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自信を取り戻す②

前回の記事では、自分が出来る分野の仕事に夢中で取り組むこと、その上で

①今の雇用形態は問わない
②周りを気にしない
③自分の境遇を恨まない

この3つを念頭に置くことが肝要であることを書いた。さて、2か月の短期派遣を終えて次に私がどのような環境の変化が訪れたか。
2010年4月、派遣会社の担当者から次のような話があった。
「ikky君、2か月間よく頑張ったね。実は5月から開始の現場で長期で働けるスタッフを探しているんだ。一つは書籍の通信販売、もう一つは通信系のアフターフォロー。ちょっと顔合わせに行ってみないか」
断る理由等何も無いので2ヶ所とも顔合わせに行き、結果、通信系の会社に決まった。この会社には約4年間在籍することになる。当面の収入には困ることもなく、同時に借金も返せる。31歳ともなると「いや、再就職に向けて動くべきだろう」となるのが普通だが、自信喪失から漸く回復傾向が見られている最中、ハードルを上げる選択肢はこの段階では無かった。
この会社も派遣スタッフは100人程度いただろうか。劇団やバンドに所属する人、副業でやっている人、この仕事専門でやっている人、100人100通りの生き方がそこにはあった。当然のことながら、派遣労働なので中には「ここって世間の最底辺だよな」と自嘲する人や「一刻も早く辞めたいよ」と溢す人も数多くいた。
自分はどうかと言えば、あの2か月と同様、電話の向こうのお客さんへ自分が出来るアフターフォローを精一杯やった。よく成績優秀者の名前が朝礼で発表されるのだが、これに関しても何度か呼ばれ、お義理の拍手をもらうこともあった。
ただ、ここでポイントとなるのは「どれだけやれたか」である。成績優秀者はあくまでも結果で、派遣労働の中でのそれは、見方を変えると「こんなことで必死になっている使い勝手の良いコマ」に過ぎない。副業やバイト感覚でやっていた人から見ると、哀れに見えていたかも知れない。
しかし、自信喪失からの回復が最重要テーマの自分にとってはまず「まともに働ける状態にすること」が最優先だったので、そんな外野の声は全く気にならなかった。夢中で取り組むマインドを得られたことが、今となっては何よりの財産だ。
現在、報われないと感じている人、人生諦めかけている人は自嘲などせず、今出来る自分自身の全力を仕事に傾けて欲しい。こんなことに真剣になってバカじゃねえの、と思わず、むしろ何も知らないバカになって目の前の仕事に真剣に取り組むのが自信を取り戻すキッカケとなるはずだ。

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