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ネガティブな自分にも「ありがとう」

先日まで、こんな本を読んでいました。

「セルフ・コンパッション」
というのは、

自分が苦しんでいるときに、
心から愛する誰かをケアしてあげるように
自分自身をケアすること。

―クリスティン・ネフ博士(テキサス大学准教授)

数年前から
この言葉を知っていて、
興味を持っていたのですが、

具体的に、
「セルフ・コンパッション」に関する
本を読んだのは、これがはじめてでした。

海外の方が書かれたものを
日本語に訳した本も
出版されているのですが、

なんとなく、
日本人が書いた本の方が、
日本の文化にあった
説明がされているのではないか、

と思い、この本を手に取りました。

著者は、臨床心理士(心の専門家)で、
アメリカでセルフ・コンパッションを
学んだ方です。

事故で脳を損傷したのがきっかけで、
セルフ・コンパッションを
学んだそうなんですが、

事故に遭って間もない頃は、
脳を使うことが、
ほとんどできなかった
と書かれています。

著者は事故を経験してから、

「歯を磨くこと」にすら
こんなに頭を使っているのか、
と実感されたそうです。

日常生活もままならない、
何も考えてはいけない、

そんな状態では、
気分も防ぎがちになり、
落ち込むことも多くなります。

そこから抜け出すために、
セルフ・コンパッションを
学ばれたわけなんですね。

セルフ・コンパッションの
実践的な方法は、
本書の中に書かれています。

「マインドフルネス」に通じる部分もあり、
多くのセッションは、

目を閉じ、呼吸を深くして、
自分の身体感覚を取り戻すような
ものが多くありました。

やはり、精神を安定させるには、
身体感覚に集中することが
不可欠なんですね。

残念ながら、私は、
まだ実践したことはなくて、
今後も実践する自信はないんですが、

(というのも、こういうのって、
 一人になれる空間がないと、
 なかなか難しいですよね(^^;)

参考になる考え方がいろいろと
書かれていました。

私自身は、自己評価が低いところがあり、
時々、とんでもなく、
自分を貶めてしまうんですよね。

子どもの頃から、
そういう面があったようにも
思うんですが、

どちらかというと、
私の場合は大人になってから、
そういう思考がひどくなりました。

なんせ、社会に出てからは、
否定されることの方が多いですし、

実際、仕事の面では、
うまくいかない方ですから。

落ち込んだ時は、
考えられないくらい、
自己否定に走ってしまいます。

「消えてなくなりたい」
と思うことすらありました。

このままでは、
まずいなぁと思いながら、
なかなかそういう癖が治らないので、

この本も読んでみたんですよね。

本の中にとても腑に落ちる話が
書いてありました。

「どうして自己否定してしまうのか」

それはズバリ、
「自分を守るため」
だったんですね。

例えば、
「自分はダメな奴だ」
と思うとしますよね。

これは
「自分はダメな奴だ」と思うことで、
「良くしよう」と
「改善」に向かわせることができます。

「誰にも愛されていない」
と思うとしましょう。

これは
「誰にも愛されていない」と思うことで、
実際にそうなった時に、
ダメージを軽減させることができます。

読んでいて、
「なるほど!」と思いました。

過去に記事にも書きましたが、
私は過去に、人から裏切られたり、
だまされたりした経験が多いんです。

だから、どうしても
自分のことも、他人のことも
信用できないところがあります。

どこか人間不信で、
「どうせ、最後は裏切られる」
「生涯通して、信用できる人なんていない」
「人望を得られる人間じゃない」

ということを思いがちです。

たぶん、これは、
将来、自分に起きるであろう、
不幸に対して、

ダメージを少しでも減らそう
という自分への優しさだったんですね。

こう理解した時に、
なんだか心が軽くなったんです。

今まで、自分のそういう性格も含めて、
「嫌い」と思っていたんですが、

その「自分に対する意地悪さ」は、
逆説的に「自分に対する優しさ」
でもあったんですね。

これからは、
そういうネガティブな自分の
心の声が聴こえてきた時、

「大丈夫だよ。
 今はそうじゃないから」
と優しく対応したいと思います。

「たとえ、そんな風になっても
 自分は大丈夫」

こう思っていれば、
自分のネガティブな声に
惑わされることもありません。

「自己否定」を否定する必要もないんです。

「たしかに、そう言う面もあるね」
と素直に、冷静に
受け止めればいいんです。

これまでは、自分のネガティブな心の声に
悩まされて、おびえたり、
怒ったり、悲しんだりしてきました。

今後は、

「でも、今はそうじゃないから」

「教えてくれて、
 心配してくれて、
 ありがとうね」

とネガティブな自分を
いたわってあげられる
自分でいようと思います。

どんな時も自分が
自分の味方でなければ、
どうしようもないですよね。

笑ってしまいますが、
そういうことが
理解できていませんでした(笑)

だから、私は、
ネガティブな自分も否定しません。

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