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餃子嫌いの中国人

鉄板から水が蒸発する音。濃い茶色の焼き目。ニンニクの香り。
豚肉とキャベツの食感も心地よい。
私にとって餃子は、五感で美味なる料理といえます。月に2-3回は食卓に並ぶ、我が家の定番です。

中国の餃子は焼かない


餃子はいうまでもなく中国が発祥であり、古くは紀元前から食されていた痕跡が見つかっています。現在も家庭料理や縁起物として一般的な料理です。しかしながら、それは冒頭に述べたような餃子とは異なります。

まず本場中国では餃子を焼くことをしません。圧倒的に水餃子が主流です。焼いたり蒸したりするものもありますが、あくまで派生餃子。日本で言うところの、いわゆるスープ餃子に近いものが中国のそれにあたります。
小ぶりで皮が厚く、大量に食するのが特徴です。そもそも餃子は主食として認識されています。
対して日本。
タレをからめて白米にバウンドさせてから口に運び、間髪入れず飯をかっ込む。あの無骨で破壊的な魅力は我が国だけのようですね。

日本の餃子は逆さま

餃子にオモテやウラがあるとすれば、日本人なら焼き目がオモテだと思うでしょうね。家庭であれ、お店であれ、焼き目を上にして提供することが多いハズです。
餃子を焼かない中国では、焼き目あればウラだと認識するとのこと。実際に知人の中国人は『日本の餃子は逆さまに見える』と笑って話してくれたことがあります。ウラオモテがあるとすれば『皮と皮を合わせた面がオモテ』だそうです。


匂いの少ない中国餃子


本家中国では、ニンニクはあまり使われません。あくまで主食なので香りの強い食材は敬遠されています。中国餃子での代わりはニラ。
ただタレにニンニクをいれることは少なくなく、その場合は大量に使用します。またニンニク(生ニンニクです!)をそのままかぶりつきながら、それをおかずに餃子を楽しむことも一般的な食べ方のようです。


中国では日本式餃子は受け入れてもらえない

ここまで述べてきたように、本場中国では、いわゆる日本式の餃子は敬遠されています。
(現地では『日式餃子』といい、日本料理店以外にはほとんどみることがありません。)
実際に、日本で大人気の『餃子の王将』が中国に進出し、10年程度で撤退したことがあります。中国の方々は日本式の焼き餃子はお好みではないようです。


日本の餃子が好き

私の若い頃は、餃子にはビールが最高の相棒でした。餃子好きの友人と、焼き立ての餃子をかぶりつきビールで流し込む数時間。至福の思い出です。
今も餃子は大好物です。

各家庭で異なる具材。町中華のこだわりの焼き方とタレ。全国チェーンの定番の味。さらには個性的な役者ぞろいの御当地餃子もあります。
本場の中国式水餃子はどんなお味か、思いを馳せつつ、しかし日本の、あの焼き餃子が好きです。

みなさまの餃子への知識と食欲の一助になれば幸いです。

#餃子がすき

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