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FLOW DHU product002-Left Hand を公開しました

「FLOW DHU」product002 のライブストリーム配信をYouTubeチャンネルにて開始しました。

3月に公開したもの(リンク先note記事参照)に続く第2弾です。いずれも、DHU関係者のクリエイティブ、エンジニアリングを結集してつくっています。

ここでいうライブストリームとは、YouTubeなどの動画プラットフォームを使って24時間途切れなく配信される、ライブ動画のことを指しています。ラジオのようなもので、いま流れているライブは全世界で同じサーバから配信されています。

つまり、いま流れている音楽も、アニメーションも、インターネット上では同時に視聴されています。ここに、世界中で緩やかな連帯が生まれやすいため、例えば日本では、受験生がデバイスをかたわらに置いて流しっぱなしにしておき、勉強を「始めるよ」というチェックインや、ふとしたときのつぶやきをチャット欄に書いて一息つく、といった文化が生まれています。

今回、私たちが提供する新作を公開しましたので、作品およびチャンネルついての解説と、背景となる考察をこのnote記事に書きました。

product 002 - feat. Orbital2 / Left Hand ver.

product001と002は、キャラクター、構図などが対になっています。

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選曲は、担当したセツナクリエイションによると、

どちらも、「作業に集中すると聞こえなくなる」「聞こえていると心地いい」という2点を大事にしつつ、アイデアを考えたり作業をする際に、001は音に身を預けられるような曲、002は自分の中に入り込める曲、という基準

となっており、同じChill Hiphopジャンルでも選曲コンセプトに違いをもたせています。

クリエイティブにおいては、薫人さんの筆による、ディテールのつくり込みを増しています。散りばめられた創意工夫は、ユーザーの集中と覚醒の合間にふと垣間見られるように調整されています。こちらも、001と002を比べて見ていただけると、楽しいと思います。

エンジニアリングでは、技術監修とサーバサイドでのプログラミングを担当するキッズプレートにより、昼と夜(東京時間)で画が変わるという新機構を実装しました。私の知る限り、組織が提供するライブストリームコンテンツで、リアルタイム配信にさらに時間性を持たせているものは今まで無かったのではないかと。(このようにデジタルコンテンツ研究における実証実験の余地と、新規性があるのが、私たちの取り組みべき意義の一つであるとも考えています)

対になった2作で共通しているのは、やはり学発プロダクトであるOrbital2をフィーチャーしていること。BRAIN MAGIC社代表で、大学院修了生ある神成さんの開発する製品をプロモーションする、新しい方法の提案でもあります。

専用チャンネルへ移行しました -これは”何”なのか

そしてこのproduct002の公開を期に、専用チャンネルに移行しました。

product001制作は、「これは、”何”をつくろうとしているのか」という探求でした。002の制作を通じて出した答えを、専用チャンネルのコンセプトとして実装し、今後のコンテンツ展開(予想を裏切っていくつもりなので、ご期待いただければ嬉しい)を進める予定です。

さて、ではこれは”何”なのか。

Lofi Girl などが有名な一群のライブストリームは、現象としては世界中に愛好ユーザーがいますが、文化としてはまだ「生まれつつあるもの」です。著作権的な処理が完了していないもの多い(それは、ヒップホップのサンプリング文化に通じるものであり、一概に否定することはできませんが、公式に提供するためには必ずクリアしなければならない問題です)。プロトタイプで提供していた際には、受験勉強やデスク作業時に普段からこれらのコンテンツ(なんと呼ぶのかは知らないけれど)に親しんでいます、という声も寄せられましたが、大半の反応は「これは何の配信?」という疑問でした。

WIREDの記事では、音楽ジャンルとしてのLo-fiヒップホップのシーンを取り上げています。でも、これはある面からの観察に過ぎないように私には感じられます。

Lo-FiヒップホップのYouTubeチャンネル。
他に、ユーザーの使い方と、文脈への接し方によって、

 24/7 ライブ配信
 YouTube Live Stream
 Chill HipHop
 ループアニメーション
 作業用BGM

様々に呼ばれていますが、私はこれを「文化・文脈の複合コンテンツ」として考え、「技術✕表現✕音楽✕物語✕座組の総合」であると位置づけてみました。近代芸術におけるオペラをイメージしています。YouTubeという現代の巨大な流れ(ストリーム)る劇場が発展し、これを可能にしました。

 技術:24/7配信システム、プラットフォーム
 表現:アニメーション、アートディレクション
 音楽:選曲、音響効果、プレイリスト連携
 物語:登場するモチーフ、シチュエーション
 座組:関係者によるコラボ(私の場合はDHU)、招待アーティスト

ここには、企業・学校のブランディングに大きな価値をもたらす特質があります。

それは、

関係者の諸活動を一つの作品、一つの流れ(ストリーム)に転換できる

というものです。ビジネス、エンジニアリングスキル、アート活動、タレント活動、学校としての出来事、などなんでも全て、個別の作品企画の地平において結合させ、人に届けられるようになってしまう。

この特質がもたらす価値は3つあります。

1.創発が起きる
DHU関係者の組み合わせによる相互作用。
デジタルハリウッドの名前の由来にもなっている、プロジェクトごとに専門家が離合集散するハリウッドワークスタイルの体現。

2.装置化し、人の役に立つ
鑑賞でありながら、機能を持つ。
集中・没頭作業、フロー状態、チルアウト。

3.コミュニケーションも作品の一部
使っている人同士のAnonymousな連帯。はじめからグローバル。
コンテンツの周辺に起こるコミュニケーションではなく、流れてそのものが作品に。Lofi Girlのチャット欄を見てみてください。

上記の価値を発揮するproductを展開し、使ってもらいやすいよう、専用チャンネルを設けました。

FLOW DHU -ネーミングについて

ライブストリームを作業のかたわらで再生していたら、

「なぜか集中できた」
「仕事がうまくいった」
「いいものができてしまった」

私にはそんな経験が何度もあります。

物事に没頭し、完全に集中している精神状態。

ミハイ・チクセントミハイの有名な研究成果、「フロー状態」が起きてしまう装置を目指しています。

集中/没頭
覚醒/夢中
フロー状態
LIVE STREAM/流れ
BUOY/澪標(みおつくし)

荒波に揉まれ、
沈まずに浮かび漂うDHU

こうした要素を集めて、
「FLOW DHU」と名付けることにしました。

Live Stream for your Concentration
and Awakening by Digital Hollywood Univ.

あなたの”夢中”と”覚醒”をたすけるライブストリーム
デジタルハリウッド大学の24時間ライブ配信チャンネルです。
クリエイティブな集中時間を応援します。

また、ケヴィン・ケリー著 服部桂訳『<インターネット>の次にくるもの 未来を決める12の法則』(原題:THE INEVITABLE)より、「FLOWING フローイング(流れていく)」という力のはたらきにも影響を受けました。それについてはこちらの記事で触れています。

学発プロダクトとして

上のリンク先note記事にも書いたことの再掲ですが、学発プロダクトのコンセプトは以下の3つです。

1.人間の創造性に奉仕すること
2.私たち(DHU/DHGS)にとって大事な人たちの力を結びつけること
3.装置にすること

学発プロダクトとしての「FLOW DHU」は、関係者の諸活動を表現に転換し、その力を結び付け、創発を起こします。

「没頭」は力であり、その装置は商品である。
知的財産(IP)や新たなプロモーション手法などのビジネス展開の可能性を含んでおり、それを初めから企図しています。

第3弾以降のお知らせで、お伝えしていけたらいいなと思っています。

ーそのビジネスは、世界を幸せにしているだろうか。(デジタルハリウッド大学大学院)

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DHU 2025 AGENDA

最後に。デジタルハリウッド大学の中長期構想(DHU2025)、DHU 2025 VISION BOOK のエッセンシャル版Webサイトです。この中にアジェンダとして設定している、学発プロダクトやアート&テクノロジーの振興といった展望に基づいて実装しました。

作業・勉強のおともに

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

ご意見・ご連絡は下記をご覧ください。

それでは、ライブストリームチャンネル「FLOW DHU」がみなさんの集中と覚醒のたすけになることを願っています。







ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。つたないものですが、何かのお役に立つことができれば嬉しいです。