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修了文集まとめ

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これまでご紹介した修了(卒業)文集のまとめです。
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#せんだい豊齢学園

『絆』 ~豊齢学園修了(卒業)文集から~

過去にせんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。(この文章は平成23年に書かれたものです) 絆せんだい豊齢学園修了生  H.Hさん 「いい字一字」の語呂合わせにちなみ毎年十二月十二日に発表される今年の漢字が話題になる時期になりました。 せんだい豊齢学園でも東日本大震災の特別講座を開いたように、大震災関連の漢字が応募多数で選ばれることでしょう。 予想されている漢字は一位『原』(福

『ふゆちゃん』~豊齢学園修了(卒業)文集から~

過去にせんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。 ふゆちゃん                  せんだい豊齢学園修了生  Y.Nさん その頃の私はいわゆる「空の巣症候群」だったのでしょう。 子供達もそれぞれの道に進み出した二十年余り前のことです。大好きだった趣味のフォークダンスも気が乗らず、何をしたいのかも分からない。 その頃友人の一人に 「Nさん、猫を飼いなさい」と言った

『音楽ボランティア』~豊齢学園修了(卒業)文集から~

過去にせんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。     音楽ボランティア        せんだい豊齢学園修了生  I.Kさん 秋、色鮮やかな木々が私たちを迎え入れてくれる。 ここには老人施設があり二度目の演奏活動の始まりです。入居している方に「覚えているよ」と気さくに声をかけていただき嬉しい限りです。 短めの挨拶の後、予め用意していた歌詞カードを配り童謡から演奏、四季折々の

『ある日の出来事』~修了(卒業)文集から~

せんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。 ある日の出来事 せんだい豊齢学園修了生  K.Sさん 今年の二月雪の朝七時過ぎ雪かきをしていたら、近所の小学二年生と三年生兄弟が学校に行くところなのにランドセルを玄関に放りだし、子供用のスコップを持って来て手際よく雪かきを手伝ってくれたのです。 年寄りが一人で雪かきをしていて大変だと思い、とっさに行動に移したのでしょう。二十分

「この街が好きだ」

あとがき 豊齢学園2年生の2学期が始まってまもなく修了(卒業)文集作成に向けて文章表現の講座が行われました。 「作文なんて書けるかなぁ」 「何を書いたらいいんだろう」 「大丈夫、俺は出席番号が真ん中だから、どうせ誰も読まないよぉ」 等など、研修室のあちこちから学園生の声が聞こえてきました。 ところが蓋を開けてみれば、ひとりひとりの人柄が文章ににじみ出ていて つなげると一編の文学作品のような、想いのつまった素敵な修了文集が出来上がりました。 学園での思い出や人生の振り返

『生かされて生きる』~修了(卒業)文集から~

せんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。 生かされて生きる せんだい豊齢学園修了生  K.Aさん 表題との出会いは、故郷南相馬市の寺通いのおり、法話の場です。末子(ばっし)乍ら、喪主を務めた縁で、先祖の墓守、寺の年中行事などに顔を出し仏恩を戴いております。 終戦により満洲から親子五人逃避行、一人も欠けず引き揚げ帰郷。三兄(さんけい)の栄養失調による隻眼失明の災いのみ悔

『こもれび』~修了(卒業)文集から~

せんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。※内容は在学中の秋に書かれたものです            平成28年度修了生 K.K さん 深まりゆく秋を感じながら、そびえ立つ木々の木漏れ日の中、公園 のすでに落葉し、カサカサと音のする土の上をゆっくりと歩く。   「あー空気が美味しい…。」と木々の間から見え隠れする青空を仰ぎ みつつ深呼吸を…。 まわりの喧騒も耳に入らず自分の想いに浸る至福のひととき。   すでに卒園している友人からの勧

『人生で70歳代が一番よかった』~修了(卒業)文集から~

せんだい豊齢学園修了文集 『於毛登(おもと)』に掲載された文章をご紹介します。豊齢学園生、修了生以外の方にも読んでいただきたい内容です。 せんだい豊齢学園修了生 A.I さん 『人生で70歳代が一番よかった』そう言える人生にするために! 豊齢学園に入学してここまで一番印象に残ったのは80歳代後半の先生の「自分の人生で一番充実していたのは70歳代です」という言葉