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行っている活動

自然を活用した濾過・浄化システム

防火用貯水池である東野高校の池の構造を変えるわけにはいきません。
では、アオコの大量発生の要因となっている構造にどう立ち向かうのか?
私たちが考えたのは、池への間接的なアプローチです。

現在行っている活動

水中ポンプで池の水を汲み上げ、濾過設備と浄化設備を経て池へ還水する。
これを、自然を活用して行おうという試みです。

活動時に使用しています。

まず、水中ポンプで池の水を吸水します。これを配管に通し、高台の3層の濾過槽へ排水します。配管内で池の水は急激に動くため水温の低下につながります。濾過槽に排水する池の水は、水力発電装置を経由させます。水力発電装置を経由した水を1層に排水します。1層から2層へオーバーフローさせフィルターを通します。さらに3層にオーバーフローさせます。濾過槽ではフィルターを通した濾過と、さらには曝気がなされています。濾過槽に排水した水は、手掘りの大きな貯水槽に排水します。

配管は埋設にします。(施工済み)

貯水槽への排水方法は二つです。
ひとつは、濾過槽から直接排水します。
もうひとつは、サイフォンの原理を利用して貯水槽内に湧水槽を作ります。
濾過槽からの排水、湧水槽からの給水で曝気と酸素供給がなされます。
貯水槽にて有機物を沈殿させ、大地に浸透させます。
貯水槽には水中ポンプを2基設置して貯水槽の水を循環させます。
水中ポンプからの排水は配管を用いて、先端にはディヒゥーザー管を設置します。
ディヒゥーザー管からは強い水流と酸素供給が行われます。
2基の水中ポンプの電源は水力発電装置から供給します。
貯水槽内に水門を設置して、水門でオーバーフローさせ上澄みだけを流します。

コンクリートの上に石積みします。(野面積)

水門で上澄みを流す際に、フィルターを経由させて小貯水槽へ排水します。
これで3回目の濾過となります。
小貯水槽に排水した水は、二つの水路を経て池へ還水させます。

1号水路
2号水路

2号水路二つの水路は様々な形状として曝気、微生物の吸着を促します。小貯水槽と二つの水路には水生植物を植栽し浄化を促します。植栽は、アオコに対してアレロパシー効果のある植物を使用します。池の水中ポンプでは吸水時に波紋が生じます。水路を経て還水させる水にも波紋が生じます。この波紋と波紋が干渉するように設備して干渉区域を拡大します。この設備を通した水は水温が低下しているため、池の水との温度差による対流を作りたいと考えています。現在進行形のこの活動は、たとえ完成したとしても池の半分も網羅できません。そのため、私たちは次なる手も考えています。

考えている活動

・池の低圧力区域への水門設置。
・貯水槽で用いた設備の池への反映。
・植栽いかだの設置。
その実験ともいうべき現在の活動を「自然を活用した濾過・浄化設備」として、その周辺を※ビオトープにするということを目標としています。
2024年度は2号水路と水門の完成と貯水槽の掘削開始となります。

私たちはこれを「里山プロジェクト」と呼び、有志による月一回、半日の活動で完成を目指しています。

※ビオトープ(生物生息空間)

ビオトープは、本来その地域にすむさまざまな野生生物が生息することができる空間のことです。
人為的な環境も含まれます。

学校ビオトープ

環境教育の一環として、校内に地域の野生の生物生息空間を造り育てていくことです。
ドイツでは、学校ビオトープのことを「野外の実験室」と呼びます。
大切なことは、学校ビオトープに関わる中心は子どもたちでなくてはならないということです。
計画段階から関わり、地域の野生生物のために、試行錯誤を繰り返しながら池や樹林などを造り育てていく。
こうした活動を通して、子どもたちは自然観察をするだけでは得られない、さまざまな気づきや疑問、そして親しみをもつようになります。

学校ビオトープネットワーク

野鳥や飛翔性の昆虫などが、学校ビオトープを中継地として移動する手助けになります。
同時に、外来種、園芸種による緑化活動などによって、生息を脅かされている生きものには避難所を与えることにもつながります。
子どもたちに学校ビオトープが世界とつながり、世界の自然生態系を支えることにも関わっていることを考えることに繋がります。

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