1992.4.30 両国国技館 小林邦昭 vs 齋藤彰俊 〜流血?喧嘩マッチ〜
現代・過去問わずプロレスの試合を紹介する連載です。
今回は、プロレスの中ではある意味亜流かもしれませんが、空手vsプロレスの喧嘩マッチを紹介したいと思います。
控室の騒動から始まった喧嘩マッチ
アマゾンプライムの最高の番組である「有田と週刊プロレスと」でも有田が紹介している、控室での因縁から始まった誠心会館と新日本プロレスの抗争の最終決戦ということでこの喧嘩マッチは組まれました。
小林邦昭はプロレス人生を、齋藤彰俊は誠心会館の看板をかけて戦いました。
齋藤彰俊は少し前まで公務員をしており、それを退職して格闘家になり人生をかけてこの喧嘩マッチに挑んでいるという古舘アナの煽りも試合を盛り上げました。
圧倒的な流血が見どころ!でも実は・・・
今の大日本プロレスのデスマッチのような大量の血です・・・おびただしいですね・・・ここまで流すと出血多量で心配になります。
しかし、あまりにもこの試合は血が流れすぎていて、逆に不自然とも言えます。小林邦昭も少し困惑した表情を見せるシーンや、逆にこれだけ流血しているにもかかわらず齋藤彰俊は元気すぎるようにも思えます。
この試合はレフェリーに注目
以前の投稿にも書きましたが、プロレスも面白さは「虚実の皮膜」を楽しむところです。
当然この試合も「喧嘩マッチ」「空手vsプロレス」と言われていますが、プロレスのリングの上で行われている以上は、プロレスとして楽しむべきです。
しかし、この試合は、少し「虚」を「実」にする仕掛けが甘かったことでも有名な試合です。
試合中盤で、小林邦昭がコーナポストで齋藤彰俊を抑え込んでいるときに、なぜかレフェリーも齋藤彰俊の頭を押さえつけます。
腕につけてるバンテージから、なぜか親指だけ包帯が巻かれたところに、何かをいれて、その親指を頭に押さえつけているのです。
そして、親指を離した後、小林邦昭は何発か攻撃を入れますが、そのあと、急に齋藤彰俊はレフェリーの親指があったあたりから、大量の流血を始めます。
小林邦昭がなぜ困惑したのか、なぜ齋藤彰俊が大量流血してるのに、割と元気なのか・・・答えはレフェリーの親指にあるかもしれません・・・(笑
ツッコミどころも面白さ
今のクールなプロレスでもある意味ツッコミどころみたいなものはあったりもします。
しかし、特に昭和感が残る時代のプロレスを今の時代の人が観る時の意識としては、ツッコミどころも面白さとして、むしろツッコミどころを面白さとして観るような気持ちだと、非常に楽しい部分もあります。
プロレスの様々な楽しみ方はあると思いますが、今回はカメラマンなのかレフェリーなのかわかりませんが、ツッコミどころのある仕掛けである意味夕目になった試合をご紹介しました。