個別最適な学びと協働的な学びとは②
山形県天童市立中部小学校では,子供たちが自分達で授業を進めているという。
自学・自習
本書によると4年生算数科「小数のわり算」の授業での様子が掲載されている。子供が教師役となって,学習を進めるのだ。既習事項を確認する→例題を解く→考えを出し合う→なぜそれでよいのか説明をする→学んだことをまとめる→適用題を解くという流れで司会役が授業を進めていた。
自学自習は問題解決学習の時効果を発揮しやすのではないかと考えれる。特に算数「小数」は既習事項をおさえておけばほとんどの児童が解くことができる。ただ説明することに労力を要すると思う。私は,複式学級を担任しているので,問題解決型の授業だと子供たちは安心して学習に取り組むことができる。一番難しい自学自習は,国語だと考える。説明文・物語文・書く活動・話す聞く活動などさまざまな学習内容が列挙されているからだ。やはり,学習過程がパターン化されて見通しを持てることが子供たちの学ぶ意欲を促進し,安心感が生まれるだろう。
マイプラン学習
「マイプラン学習」は学ぶ内容こそ決まっているが,いつ何について学ぶか自分達で決める個別最適な学びになる。以下の特徴を筆者は述べている。
①タブレットを使ったり,資料集を使ったりして学び方を決めている。
②いつ・どんなふうに学ぶか学習計画を自分達で決める
③二教科の同時進行することで,自由度も二倍に広がる。
教師に求められる資質能力としては,環境の整備だろう。資料の準備や展示コーナーの設定など。多様な学び方を準備する必要がある。そのために,「教材研究の時間をもっと増やして欲しい。。。」とつくづく思う。当たり前だが児童の実態を把握することも,もちろん重要!
フリースタイルプロジェクト
「フリースタイルプロジェクト」は
①自分の興味・関心を活かして学ぶ内容や学び方,学びの計画を自分で決めて学ぶことができる。
②実践する中で学習する面白さを実感し,結果として達成感・成就感を味わい,自分の「得意」を見つけること
がねらいとして挙げられている。
総合的な学習の時間から年間40時間を充当している。具体的な活動としては,スケートボードに挑戦したり,ダンスに取り組んだり,各自で活動内容を決めて,発表会に臨む。
総合的な学習の時間で自分のテーマに向けて発表するという形はすごく良いと思う。自分ごととして取り組むことができるので,総合で退屈な顔をする子供が減ると思う。フリースタイルプロジェクトで一番の肝は,学習テーマを決めることだろう。「何すればいいかわからない。」という児童の問いに具体的なテーマの例や発表形式を提示することが必要だ。
本書でも書いてある通り,このような学習内容・形態を実施するためには教師の覚悟と理解が必要だろう。「活動あって学び無し」ということがないようにしなけらばらない。やるんだったら心底子供達を信じて突き進むしかない!
次回は,近代学校の子ども鑑について考えていきたい。
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