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桜井政博さんに教えてもらったこと

先週発売された『ファミ通』の
表紙に写っているのは、
ゲームクリエイターの桜井政博さんです。

桜井政博さんは、
これまでに『星のカービィ』
『大乱闘スマッシュブラザーズ』
といった人気作を手掛けてきました。

‘86年に創刊され、
長い歴史を持つ『ファミ通』ですが、
意外にもゲームクリエイターが
表紙を飾ったのは、
はじめてのことでした。

なぜ、今号の表紙が
桜井さんなのかというと、
この号で桜井さんが連載していた
コラム『ゲームについて思うこと』が
最終回を迎えたからです。

『桜井政博のゲームについて思うこと』は、
’03年に連載を開始し、
18年7か月も続きました。

当初は、1ページの半分のスペースで、
モノクロページで連載されており、
途中から丸々1ページ分、
カラーページでの連載になっています。

昔は、毎週連載されていたのですが、
桜井さんの仕事が多忙につき、
隔週での連載に変わりました。

これまでのコラムをまとめた単行本は、
全部で9冊発行されています。

連載回数は640回で、
『ファミ通』誌上ではもちろんのこと、
いちゲームクリエイターが、
このような長期連載をしたのは、
他に例がありません。

コラムの内容は、
タイトルのとおり、
桜井さんのゲームについて思うことを
毎回、綴られています。

今、自分が手がけている
ゲームのことを書くこともあれば、
自分が遊んだゲームのことを
書くこともありました。

桜井さんの文章は、
とてもわかりやすく、
非常に柔らかい感じの文体です。

私がこのコラムの存在を知ったのは、
今から15年前、‘06年のことでした。

▲はじめて桜井さんのコラムを読んだ900号

その頃の私はフリーターで、
お金はないけど、
時間がたくさんある時代です。

そんな時に私が夢中になったのが、
ゲームの世界でした。

ゲームに夢中になったのは、
学生時代以来でしたが、
昔とは違って、
作り手のことにも
興味を持つようになっていました。

これは私がゲームから離れていた時代に、
映画や音楽の世界に親しんでいたからです。

中でもこの桜井さんのコラムの存在は、
非常に大きかったんですよね。

桜井さんのコラムを読んでいなかったら、
今みたいに、
たくさんのゲームに興味を持つことは
なかったでしょう。

また、私が今、こうして書いてる文章にも
多大な影響を与えた方です。

桜井さんのコラムで、
もっとも共感を覚えたのは、
「どんな作品も否定しない」
という姿勢でした。

私自身、桜井さんのコラムを
読みはじめた時期は、
自分でも映画やゲームの感想を
書きはじめた頃ですが、
「否定しない」というのを意識すると、
一気に視野が広がるのを実感しました。

たとえ、自分が合わないと思っても、
誰かにとっては、
それがおもしろいのかもしれない、
このような視点を持つのは、
何かを論評する時に大事な視点です。

私にとっては、
コラムを通じて、
そのことを教えてくれたのが、
桜井さんだったんですよね。

これからは桜井さんの
新しいコラムが読めなくなってしまうのは、
率直に言って、残念です。

しかし、これからも
桜井さんの話が聴けたり、
文章が読めたりする機会は、
どこかであるでしょう。

まず、私は先日買ったばかりの
『スマブラ』を遊ばなくてはいけません^^;

ひとまず、桜井さん、
長期にわたる連載、おつかれさまでした。

これからも桜井さんが
どんなゲームを作るのか、
楽しみにしています。

そして、今後も機会があれば、
桜井さんのことを
記事にすることがあると思います。

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