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教える時には、簡潔な言葉で補足も伝えるのがものすごく大事

「複雑な情報ほど記憶に残りやすい」
という記事を書きました。

これは私が40年生きてきて、
自分の経験から
実感したことですが、

こういう感覚を得てから、
私は人にものを教える時の
やり方を意識するようになりました。

私の職場に
物覚えの悪い後輩がいます。

私も人のことを言えた方ではないほど、
記憶力が悪い方ですが、

そんな私から見ても、
後輩の物覚えの悪さは
抜きん出ています。
(抜きんでている?)

いや、実際覚えられません、私も。

毎日やるようなことは
自然と身体が覚えるものですが、

1年に何回あるか、
あるいは数年に1回ある
というような状況でしか、

活用しない情報は
なかなか脳から引き出せないものです。

「好きこそものの上手なれ」
という言葉もありますが、

好きなことは、
頻繁にそのことを考えたり、
思い出したりするので、

脳に定着しやすくなって、
「上手」になっていくのだと
私は思っています。

人間の脳は、
コンピューターとは違って、
思い出さないことは
どんどん薄れていきます。

よく活用する記憶ほど、
すぐに取り出せるように
なっていくんですね。

そういう人間の特性を
踏まえてみても、
くだんの後輩は、
覚えが悪いです。

先月教えたことは当然のことながら、
昨日教えたことすら忘れたり、

さっきまで同僚と
やり取りしていたことすら
キレイさっぱり
忘れてしまうことがあります。

もちろん、どんな人でも
焦ったり、極度の緊張に陥ると
記憶力が悪くなることはありますよね。

基本的には私が
任されている後輩なので、
根気強く、

少しでもできることを
増やせるように教えながら
努力してきたつもりです。

そういう物覚えが
今ひとつな人に
ものを教える時に
大事なことがあります。

普通の人は、
「この人は物覚えが悪いから」
といって、

極端に簡略化した情報だけを
与えがちなんですよね。

その究極の形が
「マニュアル化」です。

たしかにマニュアルは便利なもので、

下手をすれば
よくできたマニュアルさえあれば、
素人でもプロと同等の仕事が
できてしまう場合もあるでしょう。

しかし、私がやっている仕事は
なんでもマニュアル化できるほど
簡単なものでもないんです。
(具体例がないとわかりにくいが)

その時に応じて、
いろんな状況が出てくるので、
それを見極めて柔軟な対応が
求められる場合が多いんですね。

なので、私は後輩に教える時は、
言葉こそ「簡潔さ」を意識しますが、

少しでも柔軟な考え方の
助けになるような
他の情報も付随させるように
しています。

例えば、ある仕事の進め方を
説明する時でも、

普通の人ならば、
手短に作業の手順だけを
説明するでしょう。

それこそ、
マニュアルを与えるように。

これが一度しか
やらない仕事ならば、
それでいいですし、

毎回、同じようなことしか
しないのなら、
それでいいと思うんですが、
大抵の場合がそうではありません。

何か不測の事態が起きた時にも
仕事が進められるようになるには、
その仕事の「本質」がわかっていないと
ダメだと思うんですね。

ですから、私は、
その仕事の「本質」が
どこにあるのかも一緒に
教えます。

それを理解することによって、
その人にとっての
仕事の「意義」が変わってきますし、

何が「大事」で
何が「不要」かを
見極める力が養われると
信じているからです。

時には自らの手を使って
実演して見せたり、
丁寧に図解して見せたり、
できる限りの手を尽くします。

もちろん、
それでも覚えられない時は
どうしても覚えられません。

それでも、以前に比べれば、
少しずつでも知識は蓄えています。

以前よりも覚えがよくなったと
私は感じているのです。

これは後輩自身の努力によるもの、
また、私独自の教え方が
もたらした結果だと思っています。

というのも、後輩は、
まったく覚えられない
わけではないんです。

私が雑談で話したことなどは、
仕事のこと以上に
覚えているんですよね。
(私が好んで話す本や歴史の話)

また、私は後輩の緊張を解くために、
あるいは逆に緊張を与えるために、
「おふざけ」ともいえる
ジョークをかますこともあります。

そういうことをする先輩が
いなかったせいもあって、
最初は、ビックリされたのですが、

最近では、後輩の方から
そういうことをまねて
ジョークを言ってくることすら
あるんです。

他人から見たら、
仕事とは関係のない
ただの「悪ふざけ」
と思われるかもしれないですが、

脳を活かすには、
こういうこともすごく大事です。

というのも、ジョークを一つ言うのも、
あるいは、それを受ける側にも
記憶の積み重ねが重要になるからです。

「前進」したかといえば、
本当に少しずつではありますが、

これからも私なりに考えて、
自分のやり方で
後輩と一緒にさまざまなことを
学んでいくつもりです。

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