朝焼けは一瞬だから美しいのかもしれない。
春でもないのに三寒四温で冬に少しずつ近付いている様な体感の11月下旬。
まだ陽が昇っていない朝方に家を出て少しずつ明るくなる空を見上げながらランニングをしていたらマンションとマンションの間に眩しいくらいの真っ赤な太陽が見えた。
真っ赤な太陽に照らされた周りの空と雲も凄く綺麗だった。
この綺麗な朝焼けを写真で撮ろうと思って、そこから見晴らしのいい公園まで太陽を背中にしながらランニングのペースを上げて走った。
公園に到着。
その間、大体10分くらい。
振り向いた東の空は青々としていて、あの赤々とした太陽の眩しさはなくなっていた。
たった10分の間に。
いつも見上げる安定の青色。
この空が美しくないわけじゃない。
日常の中で当たり前に見れるからこそ、頭で考えてからでないと美しいのだと変換出来なくなっている。
よくよく考えて見ると美しい。全然美しい。それでもやっぱり10分前に見た朝焼けはまた別の美しさがあった。
直視出来ない程の光。
周りの全てを染めてしまう程の赤色。
赤く染められた雲と空。
それに、強烈な印象を与えながらも振り向くともうそこにはいない刹那な美しさ。
あれは、強烈すぎて刹那だからこそ許容される美しさなのかもしれない。
もう自分でも分かっている。
またきっとあの朝焼けを見に行く事になる。安定の間にある刹那の美しさを求めて。
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