うねりノート#5 私はうさぎになった。
私はまだ子供のままだった。星空を眺めながら寝て、
雪に埋もれて、うさぎの夢を見た。
うさぎはふわふわで人懐こかった。
私はうさぎになった。頭痛をかかえるうさぎ。
うさぎは人と人の間の問題がよくわかったので、
いつも頭を悩ませ、頭痛に悩まされていた。
うさぎは雪に飛びこんだ。暗くて、しずかで怖かったが、
星が見たかったので、雪に体を埋めながら夜空をずっと見ていた。
暗闇が怖いのは、なにも見えなくて、誰もいないからではなく、
見えていないのは自分だけで、周りにはびっしり「何か」が息を殺しているのではという気がして怖くなるのだ。
ここから先は
0字
¥ 100
うねりにお菓子を買ってあげてもいいという方は サポートお願いします。