初心者の読書感想文チャレンジ⑨ ツナグ
■はじめに
こんにちは。
生きる狂犬です。
「初心者の読書感想文チャレンジ」として、9冊目に選んだのは、辻村深月の「ツナグ」です。
2011年に吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。
「辻村深月って聞いた事あるけど、どんな本書いてるのかなー」ということで、本屋で文庫本を手に入れました。
なお、若干、ネタバレしております。
■あらすじ
死んだ者と生きた者を、一生に一回だけ面会させる事が出来る「使者(ツナグ)」が織りなす物語。
幾つかのエピソードから成り立ち、それらが絡み合った作品である。
■作品の展開
序盤は、荒唐無稽な設定に、「なんのこっちゃ」と戸惑い、なかなか物語に没入出来なかった。
中盤、登場人物達の生き生きとしたセリフや、誰しもが持つ心の葛藤やモヤモヤが描き出されており、だんだんと作品世界にのめり込んでいった。
終盤、今まで積み上げてきたパーツが、ひとつに繋がり、それが手品の種明かしのようでワクワクした。
ただのエンターテイメント作品ではなくて、人間の「生と死」という大きなテーマを扱った良作であった。
■感想
私は死というものに身近に触れた機会がある。
死というものは、案外にあっさりしたものだ。
ただ、その人物の生き様は、何年経っても心に貼り付いている。
「人間の想い」は、肉体がなくなっても消えない。
そう考えると、そもそも生者と死者は、境界があいまいなのかもしれない。
私が生き続けている間は、「死者の想い」も存在し続ける。
そしてそれは、別の誰かに受け継がれる可能性もある。
「私の想い」というのは、何千年、何万年前から数え切れない程の人間が持っていた想いを、ちょっとずつ拾い集めて出来た物語かもしれない・・・。
そんな事を考えさせられた。
■おわりに
私はこの作品と出会い、生きている人間と、死んだ人間の距離が縮まったように感じました。
重いテーマなのに、軽快な文章で一気に読み切りました!
5段階評価で
●読みやすさ ★★★★
●ワクワク度 ★★★★
●熱中度 ★★★★
以上です❗️
9冊目読了❗️
読書がますます楽しくなっています💦
ここまで読んでいただき、ありがとうございました‼️
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