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【壱岐新報2021.6.25】予算特別委員会で市長自ら財政状況を説明

市議会予算特別委員会で、白川市長自ら財政状況について説明した。「勉強不足だった」の発言について、「私の判断が見誤っていたのではないかと思いつつも、確認するいとまがなかったため。結果として、私の判断に誤りはなかった」と述べた。また、植村圭司議員は、今回の市議選から議員定数削減の発議を申し入れた。

「財政判断に誤りはない」と強調

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予算特別委員会で補正予算審議は可決。市長自ら財政状況を説明
 市議会6月会議の17日、予算特別委員会(清水修委員長)は今年度一般会計補正予算を審議し、追加補正額の2億7770万円を全会一致で可決した。可決した追加補正の一部には、令和3年度当初予算で削減対象となった遺族会活動費や民生委員協議会活動費、老人クラブ事業費など高齢者向け補助金が復活した。また、新型コロナ第4波により疲弊した市内経済の回復のため、プレミアム付き商品券発売などの経済対策費が組み込まれた。白川博一市長は、市民に広がった財政不安について「結果的に私の判断に誤りはなかった」と健全な財政であることを強調した。

 白川市長は、財政運営に関して「勉強不足だった」との自身の発言から、市民の間で巻き起こった市の財政に関する不安や、説明不足のまま執行された補助金削減などについて、「市民や議員からも説明や周知が足りないなどの指摘を受けた。そのため、この場で説明をさせて頂きたい」とし、発言の機会を求めた。
 白川市長の発言について、小金丸益明議員は「令和3年度は厳しい緊縮予算が執行された。市民から市政批判が起き、市議会3月会議で市長の『勉強不足だった』との発言からリコール運動があった。しかし、市長の真意は『勉強不足』ではなく『想定外』だったのではないか。緊縮予算の結果、令和元年度以上の基金が残った。このように基金増加ができるのであれば、基金の取り崩しをせずに今回のような当初予算を組まなくてもよかったのではないか」と問うた。
 白川市長は「令和3年度当初予算編成で財政が逼迫する状況との報告を受け、私の判断が見誤っていたのではないかと思いつつも、確認するいとまがなかったため、勉強不足という発言をした。結果として、私の判断に誤りはなかったと再認識した」とし、改めて財政は健全との認識を強調した。
 財政課長は「執行算定の金額が大きかったことは、出納事業会計の基準外支出だった。4月の出納整備期間に行なってきた決算見込みの第1回目を12月から1月にかけて実施し、基金の取り崩しがどの程度必要か、財源の所要額を早い段階で補足していく」と答えた。また、「令和3年度当初予算で約18億円の基金の取り崩しとなったが、緊縮財政により基金残高約66億円から80億3849万7千円の見込みとなった」と報告した。

議員定数14人への発議は否決。「今思い切った改革をせねば次は4年後」

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 市議会定例会6月会議最終日の21日、植村圭司議員は市議会議員定数16人を14人に改める「市議会議員定数条例の一部改正」を発議した。議長を除く採決は、賛成5議員(植村圭司、町田正一、音嶋正吾、牧永護、山川忠久)、反対10議員(山内豊、小金丸益明、赤城貴尚、久保田恒憲、市山繁、中原正博、土谷勇二、清水修、中田恭一、鵜瀬和博)で否決された。
 植村議員は「現在の議員定数は8年前に決まったもの。以降、人口減少に歯止めがかからず年間約440人も減り続けている。現在の本市の人口に対しては14人が適正な範囲。市の財政も厳しく先行きも不透明なまま。先のリコール運動は市政全般への市民の不満が積もったものであり、議員にも向けられた声だ。行政や市民サービスにばかりスリム化を図るのではなく、議会のスリム化も必要。今は思い切った改革をせねばならない時だ」とし、今回の市議会議員選挙から定数削減をすべきとした。
 植村議員の提案に対し、久保田議員は「なぜ、事前に議会内で話し合いがないまま発議したのか」とし、中原議員も「議会で議論をして納得した上で発議すべき」と意見した。植村議員は「市民から議員数が多いとの声が多数寄せられていた。議会のルールは分かっている。しかし、今言わねば次は4年後の選挙になる。政治は決断だ」と反論した。
 小金丸議員は「本気で発議を通す気があるなら、議会内でコンセンサスを図るべき」とし、市山議員は「削減すべきという考えはわかる。しかし、協議し納得の上ですべき。この提案は次の当選議員がすべきこと」と反対の意を示した。
 一方で町田議員は「市政合併時には62人もの議員がいた。当時、私は議会解散を提案したが否決され、市民から議会解散請求が起きた。結果は市民の圧倒的多数をもって定数削減となった。他議員が言う手続きの問題はわからないでもないが、議員は本会議で採決するもの。それを事前に話し合うべきだと言う。市議選前わずかなこの時期の植村議員の提案に敬意を表す」と賛成の意を示した。
 音嶋議員は賛成討論で「議員は最も市民に寄り添うべき立場であり、市民との信頼関係は何よりも優先すべきもの。植村議員の提案は断腸の思いのはずだ」と賛同した。

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