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人はなぜ嫉妬するのか

『反応しない練習』に
苦しまないためには
「優劣」をつけないことだ、
ということが書かれていました。

「優劣」をつけることによって、
「嫉妬」とか「劣等感」といった
ネガティブな感情が生まれてくるのです。

昔から「なぜ人は嫉妬するのか」
疑問を感じていました。

なぜならば、私自身も
嫉妬深い人間の一人だからです。

私には三つ下の弟がいます。

一般的には、弟や妹が生まれると、
両親の愛情が下の子にも向けられるので、
上の子はヤキモチを焼く
と言われています。

不思議なことに、
私は弟に対して、
一度もそういう感情を持った記憶がありません。
両親から聞いた話でもその通りでした。

私はちょっと変な子どもで、
弟が生まれる前の
三人家族だった頃に
「なんで自分だけ子どもなんだ?」
という変な焦りを持つ子どもでした。

普通の子どものように、
両親に甘えるのが
得意ではなかったのかもしれません。

およそ子どもらしくない
子どもだったのです。

しかし、それから長い年月を経て、
ある時、自分の嫉妬深さに気づきました。

高校生の頃だったと思います。

高校時代にA君という友達ができました。

ほどなくして、A君は私を介して、
私が中学時代から親交のあった
B君という友達と繋がりました。

最初は、A君もB君も友達だったので、
二人が仲良くなることが
嬉しかったのです。

ところが、A君とB君の仲は
徐々に私を介さなくても
コミュニケーションがとれるほど発展し、

やがて、A君とB君は
私との関係以上に親密な仲になりました。

二人を繋げたはずの私を差し置いて……。

こうなると、
私の気持ちも変わってしまいました。

「なんだよ、最近は、
 自分がいなくても二人は楽しそうだな」

と、今になってみれば、
どうでもいいことなのですが、
当時は真剣に悩んだものです(^^;

ちなみに、その昔、私の母も
学生時代に同じような経験をした
と言っていました。

割と学生時代のエピソードとしては
「あるある」なのかもしれません。

多分、今もどこかでこんなことに
悩んでいる若い方がいるのでしょうか。

でも、安心してください。

時間が経つと、
どうでもいいことになりますから(笑)

ある意味ではこれは才能
と言ってもいいかもしれません。
(人間関係の不動産屋さん的な)

見ず知らずだった二人の間を取り持ち、
そして、その二人は
親密になっていったのですから。

なぜ、嫉妬したのか、
今でははっきりと理由がわかります。

A君にとっても、B君にとっても、
私が「大事な友達」
と思われていると、
自分で勝手に思っていたからです。

だから、A君とB君が、
私のことをそっちのけで、
仲良くなることが
妬ましくなってしまったのですよね。

当時の私は。

『反応しない練習』にも
書かれていましたが、

人間が嫉妬する対象というのは、
「自分の立場を脅かす存在」
なんだそうです。

だから、幼い私が弟に
嫉妬しなかったのは、
元より自分と弟の立ち位置の違いを
自覚していたからです。

ちなみに、幼かった頃の弟は、
ひどいヤキモチ焼きで、
母親がよその子をだっこするだけでも
癇癪を起していました。

私もそのタイプだったら、
さぞ、とんでもない兄弟に
なっていたことでしょう。

一方で、学生時代の私が
二人の友達に嫉妬したのは、
二人に対する自分の存在価値が
薄れてしまった、
と感じたからでしょう。

果たして、二人にとって
私が本当に大事な友達だったのか、

二人が仲良くなることによって、

二人にとっての
私の存在価値が薄れてしまったのか、
今では確かめようもありません。

一度も本人たちに
確認したことがないので、
これは私の「妄想」でしかありませんでした。

……しかし、こんなことで
悩んでいたなんて、
今では恥ずかしく思います。

本当に納得できないなら、
素直な自分の気持ちを
二人に言ってみれば良かったのに。

今ではそう思いますが、
当時の自分はプライドが高くて、
とてもそんなことはできませんでした。

そもそも、あれから
20年以上の時が経ち、
二人とも今では疎遠ですし、
取るに足らない問題だったと思います。

他人に対して
「嫉妬」を感じた時の対処法も
『反応しない練習』に書かれていました。

それは嫉妬の対象としている人物とは、
違う立ち位置を見つけることです。

捨てられない自分の中の
「執着」が「嫉妬」を生みます。

その人と同じことをやって、
打ち負かしてやろう
などと考えてはいけません。

他人は他人、自分は自分です。

きっと、あなたにしか
できないことがあります。

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