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「作文が大嫌いになったきっかけ」

遥か昔、小学〇年生の頃の思い出。

 その先生は、国語の授業の一年の締めくくりとして「自由小説」という課題を課した。設定課題の詳細は覚えていないが、好きなテーマについて制限字数内で自由な発想で書くというもの。
 当時の僕は、作文や読書の類には全く無関心。教育熱心な両親、そして読書好きの兄の影響で本は身近にあったが、僕には別世界であった。
 しかし、いざ小説を執筆し始めると心が次第に踊り始めた。幸いその先生は(記憶の限りでは)小説の書き方など一つも教えず課題だけを丸投げした。その結果多くの友達は頭を抱えたが、僕はこの年初めてと言っていいほど生き生きと取り組んだ。次から次へとアイディアが頭に浮かび取捨選択に迷うほどであった。結局選んだテーマは「宇宙人との出会い」。

 平凡に暮らす田舎の小学生が、暇を持て余して近くの山に登山。頂上で居眠りをして目が覚めたら少年は宇宙旅行飛行機の操縦桿を握っていた。彼はいくつもの惑星を訪問し様々な生物と交流を重ねる。そこである宇宙生物と親友になるものの、途中でそれが夢だと気づき、その親友と共に「夢が覚めないでほしい」と必死に祈る。しかし残酷にも夢は覚めてしまい、少年は平凡な暮らしに戻っていく。

力作であった(笑)。

 多くの友達が、ルーティーンの宿題として先生の指示通りに期限内に何気なく提出した(ような気がする)。しかし、僕は、「字数オーバー」という大問題に直面して頭を抱えもがき苦しんだ。制限の5倍量だったと記憶している。

 一晩悩んだ末、締め切当日朝、そのことを思い切って先生に打ち明けた。しかし、先生はたった一言

「締切は守りなさい。」

やむを得ず、字数超オーバーのまま提出した。

後日、先生のコメント付きで作文が返却されてきた。CだったかDだったか忘れたが最低評価。僕の作品には最低評点だけが記載されコメントはなかった。助言を求めて直接聞きに行ったら

「学校生活では規則は守りなさい。」

たったこれだけ。

 一気にモチベーションが下がった、以来随分長い間、文章を書くことが大嫌いになった。もしあの時に先生が、人の5倍量の文章を提出した少年の強い意気込みに気付き丁寧に扱ってくれていたならば、それを機に少年は益々物書きにのめり込み、もしかしたら大小説家が誕生していたかもしれない(笑)。

追記:
 僕がブログを更新するのにはある程度の心のゆとりが必要なのだが、今は身が削られるような日々で無理。さりとて全く更新されないブログも哀れなもの。ということでこれからしばらくは、つなぎ記事として、頭に思い浮かんだことを気楽に綴っていくこととする。

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