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親愛なる劇作家エドモン・ロスタン様へ その1

※2023-05-07 17:28 シゲ担の友人から情報いただいた部分を修正しました。みなさんもよかったら、コメントでもTwitterのDMでもどうぞ!


3日に1回の更新をサボりました……。
以後気を付けます()
その代わりではないですが、今回は1万字の大型更新です。(?)
『エドモン〜シラノ・ド・ベルジュラックを書いた男〜』を記憶の限り書き起こしています。
あくまで個人の記憶です。
また、自分の記憶の限りで書き起こしてから『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい』で流れを確認したりしています。
「ここ間違ってるよ!」というところがありましたら、出来れば優しく指摘してください……(弱気)

―――――――――――

遅くなりましたが、大阪大千秋楽お疲れ様でした!!
終わってしまうのが寂しくて寂しくて。
エドモン本当に愛しかったし、喜劇楽しかったな~!

さて、感想を書こうとするとレオ・ボルニーのラブレターよろしく
シゲ!シゲ!シゲ!好きだ好きだ好きだ!
になってしまうので、レポというかネタバレというか話の流れに沿って思いを綴っていこうと思います。
ただ、これは観劇した人が読んで場面を思い出せるものになっています。
まったくエドモンを観ていない人にはなんのこっちゃかと…(笑)
ではやっていきます~

客席が暗くならないまま、なんの前振りもなく(?)出演者が出てきた各々の位置に着きます。
エドモンは下手の階段を上がったところ。(後半楽屋として使われるところのやや手前)
エドモンの後ろにいる妻のロズモンドが抱く赤子が泣き出します。
「シーッ」と注意するエドモン。
開演を知らせる棒を打ってから椅子に座る。
時は1895年。
ムッシュオノレの語りから始まります。
前後の年にどんなことがあったかを説明し、1895年がどんな年かからサラ・ベルナールが無名の劇作家エドモン・ロスタンの『遠つ国の姫君』を演じるシーン。
「誰そ爪弾くリュートの音色〜」
サラのここの動きも言い回しもすごく面白かったw
わたしは『遠つ国の姫君』というタイトルを字面を見るまでは『塔つくりの姫君』だと思っていたwガテン系w
そう聞こえてたんだもん…塔造ってたらどこかからリュートの音色が聞こえたのかと…w
真剣にステージを見つめるエドモン。
サラは韻文の台詞を演じていますが、周りの観客はそれはもう退屈そう。
あくびをするものや目をこする者。
有名劇作家であるジョルジュ・フェドーと有名俳優のジョルジュ・クルトリーヌは『遠つ国の姫君』を酷評します。
「誰が作ったんだ!」
「ロスタンです」
「誰?」
「エドモン・ロスタン!!」
「古のジジイ詩人か?それとも作品が毎回コケる若手詩人」
「毎回コケる」
オノレの店で飲もうと去っていく二人。
「エドモン!エドモン!」と赤子を抱いたままやってくるエドモンの妻ロズモンド。
頬にキスする二人が可愛かった。
「ごめんなさいね、この子を連れてきて。預け先が見つからなくて」
「あの、どうだった?」
「え?」
「お芝居。どうだった?」
「なんていうか、なんていうか…その、なんていうか!」
「あぁ」
「きっとみんな大絶賛よ。絶対。わたしは上の子を迎えに行ってこどもを寝かしつけるわね。そんなに遅くはならないでしょう?絶対に大丈夫よ!」
帰っていくロズモンド。

酒場のシーンに切り替わり、エドモンは舞台の資金を提供するパトロンに呼び出されます。
周りはお酒を飲んで盛り上がっていますが、ここにコクランも登場していて、サラが「コクラン!元気そうね!」と声をかけているので、ここでエドモンの話をしているのではないかと。
「遠つ国の姫君は1週間で打ち切りだ!」
「でも、客席は埋まってました!」
「招待客でな!」
「あぁ」
あぁ、の顔全部可愛いシゲ。
この後も何度かあるけど、眉を下げて困ったような顔で「あぁ」って言うから抱きしめてあげたくなるね。(比喩です)
「言ったろう?コメディを書け!と」

夜の街を歩くエドモン。
そこで妙な呼び込みに出会います。
ポスターを前と後ろでゼッケンのようにかけて練り歩く人々。
「世紀の大発明!」
「さぁさぁムッシュ!お立ち寄りを!」
「料金はたったの1フランぽっきり!」
エドモンは勢いに負けてその興行に立ち寄る。
「失礼、どこかでお会いしませんでした?××劇場の○○です」(失念)
「エドモン・ロスタンです!劇作家の!」
「人違いでした」
ここのくだり、笑いが起こる日と起こらない日があったようなw
笑って良いところだよね!?w
そこで行われていたのは活動写真。つまり映画。
活動写真と言われるとモダンボーイズを思い出しますね。
あぁ、エフリィ様……奏くん……。
実際に後ろのスクリーンに活動写真が流れ、それを観たエドモン(実際は後ろだから見えてはいないわけだけど)は衝撃を受けます。
ゆっくりと立ち上がって両手で口元を押さえて目を見開く。
スローモーションのような演技。

自宅に帰宅するエドモン。
「今、何時だと思ってるの?午前2時よ」
「遠つ国の姫君は失敗だった!でもいいんだ。あと何年かすれば劇場はなくなる。残るのは暗くて小さな部屋で連続的に映される写真だけさ。呼び方くどいけど」
ここで鞄を置いて、上着を脱いで、ベストまで脱ぐ。
「エドモン?あなた、お酒飲んだ?」
「僕が飲めないこと知ってるじゃない」
この知ってるじゃないが可愛かった。シゲは酒に強いがエドモンは酒が飲めない…
エドモンは書斎の机に座ると遠る国の姫君の失敗を嘆きます。
「あぁ、ローズ!どうすればいい!パリの物価は世界一だよ」
「でも、美しさも世界一よ。わたしはあなたにハーブティーをいれる。あなたはここで筆を執り大傑作を書き上げる」
「でも…」
「(エドモンにキスして)書きたまえ、我が愛しの詩人よ」
シゲとロズモンド役の佐藤さん(ジャンヌ役の佑奈ちゃんも)は一度もキスはしてないように見えました。
ジャンヌ役の佑奈ちゃんとレオ役の細田くんはしていた気がする。
守られるシゲの唇(?)
(※シゲは一度もキスしていないそうです。そしてやはり、細田くんと佑奈ちゃんはしている。)
「傑作だな。批評家の嘲笑しか得られないなんて」
エドモンは筆を走らせますが、なかなかうまくいきません。
最終的には父へのお金の工面の手紙ですら、くどい韻を踏みロズモンドに怒られます。
「エドモン!!お父さんへの手紙は普通にお金を頼んで!」
「Oui!Oui!ごめんなさい!」
シゲの「Oui」可愛かったな。
エドモンが傑作に辿り着けないまま、筆を走らせる間、後ろのスクリーンに映る年号が1895から1897にカウントアップされます。ここで2年間何も書けなかったことを表しているんですね。
そして机に突っ伏してしまうエドモン。
ロズモンドの声で目を覚まします。
「エドモン!買い物に行ってくる」
「うん」
「買い物に行ってくるんだけど」
「!!お金!!待って、たしかどこかに20フランあるはず!」
はっ!って顔したあと、ばたばたと自分のポケットやかけてある上着を探し回ります。
「レオに貸しちゃったかも…でも!今夜あいつに会うから…」
「今日も!ツケにできるか聞いてみるわ」
「詩の女神は必ず!必ず舞い降りるよ!」
言い訳すな!w
シゲの顔が可愛いから騙されてしまうが、普通に旦那が2年収入なくて、お父さんからの仕送りがメインで、買い物毎回ツケだったら怒りたくもなるよね。
ローズ、君は正しい。
ロズモンドが家を出ようとすると、冒頭の『遠つ国の姫君』を演じたサラが家にやってきます。
「あぁ、ロズリン!わたしの詩人はご在宅かしら?」
「ロズ”モンド”!サラ、アメリカにいたはずでは?」
「えぇ、いたわ。そしてまた明日アメリカに戻るわ。エドモン!エドモーン!」
「エドモン!サラがいらしてるわ!」
奥から出てくるエドモン。
「サラ!!今、あなたの為に戯曲を書いていたんです!」
ベッドを挟んで右左に動くエドモンとサラw
カバディ。(伝わらないよ)
「嬉しいけど、今は無理ね。忙しいもの」
「そこをなんとか!どうしてもあなたに演じてほしいんです。その…ナポレオン2世を!」
言って片手で頭を抱えるというか、目元を押さえるエドモン。そんな構想ないからねw
サラは女性だし、もちろんナポレオン2世は男性だし、ここも笑いどころだったりしたのかな?
(※友人からサラが出ていた劇場がナポレオンがつくった劇場だという情報を見たのでそこからの連想では?とのこと)
わたしが観た回は笑いが起きてることなかったな。
「今日はあなたに話があってきたのよ。最近はどう?(何か言おうとするエドモンを待たず)そんなことだろうと思ったわ!コクランって知ってる?」
「俳優の?」
「そう!あの人ったらいつも芝居を探しているの!あなたの遠つ国の姫君も絶賛していたわ!」
「コクランが?」
「わたしの紹介で二人の天才が出会うのよ!今、彼がポルトサンマルタン劇場でやってる舞台に席を取ってあるわ。幕間に挨拶に行って!」
「待って、いつ!?」
「今日の夜よ~!」
「今日の夜!?」
エドモン宅を出ていくサラ。
「じゃあね、ロズリーヌ」
「ロズモンド!」
サラはわたしの詩人の妻の名前くらい覚えてさしあげて…
でも、サラもロズモンドも、ジャンヌも。
エドモンの才能に惚れ込んでたんだよねぇ…。
演じるのがシゲなのでエドモンは抜群に顔も良いけど、どの女性もその才能に心底惚れてたのがロマンなのかなぁ。
「2年間何も書けてないのに、あと2時間で何を書けと!!」
「うちの借金を考えて!とにかく即興で書いてね!」
ロズモンドぉこ。

照明が暗くなり、脱いだベストやジャケットを着るエドモン。
以後、ベストまでは脱がないので、サスペンダー観られるのはこの短時間だけなんだよね。
「どうしようどうしようどうしよう!内容は?時代は?あぁ!何も思いつかないよぉ!」
重ね重ねエドモンは可愛いな。
他の演者が小物を撤収したり、設置したりしている間にエドモンはステージ場を歩き回ります。
街頭横に落ち着いて。
「悲劇にしよう!なぜなら僕に笑いは無理だから☆散文でなく、韻文。なぜなら、散文の書き方がわからないから☆歴史上の人物をモデルにして、あとは僕の自由な空想で動かす!そして美男子!これだ!」

シーンはムッシュオノレの経営する酒場に。
端のテーブルで執筆に励むエドモン。
エドモンの執筆スタイルは、結構テーブルに近いと言うか、背中を丸めてわーって書くタイプ。視力落ちるぞ。
「忍耐こそ苦難を遠ざける」(ここのオノレがなんて言ったか忘れてしまって映画の台詞から持ってきています)
「クロンボが何かしゃべってるぞ!」
一人のごろつきが声を上げます。
小さな悲鳴をあげる客達。エドモンもはっと顔をあげます。
「失礼。最近耳がよく聞こえないことがあってね。今なんと?」
「俺は猫を猫と呼び、クロンボをクロンボと呼ぶ男だ」
「それだけ?他には?この店で飲みたいのなら、それなりの教養と語彙力を身につけてもらわないと。地理学者なら~~~~(失念)、画家であれば栗のような黒、黒々とした黒。一口に黒といっても様々な種類があります。この店で飲みたいんでしょう?ブラックを!!それができないのならば、お出口はあちらです」
「俺は…そんな…」
「見えませんか!?お出口はあちらです!!」
逃げるように店を出ていくごろつき。
拍手したり、テーブルを叩いたり、足を鳴らして称賛する客達。
一部始終を見ていたエドモンは叫びます。
「断然ブ男だ!」
すごい笑顔。
客に振る舞っていたワインを持ってエドモンに近付くオノレ。
「一杯いかが?そして誰がブ男?」
「いや違います!!物語の空想上の話で!」
「おや。あなたは詩人か何か?」
「劇作家です。あまりぱっとしませんけど。さきほどの立ち振る舞いを見て、感動して」
「わたしの立ち振る舞いを見てブ男と?」
「えぇ!」
(ワインの瓶を振り上げるふりをするオノレ)
「いやいや!」
「主人公を詩人にしては?」
「いいなそれ!~~~~(失念)、失敗しても偉そう。」
「いいじゃないか」
「歴史上の実在の人物にしたいんです!」
「彼は?サヴィニヤン・ド…」
「シラノ!!!シラノ・ド・ベルジュラック!!!」
「さすが作家は古典にお詳しい!」
「でも、あなたは?」
「養子に引き取ってくれた父がわたしに残したのがこの店と詩を愛する心です」
「ご自身でも詩を書かれる?」
「(頷くオノレ)」
「(握手しながら)エドモンです!エドモン・ロスタン!あなたは?」
「オノレです。表の看板に書いてありますよ」
照明が暗くなって、エドモンだけになり、話の方向性が見えたエドモンが両手を……なんて言うの?
何かを掴むように?動かして、笑顔で(やるぞ!)って感じで気合いを見せるんだけど、ここが超可愛い。みんなに見てほしい。可愛い。
わたしはここの動きが一番好きだったかもしれない。

場面は変わってコクランとジャンの舞台のシーン。
ジャンのお芝居がへたくそ。w
すぐに幕間へ。
リュシアンはベルを鳴らしながら叫びます。
「10分後に再開~!」
「カツラは!?」
「ちゃんとあるだろ!」(正しいか自信がない)
「リュシアン!口ひげ!」
「口ひげ専用ののりがあるだろ!もっと声はれよ!?天井桟敷まで届いてなかったぞ!」
「OuiOui!」
そこに走り込んで来るエドモン。
「劇作家です!コクランさんは…」
「約束は?それがなくて酷い目を見た奴がいるぞ!」
コクランの楽屋のドアを叩くリュシアン。
「約束は…あるはずなんですが」
「入った入った!」
コクランの楽屋へ押されるエドモン。
楽屋ではコクランとコルシカのヤクザ兄弟が話し合っています。
「あぁ、今日はこの方と大事な約束が!さぁ!」
エドモンを見たコクランはヤクザ兄弟を帰そうとします。
「あ、僕は別に…」
「いいから!」
「んじゃあ。ただ、忘れてもらっちゃ困る。金は必ず返せ」
出ていくヤクザ兄弟。
「借金が返せなくてな。なんだって君もこんな地獄みたいな日に」
「地獄?客席は埋まってましたよ?」
「招待客でな。君は?」
楽屋鏡の前に着くコクラン。
「エドモン・ロスタンです」
「遠つ国の姫君の。ありゃだめだ!暗い!おまけに長い!褒める要素がひとつもない!」
「あぁ」
「(遠つ国の姫君の一説を空んじる)」
「覚えてくださったんですか!」
階段をかけあがる。
「覚えてしまうんだ。美しいものはな。で?君の芝居は?悲劇か?喜劇か?」
「悲劇です!」
「あぁ~(椅子にうなだれる)」
ここのうなだれる芝居、日に日に大胆にうなだれていった気がするw
「き、喜劇です!」
「よし!(体勢を立て直す)主人公は?」
「エルキュール…サヴィニヤン……シラノ・ド・ベルジュラック…」
「わたしの役は?」
「シラノです!」
「素晴らしい!で、どんな役なんだ?」
「詩人にして剣の達人、それで…その~見てくれが悪い?」
両手を広げて、肘を折って顔の横。片足のかかとをこつん☆
ミッキーみたいなポーズをするエドモン。(わたしのミッキーのイメージ)
べりーきゅーとシゲ。
「見てくれが悪いだと!?」
「見てくれが悪いというか、その…見てくれは悪いんですけど……(楽屋にあるペストマスクのような仮面を手に取り)鼻!鼻が巨大なんです!」
「鼻が巨大ぃ?…台詞は?」
「長台詞の最初だけなんですけど…」
自分の手帳を手渡すエドモン。
「~~~~~(失念)、例えば一つ!…これだけか?」
「例えば!例えば…その…」
手をひらひら?ぴろぴろ?させながら考えている動きが可愛いw
「例えば一つ!○○ならかく申せ!わたしの鼻がそんな鼻なら斬って捨てるぞ!」
この時のエドモンの指を剣にして斬って捨てるぞの動きは所作が美しかった。
「斬って捨てるぅ!?」
「吟遊詩人ならかく申せ、これは岩か?はたまた岬か。いや半島なり!」
半島なりで両手で半円を描くようにジェスチャーする。
「〜〜〜〜〜(失念)、止まり木なり。」
鳥かごを持って考えて、両手で小さくぱたぱた小鳥の羽の動きをする。
「大げさに言うなら?」
鼻をかみながら聞くコクラン。
「〜〜吹く風南風、その名はミストラル!」
「彼はガスコーニュの生まれか?」
「えぇ、ガスコーニュの誉れです」
「無邪気には?」
「無邪気……あの鼻劇場へはいつ行こう!」
片手で遠くを指差してわざとらしい笑顔。
「軍隊長なら?」
「捧げ~鼻っ!」
鼻のあたりで敬礼ポーズ。
「実用的には?」
「実用的に…実用的には、この鼻でくじを引け。さすれば必ず大当り!」
「いいじゃないか。一幕で登場人物の紹介、二幕に山場、三幕でハッピーエンド!三幕劇にしろ!いいな!?」
舞台本番へ出ていくコクラン。
「三幕劇!?書いたことないのに!?」

舞台はやかましそうなカフェに移ります。
踊り子の派手な衣装。どう見てもまともなカフェではないw
今で言うところのキャバクラかしら。
でも、この後女の子呼ぶからキャバクラではないか。
クラブってところかな。
(※カフェやクラブではなくフランスの有名なキャバレー、ムーランルージュだそうです。ショーを観ながらお酒を飲む。飲み放題だけどシャンパンは別料金w)
「すごいじゃないか!名優コクランが無名の劇作家に三幕劇を依頼するなんて!よし、お祝いにシャンパンを頼もう!」
「すごいより不安だよ。それにレオ。僕は無名ではないよ。有名でもないけど。それとシャンパンは辞めておこう。自分で払うなら止めないけど」
この「無名ではないよ。有名でもないけど」の言い方が、呆れてはいるんだけどちょっと優しいんだよね。
エドモンは本当に友達としてレオのこと好きなんだな。
「よし、シャンパンは辞めよう。なぁ、俺にも役をくれよぉ~。かっこよくて、あんまり頭使わない役~!」
レオは日に日にアホの子度が高まっていっていた。
憎めない可愛い奴だってところがどんどん出てた。
「それより何だよこの店は!ローズにはこんな店だなんて言ってない!」
ウェイトレスがやってくる。
「なんにするぅ~?」
「あぁ~だめだよ…」と言いながらも、がっつりウェイトレスの谷間を見つめるエドモン。
ゆっくり振り返って客席側を見て「帰りたい」とぼやく。頬に手を添えて困った顔で「帰りたい」ってぼやくエドモン、動作も表情も本当に可愛い。
「アブサンを」
「僕はハーブティー」
周りの客からため息が聞こえる。
「僕、お酒は飲まないの!」
両手を広げて訴える。この訴え方も可愛い。
繰り返しになるけど、ハーブティーしか飲まないエドモン可愛い。
ハーブティーが主食。(?)
「アブサンとハーブティー入りましてぇ〜〜〜!」
これは打ち間違いではなく、ウェイトレスのオーダーの仕方が本当にこういう発音だったw
「俺も報告があるぞエドモン!恋をしたんだ!」
「いつものことだろ」
「今回は本気だ!」
「どうせ花のような花恋だな」
「食事に誘ったら友達と一緒ならなんて言うんだ。可愛いだろ?」
「支払いが二倍だね。いつ会うの?」
「今日!」
「今日!?」
「友達はお前好みの眼鏡女子だぞ。思う存分お得意の退屈な会話をしてくれ。頼むよエドモン!」
「エドモンって呼ぶな!こんな店で女の人といたことがローズに知れたら…。もっと覚えにくい名前にしろ!○○とかアルドルフとか!」
そこにジャンヌと友人がやってくる。
「レオ~!」
「やぁ、ジャンヌ!」
「こっちは友達のジャクリーヌ!」
「はじめまして。俺はレオ。こっちは……ジョルジュ!」
はぁ!?って顔のエドモン。
「ジョルジュ!ジョルジュ・フェドーと一緒ね!わたしジョルジュ・フェドー大好き!」
「本人です!」
「嘘です~~~!!!」
両手をばっと広げるというか、否定するのを大袈裟にしたような動き。
エドモンは動きが全部可愛い。
「冗談が好きな人なの」
ジャンヌよくこのしょうもない冗談をそれで済ませられるな。(笑)
ダンスをしに行くレオとジャンヌ。
エドモンとジャクリーヌは席について会話。
ウェイトレスがやってくる。
「なんにするぅ?」
「奢ってくれるのジョルジュ」
「あぁ」
「シャンパン」
「シャンパン!?」
「グラスで二つ?」
「ボトルで」
「ボトル!?」
「シャンパンボトルで入りましてぁ~~~!」
「君は演劇が好きなの?」
「いいえ、音楽が好き。コメディならギリかな」
「ハーブティーをもう一杯」

戻ってくるレオとジャンヌ。
「ねぇ、ジャクリーヌはダンスしないのかってジャンヌが」
「じゃあ行くわ。ジョルジュは?」
「僕は皆さんの邪魔になるから…」
「何言ってるんだよ。ダンスには目がないくせに」
「おい、やめろ!」
レオに無理矢理ダンスフロアに連れ出されるエドモン。
上手の階段のところですっごいつまらなそうな顔で手拍子したり、ものすっごい嫌そうな顔でラインダンスするの面白すぎたw
拍手を始めるタイミングは日によって違ったし、自分で始めることもあれば、レオに促されて拍手を始めることもあった。
顔を伏せてテーブルに戻ろうとするところをジャクリーヌに見つかり、一緒に踊る羽目になるエドモン。
ジャクリーヌと両手を繋いでぐるぐると回って、手を離して放たれて場外ホームランです。
セット裏まで飛ばされるw

ゼェハァ言いながら戻ってくるエドモン。
ゼェハァしながら気付け薬を飲む。
「大丈夫?ジョルジュ」
「そういえばジョルジュは踊るより話す方が得意だったかもー☆」
レオに振り回されっぱなしなのに友達辞めないエドモンえらい。
古いと言われる演劇が好きなジャンヌ。その話を始める。
「あれ?もしかしてロマンチスト?」
ここですでに少し嬉しそうなエドモン。
自分が韻文詩を書く詩人だから、ジャンヌは良い趣味してるなって顔。
「Oui!Oui!生まれるのが〇年遅かったの!18〇〇年に生まれていれば○○だって○○だって演じられたのに!わたしは舞台の裏方だけど、レオは表に出る俳優なのよね素敵だわ」
「今は開店休業中って感じだけどね~」
「わたしはジャンヌにいつも大袈裟だっていってるの」
「大袈裟じゃないわ。あれこそ愛の物語よ」
「○○や○○は?」
「ノンッメルシー!○○や○○を観るくらいなら死んだ方がマシよ!」
微笑んで頷くエドモン。賛同しとる。
「この時代、真の劇作家は一人だけ!エドモン・ロスタンって言うの!」
「ぶーーーーーっ!」
ハーブティーを吹き出すエドモンwwww
「知ってるの?」
「聞いたことあるかも」
視線は客席の遠くを見るようにというか、けしてジャンヌたちを見ないまますっとぼけるの面白い。
「でも、彼の舞台って鼻持ちならなくない?」
ジャンヌがまさかのエドモンのファンでへそを曲げたのかもしれんが、友人の作品に鼻持ちならないとは何事なんだレオw
「そう!それよ!鼻持ちならない!」
「(エドモンの作品の台詞をしゃべるジャンヌ)」
「台詞を覚えてるの?」
「すべて暗記してるわ。あぁ…彼に会ってみたい」
「そうですね、彼に会いたければ…」
立ち上がって髪をなびかせるようなジェスチャーをするエドモン。
「きっとブロンド髪がカールして額にかかるような…」
「あぁ」
眉を下げて、ジャンヌが思い描くビジュアルじゃないことに落胆するエドモン。エドモンも相当顔面かっこいいよ。(シゲ担はシゲの顔面に激弱)
「そう、みんなそんな感じだって言ってる~!」
レオは本当に適当な男だw

店内が騒がしくなる。
「あれは誰?」
「ジョルジュ・フェドーとジョルジュ・クルトリーヌだ」
「わたし、まだこの時間劇場で働いてることになってるの!行きましょジャクリーヌ。これ置いていくわ。わたしたちが飲んだ分だから、返さないでね。じゃあね。ダンス楽しかったわ」
お金を置いて店を出ていくジャンヌとジャクリーヌ。
「驚いたな!お前の崇拝者がいたとは!」
エドモンをレオがからかっていると二人に気付くジョルジュ・フェドー。
「おや、誰かと思えばエドモン・ロスタンくんとレオ・ボルニーくんじゃないか!最近見なくなったが、どうしているのかな?そうそう、ロスタンを見なくなったのと同じくらいじゃないか?ボルニーを劇場で見なくなったのは」
「やあ、ジョルジュさん。僕たちはこれで」
「ボルニーの次回作は決まってるぞ!エドモン・ロスタンの新作だ!しかも、主演はコクラン!」
「なんと!あのコクランが韻文の悲劇を?」
「ぶわぁぁぁぁか(馬鹿)!散文の喜劇だよ!」
「おや、ロスタン先生。いつから喜劇を書くほど落ちぶれて?」
「僕たちはこれで」
「奥方によろしく」
「そういやアンタんとこの奥さん、まだ帰ってきてないんだってなぁ!」
「レオ。(ウェイトレスに向かって)僕たちの支払いはあそこにいるジョルジュさんに。古い付き合いなので」
「Oui」
店を出ていくレオとエドモン。
外で二人並んで話し出す。
「偉そうにしやがって」
「まぁ、実際成功してるしな」
「散文の悲劇なんて誰でも書けるさ」
「でも、その誰でもが成功するわけじゃない」
「「はぁ」」
二人でため息。
「でも、お前はその誰でもじゃあない!俺の未来の奥さんが崇拝する劇作家だからな!しっかり休めよ、エドモン!」
去っていくレオ。

セットはエドモンの自宅に切り替わり、こっそりドアを開けて覗き込むエドモン。
ロズモンドが寝ていることを確認して安堵のため息をつく。
そのまま家に入ると起きていたロズモンド。
「エドモン」
「ただいま、ローズ。寝てていいよ」
「どこに行ってたの?」
「レオと一緒だった。あいつのお気に入りのカフェで。なんて言う店だったかな。寝てていいよ」
鞄や上着を帽子かけにかけるエドモン。
「女の子はいたの?」
「ローズ。なんで女の子がいて欲しいの」
ベッドに近づき、ローズに訴えるエドモン。
「だって、レオがいるってことは女の子もいるでしょう?」
「あぁ、いたよ。ウェイトレスや踊り子がね。やかましい店だったよ」
靴を脱ぎ、ロズモンドの横に寝転がるエドモン。
「コクランはどうだった?」
「忘れてた!!!」
がばっと起き上がり、立ち上がる。
「三幕劇を書けって!」
「すごいじゃない!」
「でも、一文字も書けてない!」
脱いだ靴を履こうとするエドモン。この後も、ローズとベッドに寝転がるシーンはあるけど、靴まで脱ぐのはこの時だけ。
革靴と言うよりはブーツっぽい靴。
サイドにゴムが入っていて、履き脱ぎはしやすいような形状になっていたと思います。たぶんだけど。
(※サイドゴアブーツ!『サイドゴアブーツ メンズ』で検索したら出てくる感じの靴です)
「今から寝ずに書き始めるつもり?」
「そうだ、君の言う通りだ。一晩寝てから書き始めよう」
再び隣に寝るエドモン。
「で?踊り子の子は可愛かったの?」
「踊り子?何の話?聞き間違いじゃない?」
「えぇ!聞き間違えたのかもっ」
怒ってエドモンに背を向けて寝ようとするロズモンド。
「おやすみ!愛してるよ♡」
ここの「愛してるよ」めちゃくちゃ軽率な感じがしてよかったw
コンサートでシゲが言う「愛してるよ」ももう少し重さがあると言うか。
シゲ部で言っていた貞操観念がゆるめじゃないけど、この軽い愛してるよもフランス人が故なんでしょうかね。

―――――――――――

ここでだいたい1万字なので、今回はここまでで。
これ重要あるのかな……
少しでも需要あるよ!って思った方は、頼むからいいね押してください…。労力がそれなりにかかったので、みんなに褒められたい。(素直)
Twitterの拡散もよろしくね!!(笑)
その2も書いてるんですけど、今5,000字くらいです……あぁ……。

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#加藤シゲアキ #NEWS #エドモン #シラノドベルジュラック  

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