
ルールができたのか、

話が進んでいくうちに
明らかになっていくんですよね。

その経緯については、
お互いの認識に違いもあり、
そのズレが徐々に大きくなっていき、
トラブルに発展していきます。

「婚外恋愛許可制」の問題点

私も本作と同じような
子どものいない夫婦を
長いことやっていますが、
つくづく不思議な関係だと思います。

我が家の場合は、
本作で描かれている夫婦とは違い、
私が養っている感覚が強いですし、

実際、私が働かなければ、
家計は成り立たないので、
単純に比較することはできません。

しかし、友達のように話せる
というのは一緒だと思いました。

そんな中で、夫婦とはなんだろうと
本作を観ながら考えさせられましたね。

一子と二也の場合は、
お互いが経済的に自立していて、
別々に暮らしても生活は
成り立ちます。

でも、一人になってみると、
何か物足りなさを感じるんですね。

我が家の場合も同じかもしれません。

別に一人が嫌なわけでもないですし、
なんだったら、
もっと一人の時間が欲しい
と思うことはありますが、

「二人でいるのが当たり前」
となってしまったら、
なんだかずっと一人でいるのは、
考えられないところがあります。

そして、本作に出てくるもので、
もっともインパクトのあった

「婚外恋愛許可制」
というものについて、
我が家でも話し合ってみたところ、

今のところ私自身は
必要ないなと思いました。

本作で描かれたそれもそうですが、
結局、どんな形であれ、
不倫は不倫なんですよね。

「婚外恋愛許可制」という、
一見、ポップな感じではじまった
二也の恋人との関係も、

相手にとっては
「本気」の部分も
出てきてしまいます。

妻だろうと、恋人だろうと、
はたまた愛人であろうと、

このような二人の思いの
行き違いがトラブルに
発展するのでしょうね。

一般的な夫婦像からすると、
変わった二人かもしれませんが、

最終的は落ち着くところに
落ち着いた感じがして、
ホッとするドラマでした。

もちろん、ドロドロした場面も
出てくるんですけどね。


【作品情報】
2024年6月14日~配信(全7話)
原作:渡辺ペコ
脚本:今泉かおり
監督:今泉力哉
出演:高畑充希
   岡田将生
   西野七瀬
配信:PrimeVideo

【原作】

【同じ監督の作品】

『あの頃。』(2021)
『窓辺にて』(2022)


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