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「すずめの戸締まり」震災の地を悼む東北一人旅

※こちらの記事では映画のネタバレが多く含まれています。

はじめまして、ikkaと申します。

今回、久々にブログを書こう!!書かねば!!という気になったので
これを機に、ブログ活動を再開できればと考えている次第です。

さて、みなさんは大ヒット公開中の映画
「すずめの戸締まり」をご覧になりましたか?

公開されてから、本日で1か月が経過しましたが、
11月末時点で、興収62.6億円突破、観客動員数460万人と大人気ですね。
かという私も、これまで3回見に行きました。

初めて見に行った時に、
非常に心動かされる素晴らしい映画に出会えたと思いました。
新海誠監督の作品の中でも、私の中では一番好きな作品です。


東日本大震災の頃を思い出して

「すずめの戸締まり」の物語は、震災をテーマに描かれていますが、
みなさまは、2011年3月11日の東日本大震災が起きた頃のことを覚えていますか?

私は当時中学生で、卒業式の予行演習を行っていた日だったのを覚えています。家に帰ると地震のニュースばかり。
生まれも育ちも関西の私にとっては、どこか遠くの話で、津波の映像もリアルで起きていることだと信じることはできませんでした。

多くの方の命を失った震災の事実を知り、
当時は中学生でお金もなく、募金できるのも少額のおこずかいの範囲、
東北のボランティアに参加することはできず、
自分の無力さに失望していました。

当時も現在も、
「救ってもらった自分の命を、次は世界中の一人でも多くの人を助けるために使う」
という私の夢は変わってませんが、そのような夢を持っている自分だからこそ、何もできず力になれなかったことが非常に悔しい・・・


そんな想いも薄れて、日常を送っているときに
映画「すずめの戸締まり」に出会いました。

そして、偶然ですが今年から転勤で、
東北に住むことになり、
このタイミングでこの映画に出会えたことに運命を感じました。
これは何かの縁だな…と思わざる得ませんでした。


そして、今の私にできること、
それは「震災の地を悼む」ことだと考えました。

新海誠監督も、この映画を企画した際に「場所を悼む」職業として閉じ師を思いつかれたそうです。この映画から大きなヒントをもらいました。

映画の聖地も、震災関係の地にも足を運ぼうと決心し、東北の一人旅の計画を立てて行きました。

このブログでは、旅で訪問した場所や
すずめの戸締りの聖地についての考察について書きましたので、
ぜひ最後までご覧ください(^^)


入念に計画した一人旅

とはいえ、直近で予定が空いていたのが、映画を見た次の週の土日しかなかったので、急ピッチで計画を進めました。

計画する際に私が気にしていたことは以下の点です。

・旅にかけられる時間は、土曜の午後から日曜の1.5日間
・できだけ安く、多くの場所に足を運ぶ
・レンタカーや新幹線は使わない

東北の旅でこんな条件、なんの縛りプレイなんだ!?と思われるのは重々承知しておりますが、
車の運転に自信がまだなく、節約したいという気持ちもあったので仕方なかったのです…ということで、立てたルートはこんな感じです。


特に計画段階で非常に難しかった点は、
公共交通機関(主に電車)の本数が非常に少ないところでした。

駅での滞在時間をいかに減らすか、
いかに乗り換えを効率よくできるか、
それぞれの場所での滞在時間はどうするのか、
帰りが遅くなりすぎないようにしよう…
などなど、考えた結果となっております。

電車1本間に合わないと、
計画が破綻し帰れなくなる恐れがあるため、
こちらの旅程を真似されるときは、くれぐれもご注意ください(笑)
一人旅だからこそなしえるルートかもしれません…



旅の記録(1日目)

宮古

土曜日は、午前中に別件で用事があったため、午後からしか移動することができませんでした。
まず最初の移動は、仙台→宮古(岩手県)です。

なぜ宮古を選んだのかと申しますと、
・仙台からの直通バスがある
・聖地の「織笠駅」に近い(近くはない笑)
・三陸鉄道のを沿いの近くにホテルや宿がある町

という条件で探した際に、宮古が一番よさそうだと判断したからです。

三陸高速バス


15:55 仙台駅前
↓ 三陸高速バス
20:31 宮古駅前


さて、約4時間半かけて宮古に到着。
お外はもう真っ暗です(笑) 

とりあえずホテルにチェックイン。
駅近でお手軽価格のホテル「ホテル宮古ヒルズステーション店」にお世話になりました。
1泊6480円。禁煙シングル、ユニットバス完備。

男性の方であればカプセルのもっと安いお部屋もありますし、男性専用の大浴場もあるのでおすすめ。



さてさて20:30で閉まるお店も多く、やっと見つけた近くの居酒屋さんに入りました。
まぁ、これが大当たりでした(笑)

居酒屋 笑びすさん

さすが岩手、海鮮がうまい。
サービス精神旺盛なオーナーさん、
ありがとうございました!

日本酒飲み比べセット (1200円)


お刺身約3点盛り(3点??笑)(1200円)


チーズたっぷり麻婆豆腐陶板焼き (650円)


ホテルに帰り、明日の早起きに備えて寝ました。
明日の移動は大変だぞ…



旅の記録(2日目 宮古~陸前高田)

織笠駅

さて、朝6時起床。
ホテルでの朝ごはんは断念し、(電車に乗り遅れたら終わりなので)

宮古駅近くの「駅そば 宮古」でそばを立ち食いしました。
シンプルなそば340円。安すぎる。


6時半から開店しているこちらの蕎麦屋さん。
宮古の方々の朝ごはんを支え続けてきたんだろうなと感じました。


さてさて最初の目的地は、
映画の終盤、すずめとそうたがお別れするシーンで登場した「織笠駅」です。

7:04 宮古駅
↓三陸鉄道
7:46 織笠駅

三陸鉄道


片道途中下車切符(宮古駅~盛駅)があったので、購入。※三陸鉄道は、Suicaなどのカードが使えないので、来られる際はご注意を。

織笠駅、到着。


映画の情景とそっくりでした。
田舎特有の無人駅。改札もありません。

駅の待機場所には、ノートがありました。


すずめの戸締り公開初日に来られた形跡もあったので、驚きました。

映画公開以前からこのノートはあったので、それぞれの方の思い出の記録や私のように映画を見て来られた方のコメントもたくさんあって、
見ていて面白かったです。
楽しい時間になりました。


表紙裏1
表紙裏2

映画公開後、私は50番目のコメントでしたのでぜひ行かれる際は、探してみてください。



奇跡の一本松

続いての目的地は、「奇跡の一本松」
よく番組出てきた記憶があったり、震災関係の場所としても有名ですので、ぜひ行ってみたいと思いました。

8:39 織笠駅

10:27 盛駅


この間に釜石駅という駅があるのですが、
隣のホームに青色のきれいな車体の電車が止まってるなぁと眺めていると、
なんと機関車で3度見しました(笑)

@釜石駅

調べてみるとSL銀河という列車で、
花巻~釜石を一日片道1本のみ運行している超レアなものでした…

来春で運行終了ということで、SL銀河乗るために来年の春にまたここに来ようと決心したikkaなのでした。※要予約



10:41 盛駅
↓大船渡線 BRT
11:26 奇跡の一本松駅

ここでの道のりで焦ったことがあります。
それは電車ではなく、JR管轄のバス運行(BRT)だったことです。


googleマップで時刻を確認していた自分は、
JRだし電車だろうと思っていたのですが、
まさかのホームに線路がない。
どういうこと!?!?と焦りましたが、とりあえず時刻通りにきたバスに乗車。どうやら合っていたようで一安心。

BRTは、東日本大震災で甚大な被害を受けた気仙沼、大船渡線において高速輸送サービスが提供できるように整備された、バス運行のことです。
赤い車体が目印です。

みなさんも気仙沼線と大船渡線をご利用になる際は、私のように焦らないためにも、
電車ではなくバス運行であることを覚えておいてください(笑)



ようやく、奇跡の一本松駅に到着。
目の前の大きな建物は、「東日本大震災津波伝承館」と「道の駅」が併設された施設でした。

とりあえず奇跡の一本松を目指し、防波堤を登り…
背景と同化して最初見つけることができず…
googleマップを頼りに西に歩くと、そこには大きな松の木が一本。
「奇跡の一本松」です。

陸前高田市の鎮魂、希望、復興の象徴として保存されています。
一度海水による傷みによって枯死してしまったようですが、現在ではモニュメントとして保存され、震災の記録を伝え続けています。

一本松の後ろには、津波で倒壊したホテルがそのまま残されており、
当時の津波のすさまじさを物語っていました。


奇跡の一本松を見終え、
「東日本大震災津波伝承館」と「道の駅」に足を運びました。
津波の当時の記録、歴史を振り返ることができました。あまり時間がなく、じっくり見ることができなかったことが心残りです…


道の駅でごはんを食べたのですが、
ここでにじさんじオタクには朗報。(すずめ関係なくてすみません…)

にじさんじB級バラエティで登場した、
タイム缶詰さんの缶詰を、こちらの道の駅で購入することができます!!

ぜひにじさんじオタクの方は、ぜひ寄ってみてください。
全然臭みがなくて、めっちゃおいしかったです。



旅の記録(2日目 陸前高田~気仙沼)

気仙沼市 復興記念公園

さて、次の目的地は気仙沼。
ですが、BRTのルートが結構ぐるっと回って時間がかかってしまいそうなので、スーパーウォーキングタイムです。

12:49 奇跡の一本松駅
↓ 大船渡線 BRT
13:17 鹿折唐桑駅
↓ 徒歩 約15分
気仙沼市 復興記念公園

徒歩15分くらい歩けると思っていたのですが、
この公園、急斜面の坂の上にあったんですね…
徒歩で行くことはあまり想定されていないような道でした。


頑張って坂道をのぼりきると、そこには気仙沼の街、海岸を一望できる絶景スポットが目の前に広がりました。感動。


白い大きなモニュメント(祈りの帆)と、震災で犠牲になってしまった方々の名前が刻まれた銘板がありました。


ここで気づいたのは、
「標高の低い海岸に近くほど、建物が明らかに新しい」ということです。
おそらく、津波で建物が被害に遭い、新しく立て直されたのだろうと考えられました。

そして、私がいま5分、10分かけて苦労して登ってきた道で、
津波がきたその日に、生死が分かれたのでは…
と思うと恐怖心が沸き上がってきました。
はじめは綺麗だと感動していたこの景色も、
犠牲になった方々のことを想うと、胸がぎゅっと苦しくなりました。

私はそっと手を合わせて、この場を悼み、次の目的地へと向かいました。



気仙沼での出会い

続いての、目的地は「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」です。
スーパーウォーキングタイムなのですが、いろんなところに寄ってみたので、ここで書き置きしていきます。

気仙沼市 復興記念公園
↓ 徒歩 約40分
南気仙沼駅

・シャークミュージアム


気仙沼では、食事処や観光スポットが多い印象があり、
いろんなところに行っては見たかったのですが、今回はあまり時間もなかったので、街並みを楽しむことにいたしました。

その中でもちょっと気になったのが、
シャークミュージアムです。
サメに関するさまざな展示がありました。

とりあえず、推しのサメちゃん(ホロライブENのがうる・ぐらちゃん、Vtuber史上チャンネル登録者が世界一多い、めっちゃかわいい)と一緒に
建物の前でパシャリ。(それがやりたかっただけ笑)

サメちゃんのおかげで、事前に気仙沼について知ることができていました。

今度は、サメバーガーも食べてみたい。


REAL CLOSET
さてさて、徒歩での移動も長かったですが、
南気仙沼駅には余裕をもって着くことができました。

時間がまだあるので、近くに何かないかなぁと探していると、
かわいらしい洋服屋さんを見つけたので入ってみることに。

なかなかこういうお店に1人で入るのは勇気がいりましたが、
オーナーさんが温かく迎え入れてくれました。

旅の経緯やこれから行く場所についておしゃべりしていましたが、
震災関係の地を巡っていることをお伝えすると、
当時の様子や体験について教えてくださいました。

思い出すだけでもつらいはずなのに、
あのときは本当にありがとうございました。
命ある限り、精一杯生きようと思いました。


お店に飾られていたこちらの植物、
「ストレリチア(極楽鳥花)」の花言葉は、
「輝かしい未来」。
お店、気仙沼の輝かしい未来を祈っております。

素敵なお店ですので、近くに行くときはぜひ行ってみてください(^^♪
インスタグラムでもお洋服注文できるそうなので、ご利用ください!



気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館

さてさて、次は、気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館に行きました。

気仙沼に来たら、震災関係の地として、
ここは外せないと思っていました。

14:39 南気仙沼駅
↓ 気仙沼線 BRT
14:51 陸前階上駅
↓ 徒歩 約20分
気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館

最終受付15:00って書いていたことに直前に気づき半分諦めていたのですが、
入らせてもらえました。個人入場なら15:00過ぎても大丈夫そうです。


当時の映像や写真、記録だけでなく、
ここの伝承館は、将来にわたり震災の記憶と教訓が伝え、警鐘を鳴らし続ける
「目に見える証」として活用されています。



実際に目にした光景は、すさまじいものでした。
津波の高さ、威力と恐ろしさを痛感しました。

震災を知る上で、この場に来れて本当によかったです。
目に焼き付けた光景そして、震災を忘れずに生きていこうと誓いました。



旅の記録(2日目 気仙沼~大谷海岸~仙台)

すずめの実家?大きな手掛かりを発見

ここからは、
すずめの戸締まりのモチーフとされた場所を中心に語っていきます。

この一人旅を計画する上で、モチーフとなった場所についての記事を見てきましたが、
「すずめの実家」について、場所をはっきりと書かれてあるものはありませんでした。

しかし、今回の旅で、
私は大きな手掛かりを見つけました。

16:00 気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館
↓ タクシー 約10分
16:10 道の駅 大谷海岸 

さすがの低予算の旅でも、
ここはタクシーで移動するのが一番効率的だと判断し、事前に電話で16:00に来てもらうようにお願いしていました。


さて、最終目的地「道の駅 大谷海岸」に行くぞ!と、タクシーで移動しているときに、
ふと目に留まったのがこちらの鉄塔

なにか見覚えがあると思って、写真を撮りました。その予感は正しかったようです。

すずめの戸締まりの3回目を見に行った時に確認しましたが、
すずめが幼いころに雪道で歩いてるシーン、
日記を見て月と被った電波塔を目印で扉を見つけたシーンに、
鉄塔(電波塔)が映ります。
それと本当にそっくりなんです。

引用、新海誠本2


正直、周囲の景色自体は、電車の窓から見える
宮古~陸前高田の防波堤近くのほうが似ていると感じましたが、
鉄塔自体はこれがモチーフなのではないかと考えています。

場所この辺でした↓


タクシーのおじちゃんが教えてくれたのですが、
震災当時、この鉄塔にしがみついて数名の方の命が助かったようです。
命を救った鉄塔。ここにも震災の記憶があったとは…

他にも有力な情報があれば、
ぜひ教えてください。


道の駅 大谷海岸

タクシーで10分あっという間についた
「道の駅 大谷海岸」。

2021年に新しく建てられたということで、とってもきれいでした!

芦澤くんが食べていた
「海鮮ラーメン」食べてきました。

ラストオーダーが16:30だったので、滑り込み注文でぎりぎり間に合いました。タクシーのおじちゃん、近道通ってくれてありがとう。

また、見覚えのあるクレーンゲームも…

夕方遅かったのもあり、
ピーナッツクリームサンドは売り切れ( ;∀;)
また気仙沼に来るときに、食べるぞ!

お土産も購入し、あとは帰るのみ。帰るまでが遠足です。バスや電車も本数が少ないので、まだまだ油断は禁物です。

17:28 大谷海岸駅
↓ 気仙沼線 BRT
18:49 柳津駅
19:04 柳津駅
↓ 気仙沼線(ここから電車)
19:40 子牛田駅
19:49 子牛田駅
↓ 東北本線
20:37 仙台駅

はじめ、行きのバス(仙台→気仙沼→宮古)の逆方向で、気仙沼から仙台行きのバス乗ろうとしたのですが、
バスのチケットを買う場所がわからず、念のため電車で地道に帰りました。

無事仙台に到着。
これにて、東北一人旅完結です!!

最後に

ここまでご覧いただきありがとうございました。

聖地巡礼ももちろん楽しいですが、
映画や何かの作品がきかっけでその土地について調べたり、
普通の旅行であれば行かないようなところまで足を運ぼうという気にさせてくれる原動力になるのが、作品鑑賞のいいところだなと思いました。

今回の旅は、
震災と向き合うのに本当にいい機会、
時間になりました。

いまある自分の命を大切に、
そして「救ってもらった自分の命を、次は世界中の一人でも多くの人を助けるために使う」という夢を叶え続けるために、
これからもがんばろうと思えました。

今後も旅の日記や、コンテンツについての記事などをアップしていきたいと考えておりますので、noteのフォローやTwitter(@ikkahotsuki)のフォローもよろしくお願いします!!

それでは!!!


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