もんじゃは一人で食べるもんじゃない。恥ずい、高い、多い、寂しい。

今回の出張は割と時間に余裕があったので、一人でもんじゃ焼きを食べた。
時間に余裕があったどころか会社には言ってないが、架空の予定を作って自由時間を作ったのだから時間に余裕があったは語弊があり、時間は全て自由。

そんな今回の出張先は第二の故郷、東京。
この話はまたいつか書くか書かないか分からないが、10年間ほど東京に住んでいたことがある。
その東京に住んでいた10年で、もんじゃ焼きを食べた記憶は1度だけ。
10年で1度しか食べない物を、たまの出張だからと言ってわざわざ食べるのだから旅の力は凄いなと思わされる。
とは言え、今の仕事は出張が多く3ヶ月に1回くらいの頻度では東京に来ていて、いつもの昼食は大体が蕎麦。
東京に住んでいた頃、夜勤バイト明けや酒の締めで夜中、早朝によく蕎麦を食べていた。ラーメンでは重く、うどんでは多い、蕎麦はボリューム、味、さっぱり感、値段の全てが丁度良かった。
勿論、お高い方の蕎麦屋ではなく駅そばや富士そば、ゆで太郎などの庶民に馴染みやすい価格帯の蕎麦屋。
私にとって一番思い出深い東京の食べ物は庶民の蕎麦である。

出張に出始めた最初の頃はノスタルジックな気分で涙ぐみながら蕎麦をすすると言う何とも自己陶酔の骨頂の様な満たされたランチタイムを過ごしていたにも関わらず、人は満たされた時間も何度も何度も繰り返すと物足りなくなってしまう生き物。
何度か出張を重ねるうちに折角だから東京っぽい物を食べよう、、東京、っぽい、もの。 
東京東京、蕎麦、寿司、ラーメン、もんじゃ、、もんじゃ!
と、前置きが長くなってしまったが今回の出張はもんじゃを食べる事になった。

「もんじゃストリート」なるものがある、もんじゃと言えばの月島まで行こうかと思って調べていると東京駅近辺にも月島本店のもんじゃ屋が数件あるとの情報。

いざ、東京駅近くのもんじゃ屋へ。
場所柄、行列も覚悟していたけど意外とすんなり入れて店内は8割くらいの席が埋まっているくらい。
だがしかしここである事に気付いてしまう…
8割埋まった店内の客おおよそ合計25名の中で1名のみで食べに来ているのは私一人だけなのである。

(一人なのは)恥ずい。

しかしここまで来てしまってはもう心を殺すしかない。旅の恥はかき捨てとことわざでも言うではないか。

心を殺したのも束の間、メニューを開いて見えてきた一品1500〜2000円の料金設定が追い打ちをかけてくる。

(一人のランチとしては)高い。

そりゃあそうだ。店員に聞くと1.5~2人前の量になっていますとの事。そもそもお一人様を想定していないのだろう。

(一人で食べるには)多い。

出張だから仕方ないよねと思いつつ…こんなの本当は誰かと鉄板カンカン叩きながら和気あいあいと楽しく一緒に食べたいよね。

(とにかく)寂しい。

もんじゃは一人で食べるもんじゃない。恥ずい、高い、多い、寂しい。


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