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叱り方の技術

初任の経験


「先生は優しいね。」初任の時に管理職から言われた言葉だ。褒め言葉ではない。皮肉だ。暴言を吐いた児童を注意できなかったのだ。「あなたがしっかりしないと」「周りの子供たちの気持ちを考えないと」などさんざん言われた。この経験から初任の時は「厳しくしないと」と思い,子供達に怒鳴り声で注意をした。一時的には,落ち着くが,また時間が立つと怒鳴り声を出さなければならい。これが果たして教育なのか。感情に任せたような叱り方で良いのかとずっと考えていた。

叱り方の技術


そんな悩みの時,本書に出会った。
「叱り方の技術」だ。
この本を読んで私がためになったことは,

①叱りの正当性を意識する。


子供が立ち歩いて私語をしていることがある。そのとき私は,「座りなさい」と厳しく注意した。その後,話をしても子供は納得した様子はしない。粘り強く「何か理由があったの?」と聞くと,「友達に消しゴムを貸していた。」ということだった。子供にとっては,「消しゴムを貸すことは,いいことだ。」「友達のためにしたのに,なんで怒られるんだろう。」という不満があったのだ。この話を聞き,立ち歩くことよりも,友達に消しゴムを貸す。という行為の是非について語ると子供もも納得した表情になった。

②高め合う叱りを


「静かに並びます。」1度目はすんなりと聞くが,慣れてくると2回3回と聞かなくなることがある。教師の注意は諸刃の剣。使えば使うほど錆びれていく。なるべく,注意をしたくない。そこで,子供同士で高め合うように注意をさせる。この時留意したいのが注意した子供が悪者とならないように,注意した子供と注意された子供の表情を観察しておきたい。

③叱ることは愛情


叱る時,「言いすぎたらかわいそうかな?」「嫌われたくない。嫌な思いをさせたらどうしよう。」となかなか叱ることができなかった。けれども,叱るのは愛情だ。誰しも,「努力できる人になりたい。」「前向きな気持ちで生活したい。」と子供たちは向上心をもっている。その向上心を裏切らないように伸ばしていきたい。

今後は

家に帰る途中や休日,「あの叱り方でよかったのかな?」と疑問に思うことがある。しかし,本書を手に取ったことで一種のマニュアル本のような形で規準ができたことが心の安定につながっている。これからも,子供達に愛情を注いでいきたい。

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