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娘とエスカレーター

娘は小さいころからエスカレーターが苦手で、エレベーターも怖がって乗らず、移動は階段のみだった。
幼い娘と手をつなぎ、荷物を持って昇り降りは苦行そのもの。

いつもいく店のエスカレーターに慣れさせようものなら、立ち尽くして大泣きだった。
何歳くらいだろう?
3歳か4歳くらいで普通なら手を繋げば乗れるはずなのに大泣きなのでイライラもした。
旦那と行くと、我慢してエスカレーターに乗るので、旦那は娘がエスカレーターが怖いとしばらく信じないで、私の誘い方が悪いと言ってきた。

旦那の言葉に傷つくのは独身時代からあるが、娘の障害に無関心、わざと見ないようにしている、というのも辛かった。
他の子と明らかに違う、診断も出たと言っても、旦那は普通の子と変わらないの一点張り。エスカレーターなどの苦労は私の努力不足と言われた。

抱っこしてやれ、手をきちんと持てば出来ると言われて、私は泣きたくなった。
荷物を持って片手抱っこなんて3.4歳になれば出来なかったと思うし、娘は旦那に何か言われたくなくて良い子でいた。

それだから、我慢してエスカレーターでもエレベーターでも、旦那がいると乗っていた。それを出来ないのは全て私の努力不足という、いかにも昭和な理由で片付けられたのだから。

娘がエスカレーターに乗れるようになったのは、年中さんくらい。もしかしたら年少さんくらい。
ただ、途中で、足がすくんで私は何度エスカレーターを逆走して娘のところに駆け寄ったか。

もちろん、この一連の流れも、旦那に言わせると茶番劇だそう。
バカやって、と私の苦労は笑われた。

年長さんにはエスカレーターもエレベーターも慣れて、もう大丈夫かなと思っていたんだけど。それは慣れたお店だけみたい。

久しぶりに行ったショッピングモールのエスカレーターで娘は1人立ち止まって、大泣き。
わたしは久しぶりにエスカレーターを逆走して娘に駆け寄った。

何が原因か分からないけど、エスカレーターの速さとか形がいつもと違ってタイミング逃したかな。

旦那には言わないけど。

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