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初心者の読書感想文チャレンジ⑤ 楽園のカンヴァス

■はじめに

こんにちは。
生きる狂犬です。

「初心者の読書感想文チャレンジ」として5冊目に選んだのは、原田マハの「楽園のカンヴァス」です。
2012年に山本周五郎賞を受賞した作品です。

原田マハという作家が、美術に関連した小説を書いているというのは知っていたので、「一度、読んでみたい!」とおもい、手に取りました。

夢のようなエンターテイメント作品でした❗️
この本と出会って良かった。
なお、若干、ネタバレしております。

■あらすじ

19〜20世紀初頭のフランスの画家ルソーの作品が、真作か贋作なのかを巡って、2人の主人公が対決する話である。
史実に基づくフィクションなのだが、美術への造詣がもの凄く深くて、読み物としてかなり面白かった。

■感想

文章は読みやすく、単純なストーリーのようだが、次々に新しい事実が発覚して飽きさせない。
いつのまにか、作品世界にのめり込んでいた。

そして終盤へ向けてたくさんの伏線が張ってあり、それが次々と回収されていくのは気持ち良かった。

この話はルソー作品の真贋が軸だが、それとは別に大きなテーマがあると考える。
そのテーマは、「本物の芸術作品の持つパワーは人の生き方を変えていく」というものだ。

作中では、さまざまな登場人物達が、ルソーの作品に「一儲けしたい」とか「出世したい」とかいう理由で群がってくる。

主人公達もそれに翻弄されて、悩み、苦しむ。
しかし、だんだんと自分の心に嘘をつけなくなってくる。

絵画に限らず、音楽、文学、詩など、何百年という長い時間を経ても、国を越えて、人の心を揺さ振り続ける作品は存在する。

そのような作品と対峙すると、人間というのは、感情にフタをすることが出来なくなるのではないか?

そしてさらに、生き方そのものに揺さ振りをかけられる。
「あなたは、その生き方で良いのか」と、問われているようだ。

そう考えれば、心を動かす作品と出会えるというのは、人と出会うのと一緒で、奇跡のような貴重な体験ではないだろうか。

■ルソーと私

ちなみに、私は、アンリ・ルソーの作品は、とても好きだ。
美術に関する知識はまったく無いが、たまたま画集をみて、そのパンチの効いた絵に魅了されてしまった。

以前、東京都内の美術館で、作品をみたことがある。
その作品は、小さめの風景画なのだが、空に浮かぶ月が幻想的で、とても静かで、どこか優しい作品世界に没入してしまった。

調べてみると、日本国内にはルソー作品を収蔵している美術館は何ヶ所かある。
(世田谷美術館、東京国立近代美術館、ポーラ美術館など)

この小説を読んで、「また、ルソー作品に会いたい」という気持ちが強く沸き上がってきた。

■おわりに

「絵画って、パワフルだな」と感じました。

ルソーやピカソに興味がある人なら、3割り増しで楽しめる小説だと思います。

5段階評価で
読みやすさ  5点
●なるほど度  4点
●情熱度    4点



以上です。

やっと5冊目を読了しました。
本の世界の奥深さにびっくりしています❗️

読んでいただき、ありがとうございました‼️

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