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[2023.10.16]密室づくりが仕事のぼくは、鎌倉に閉じ込められて心地がいい

電車には、各駅とか特急とか、ローカル線とか新幹線とか、色々な種類があるけど、一括りに「電車に乗った」と言える一定の体験の質がある気がする。
これがバスとなると乗ったバスによってかなり違って、家の近くのバスは結構クネクネした道を走るので、日によっては急ブレーキで立っている乗客がクルクルと回って吹っ飛ぶ時がある。
さらにタクシーとなると、これとあれを同じタクシーという名前で呼びたくないというくらい、乗るタクシーによって体験の質が全然違う。
この感覚の違いは、より運転する人との距離が近づいて、取るコミュニケーション量が増えるからなんだろうか。
鎌倉に引越して、駅から家が遠いためタクシーに乗る機会がグッと増えたが、同じ道を走っても、絶対法律守ってなさそうなくらい飛ばしたり荒かったりすることもあれば、全然揺れを感じないほどスムーズなこともある。
桜の季節に、ちょっと遠回りになるけど桜のトンネルくぐりますか?と提案してくれる素敵な体験もできたりする。

この日乗ったタクシーは、最近では珍しく運転手さんがAMラジオをつけていた。
普段自分では選ばない番組だよなと思いながら、おもしろくもなんともないリスナーからの投稿を聞いたりして、ちっともおもしろくないのになんかこの、タクシー(と、子供の頃の床屋)でしか体験しない、自分で選んだんじゃないラジオから流れる自分が必要としていない情報や会話は、なぜか叙情的だし、
自分で選んで聞いているラジオから流れる曲が気に入らない時は、この3分もっと好きな曲聴くのに使いたいよとイライラするのだが、
自分で選んでないラジオから流れて来る的外れな曲は情緒として受け入れられる。不思議だ。なんて考えていたら、自分の仕事先のCMが流れてドキッとする。さらにこの日のリスナープレゼントが鎌倉のお店のなんとかですと紹介されまたドキッとする。
だいぶ年上の層がターゲットの番組だと思いながら聞いてたけど、そろそろこういう番組のターゲットに足を踏み入れている年齢なのだなと痛感する。工藤静香や篠原涼子が紅白出るのとか、最近のスーパーボウルのShakiraとかMary J.Bligeみたいな人選もそういうことだよなあ。

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