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知らなきゃハドソン~札幌に一大ゲームメーカーがあった時代~(10)PCエンジン発売

※2020年1月3日に書いた記事を
 加筆修正をしたものです。

前回は‘87年にハドソン初のRPG
『桃太郎伝説』が発売された
経緯について書きました。

それと並行し、‘87年には
ハドソンが中心となって開発された
新しいゲーム機が誕生しています。

それが PCエンジンでした。

PCエンジン('87)
Wikipedia より引用)

PCエンジンの発売元はかつて、
NEC の子会社としてあった
NECホームエレクトロニクスです。

NECホームエレクトロニクスは、
PCエンジンを発売する前は、

ビデオデッキ、パソコン、
CDプレーヤーなどの
開発・販売を手掛けるメーカーでした。

NECホームエレクトロニクスが開発した
PC-8001('79)
Wikipedia より引用)
NECホームエレクトロニクスが開発した
PC-6001('81)
Wikipedia より引用)

PCエンジンの企画は、
ハドソン側の提案から
はじまったようです。

ですが、もともとはハードを作る意志はなく、
さらに高性能のソフトを作りたい
という欲求から、
最終的には新しいハードの開発に至りました。

ハドソンはエプソンと共同で、
ソフトのチップの開発を始め、
高性能のチップを作ることに成功します。

(後に三菱樹脂も参加。
 「Huカード」という独自の規格になる)

このチップを持っていくつかの
大手メーカーを回った中で、
NEC から良い反応が得られ、

NECホームエレクトロニクスが
ハードの発売元となったんですね。

(NEC 側でも以前から
 ゲーム機を作りたい
 という意向があった)

PCエンジンは‘87年10月に発売され、
1年目のソフトのラインナップは
すべてハドソンから
発売されたソフトです。

『THE功夫』('87)
『ビックリマンワールド』('87)
『カトちゃんケンちゃん』('87)
『邪聖剣ネクロマンサー』('88)
『R-TYPE I』('88)

ハドソンから発売された
PCエンジン初期のラインナップ。
ハドソンが得意としたアーケードからの移植、
テレビ番組とのタイアップがここでも見られる

2年目以降もハドソンが中心に
ソフトの供給を手掛けますが、

それと同時にハドソンと同じく
ファミコンの初期から参入していた
ナムコなども加わり、
徐々に参入メーカーを増やしていきました。

『妖怪道中記』('87)
ナムコの PCエンジン用ソフト第1弾

その後、PCエンジンのシェアは、
任天堂のファミコン、
そして後継機のスーパーファミコンの牙城を
脅かすとまではいかないものの、

‘92年の時点では
国内の家庭用ゲーム機市場の
24.7%のシェアを
占めるハードとなります。

(’92年当時は
 スーパーファミコンに次ぐ第2位)

2019年には複数のゲームソフトを内蔵した
小型の復刻版
「PCエンジン mini」が発売され、

往年のファンたちに喜ばせたのが
記憶に新しいところです。

PCエンジン mini(2019)
PCエンジン往年の名作を
34タイトル収録したゲーム機

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