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自然写真家より・・日中シンクロ・雑木林でストロボは必需品・飯村茂樹

日中シンクロを理解しておけば、こわいものなし

タイトル写真は、夏の雑木林で樹液に来る昆虫を撮影したもの。
撮影データとしては、100mmマクロ、F4.5 シャッタースピード1/160 
ISO100
これは、背景がきれいに写るよう、設定した値です。

日中シンクロの手順

カメラをマニュアル設定にして、明るい部分が、自然な光で写る露出に設定します。
この時、注意しなければならないのが、シャッタースピードです。
ストロボを使用したときに同調する(シャッターがストロボに合わせて正常に切れる)シャッタースピードの限界が、それぞれの機種によって決まっています。
カメラ説明書を確認して、そこに表示されているシャッタースピード以下に設定してください。(以下であればどれだけ遅く設定しても大丈夫)

絞りとシャッタースピードを決める

明るい部分がきれいに写るよう、絞りとシャッタースピードを決めます。
タイトル写真でいえば、日が当たっている背景の部分です。
普段、オートやプログラム設定でしか写真を撮っていない人は、フィルムカメラ時代とは違い、失敗してもフィルム代や現像代がかかりませんので、これを機会に、「写真は常にマニュアル設定」に移行することをお勧めします。
どれだけ失敗しても、授業料は無料ですから・・

ストロボの設定

ストロボは、カメラに付属する内蔵ストロボではなく、外付けのストロボでなければいけません。
前提として、外付けのストロボが使えないカメラでは、日中シンクロはできません。
背景を入れた生き物撮影をするのであれば、外付けのストロボが使用できるカメラを選択してください。(生き物撮影を続けるのであれば、、外付けストロボは必須です)
今どきのストロボは、とても優秀です。ストロボを「ETTL」に設定しておき、テスト撮影してストロボの光量を多少上げ下げすれば、誰でもきれいに撮れます。


クヌギの樹液にきたオオムラサキのオスと色とりどりのカナブンたち

日中シンクロした写真

上の写真が、タイトル写真にストロボを使用して撮った写真です。
多少アングルを変えていますが、真っ黒だったクヌギの樹皮、樹液昆虫たちがきれいに写りました。
クヌギや昆虫がストロボ光で写った部分、背景は自然光で写った部分です。

三脚の使用について

日中シンクロを行う場合、設定したシャッタースピードで手振れしないのであれば、三脚は必要ありません。
ただ被写界深度(ピントの合う範囲)を広くしたい場合は、絞りを絞るのでシャッタースピードが遅くなります。
背景が夕刻などで薄暗い場合、シャッタースピードが遅くなります。
これは、日中シンクロに関係なく三脚が必要になりますね。
カメラとストロボをセットし、三脚に乗せて、日中シンクロを行ってください。

日中シンクロ参考作品はこちら

樹液に集まるチョウ

7月21日の雑木林


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