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アドバイスの落とし穴(アドバイスのやり方をアドバイスします)

こんにちはプロコーチの折原です。

今日のテーマ
アドバイスする人が、ちょっとばかり気をつけると良いことについてお伝えしていきます。


アドバイスとは?

助言すること。勧告。忠告。(大辞林より)

おそらく多くの人は「アドバイス=助言」として捉えていると思います。

確かにアドバイスを「する側の人」にとっては、良かれと思って助言すると思うので、意味合いとしてはそうなります。

しかし「アドバイスされる側の人」にとっては、全てのアドバイスが助言にはならない、そのコミュニケーションが助けにならないということを知っておくことが重要です。


アドバイスする側の人・される側の人の心の内

例えば、部下の仕事がうまくいっていない時、上司はアドバイスをしたがります。

「オレの若いころは・・・」
「オレの経験から言うと・・・」
「そうじゃなくて、こういうやり方が良いぞ・・・」

確かに、その上司がうまくいった経験=成功体験から何かを学ぶことはとても大切です。

ですが、こういったアドバイスを受けた部下の心の内はどうなっているでしょうか?

「時代が違うと思うけど・・・」
「そんな経験の話とか聞きたくないんだけど・・・」
「やりたいようにやらせて欲しいよ・・・」

アドバイスされたすべての部下がそうでは無いでしょうが、少なからずそう思っている人はいるということです。

これでは「助言」では無く「勧告・忠告」と受け止められてしまっているのでは無いでしょうか?


アドバイスの落とし穴

実はこれがアドバイスの「大きな落とし穴」なんです。

こういったやりとりが続いていくと、どこかコミュニケーションがギスギスしていき、相互理解や信頼関係が悪化していきます。

ではどんな落とし穴が潜んでいるのか?
僕は3つの落とし穴が潜んでいると考えています。


ひとつめの落とし穴 「アドバイスが指示命令になっている」

アドバイスをしているつもりが「ああやれこうやれ」と指示命令になると、相手は「うるさいなー」と感じてしまうかもしれません。

自分の方が経験や知識も多いので、良かれと思って言っているのでしょうが、相手が自分の意志でやっていることだとすると、指示命令的なアドバイスはかえって相手のやる気を低下させてしまいます。

ふたつめの落とし穴 「アドバイスでは無くてダメ出し」

アドバイスしているようで「ダメ出し」している人も多いですね。
「そうじゃなくてこうだ」などと相手がやっていることを否定して、自分のやり方を押し付けてしまう。

新人や経験の少ない人と関わる場合に多いように思います。

みっつめの落とし穴 「そもそもアドバイスを求めていない」

本来アドバイスは相手のためにするものです。
相手が困っている、悩んでいる時に相手の立場や状況によってアドバイスすることが効果的なはずです。

相手の立場や状況を見た時、本当にその人はアドバイスを求めているのか?もしくは求めていないのか?を見極めることが大切です。

そもそもアドバイスを求めていない人に、わざわざアドバイスすると「いや大丈夫です」みたいになりますよね?

しかも、そのアドバイスを無視されたら「せっかくオレがアドバイスしたのに、あいつは何なんだ???」みたいになりますよね?

それって自分が勝手にアドバイスして、勝手に何なんだ!と思っているだけなんですけどね。。。

というように、アドバイスすることは良いことなんですが、時と場合によってはコミュニケーション関係を悪化させてしまうトリガーになります。


アドバイスする人へのアドバイス

では、アドバイス=助言として相手に受け止めてもらうにはどうすれば良いのでしょうか?

ここからは僕からのアドバイスです。

① アドバイスが必要かどうか「確認する」

実はこれとても大事なことです。

今その人はアドバイスを必要としているか?という心の内が見える!わかる!という人は良いですが(そんな人はまずいません)、そうでなければ「確認する」ことです。

相手の立場や状況を見極めるためには、率直に相手に聞く、確認するのが一番早いんです。

アドバイスして欲しいと言えばする、今は大丈夫だと言えばしない。

その上で「いつでも相談して良いよ」とウェルカムな状態を作っておけば良いんです。

② 自分の考えや意見をあくまで「参考」として相手に伝える

指示命令やダメ出しをするのでは無く、自分の考えや意見、これまでの経験や知識をあくまで「参考」として相手に伝えましょう。

例えば、相手が困っている状況を解決した経験があるのであれば「参考として聞いて欲しい」と枕詞をつけてから、自身の経験について話していけば良いのです。

そうすることで、相手は「考える機会」を得ることもできます。

③ そのアドバイスを使うかどうかは相手次第

あくまで「参考」として相手に伝えたアドバイスを使うかどうかは、相手次第です。

参考になったからアドバイス通りにやる。
参考にはならなかったからアドバイス通りにはやらない。

それを決めるのは相手です。

なので、アドバイスした結果に対して、自分自身が一喜一憂する必要は全くありません。


まとめ

ということで、アドバイスの落とし穴と効果的なアドバイスのやり方についてお伝えしてきました。

実はこれらの効果的なやり方はコーチングのスキル要素を含んでいます。
コーチングでは「必ず相手の中に答えがある」と信じてコミュニケーションをします。

相手にアドバイスが必要かどうか?の答えは相手にあります。
アドバイスを使うかどうか?の答えは相手にあります。

そう考えてみると、不躾で自分本位なアドバイス=勧告・忠告では無く、本当に相手のためになるようなアドバイス=助言のなると思います。

ぜひこのやり方をトライしてみてください。
きっとコミュニケーションが変わりますよ!

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