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【イタリア】4月の給料と政府と市の援助

現在の外出禁止措置は、5月3(日)まで延長された。
3月9日から現在までの給料と支援について話そう。

3月の給料はココにある

私は、街で有名な日本食レストランで働いている。
オーナーは中国人で、11年も日本料理を伝えてきた。
食べ放題ではなく、中華料理も扱わないこだわりある店だ。

今回の新型ウイルスにより、経営を続けるか否かを
考えていないだろうと見受けられる。顧客も信頼も得てきたからだ。
不運にも、この騒動の前にオーナーの奥さんは中国へ規制。
彼一人でこの状況を背負うことになった。
中国からの情報が直に入ってくることから、
オーナーは、今後の対応について早々に考えていた。

そしてついに、3月8日(日)夜をもって
店の営業を2週間休止すると決めた。
これは、政府が発令した、全国の商業停止より少し早かった。
この頃、来客数が極端に少なかったことも影響している。
しかし、何より命が大事だと語っていた。
ということで、私たちは9日から家で過ごすように支持された。

私たちの給料日は毎月15日だが、
8日の夜の時点で受け取ることができた。
(本来は銀行振り込みでなければならないが、いつも小切手を渡される)
兎にも角にも、3月分の給料は無事手元にある。

当初、オーナーは2週間の予定で営業停止を考えていたいたが、
政府の方針に従い4月3日までとなった。
それからさらに4月中旬、5月上旬と3回延長し続けた。

感染者や死者が増加する中、政府が動き始めた。
これが3月半ばのことだ。

イタリア政府の支援策

〘主な支援の内容〙

*雇用支援・収入援助・失業者を出さない支援
*ローンや借金返済義務の一時停止
*納税義務の一時停止
*フリーランスに600€支給
*ベビーシッター費用600€のクーポン
などが発表された。

自分がどれに該当し、どこでどのような手続きが必要になるか、
自ら連絡を取り確認することになる。
また、刻一刻と状況や体制が変わるので目が話せない。

我が家の状況


私はレストランの無期限契約継続中。
夫はというと、3月まで失業保険を受け取っていた。
つまり、3月から働かなくては4月の収入はゼロを意味する。
ウイルスで世の中が揺らぎ始めた頃、
幸いにも輸入業の仕事を見つけ、3月1日からお試しとして働いていた。
感染しないか不安になりながらも行っていたが、
ついに彼の職場でも営業休止せざるを得ない状況になった。
そして、一ヶ月のお試し期間は終わり、
今後の契約の話題になった。
- - -
結果、雇用契約見送り
(政府の方針に相反しているようだが…)

急にお先真っ暗な我が家。
彼の働き方に問題があったのではなく、仕事量減少に伴うもので、
怒りや悔しみの矛先は見当たらない。
仕方がないと、今日も食べていくしかない。

我が家に届いた政府の支援

借金の返済一時停止と公共料金の支払い延長だ。

夫が過去に借り入れた月々の返済は、
指定の用紙に、記入し提出することで延長。


もう一つの公共料金は、
政府の支援策が出る前に支払いの封書が届き、
3月末に支払うべきだった電気代があった。
ネットから支払いしようとログインすると、
今月の料金「0:ゼロ」と表記された。
一瞬きょとんとなった。
そして、何だか嬉しくなった。

イタリアの電気やガスなど不思議なシステムとなっている。
日本なら、使った量を支払うところ、
使った分量であろう基準を試算して料金を提示してくる。
という、書いている私もよく把握できていない。
もちろん、きちんとした業者もある。

ということで、この電気代は、
今まで多めに払ってきたからゼロになったのかもしれない。
もしくは来月ドッと支払うかだ。

嬉しくなったのは、支払いがなくなったのではなく、
「企業の対応の速さ!」
デジタルでの変換対応速度は上がっている。
これが、一企業のトップダウンで支店の我が街に反映されるのには
まだまだ時間を要する。まるで80年代並みの鈍さだ。

これ以降、各料金の支払いは届いているが、
3月以降払っていないのが現状だ。

払っても良いけれど、
給料がいつ入るか分からないので、
預金は温存しておきたいと考えている。

市の支援策は食べ物

3月末、我が市も支援策を急に公表した。
食材購入費としてクーポンを配るというもの。

たまたま、地元の新聞社のニュースを見ていたから発見できた。
しかも締切は今日まで!というから焦りを覚える。
もし、この情報を知らずにいたら…と思うと甚だ恐ろしい。
実際に知り合いは後で知り、すぐに申請したという。
(受け取れたかどうかは知らない)


さてこのクーポン、誰に向けられたものかというと、
*自営業者で営業停止になった人
*失業者
*感染者

その額は、
一人暮らしなら€200
二人家族なら€300
三人以上なら€400


我が家はおそらく失業者に当たるはずだ。
しかし、一ヶ月のお試し期間があったから
もらえないかも。でも失業者に変わりはない。
などとアレコレ考えたが、申請しない理由はなかった。
すぐさま、指定の用紙に名前・住所・税務番号・預金額を記入し
市へ添付メールを送信した。

そして受け取りは、その2日後。
なんと素早い対応だ! とまたここでも感心した。
すぐさま夫は指定の場所まで受け取りに行く。
がしかし、一筋縄ではいかない。

この日は自営業者のみ。
さらに、あなたの名前はないと言われ、
電話番号を渡されたのでかけた。
すると、失業者は調査中ということだった。
そして、一日待つと無事にメールが届き、
明日中に受け取りに来るようにという内容だった。
無事に持ち帰った時は抱き合って喜んだ。

50€ずつの使い切りが6枚。

クーポンを受け取ったのは6日。
4月中に使い切らなければならない。
使う前に作戦を練った。
既に数日分の買い物はしてあった。
今買うべきものは、日持ちし、よく消費する食材。
ということで、数日後に夫は買い物に出かけた。
クーポンの使いみちは次回話そう。

4月の給料はもらえる?



友人らに電話する機会が増え、
現状に加え、職場で敷かれた状態について話すようになった。
新たに事業を始めた友人は補助の対象になったと。
また、他の知人は雇用継続だが来月は
給与補償金庫から受け取れると。

では、私たちレストランの同僚はどうなるのか。
既に何か行動しているのか。
もしくは自分で申請すべきなのか。
クーポンのように、情報は掴まなければ!と
手当たり次第調べ聴いて回る。

結局は、オーナーへ電話した。
「皆さん元気ですか?中国にいる奥さんも?…」
なんて安否確認しながら、さらりと
「今月の給料は…」と、尋ねた。
「ハハハ、仕事がないかね。始まってからだよ!」
「でも、今月の家賃を払わないと…」(実際払うのは夫だが言ってみる)
「えぇ!?誰も今月分は払わないよ!翌月まとめて。
僕も店の賃料も払わないよ!大丈夫だから」
ここでグイッと踏み込んでみる。
「INPS(全国社会保障保険公社)に自分で連絡したらいいですか?」
と聴くと事態は進んだ。
「そうしたら、僕は会計士に連絡するから待って!
何か分かったら連絡するよ。」と電話を切った。
オーナーはINPSから尋ねられるのが嫌いだ。
そして、本来であれば会計士と話しておくべきことをまだしていない。

すぐさま、同僚にも連絡しオーナーが何もしていないと伝えた。
すると同僚は、すぐに会計士へ直接電話し、交渉した。

その結果…

今月の給料は4月末に、3月に働いた8日分が出るという。
そして、保障は、5月半ばに支給されるであろうと
会計士に吐かせたらしい。
さすが、ヤルと決めたらズバッと駆け抜ける同僚に天晴。
受け取れる期間は遅くなるが、まあいい。

一安心したところで、
時間に余裕はあるし、ネットで買い物でもしたいなと思った。
だが増やしては配達員に悪いし、頼んだところですぐに来ない。
Amazonでは2週間待ちが当たり前だった。
必要性のないものは尚更遅れるとか。
それと、日本から友人が手紙を出したと言っていたが、
郵便物は4月に入って止められている。
人員を減らしての作業なのでそうしているようだ。

そうそう、忘れてならないのが、
夫が3月にお試し期間で働いた給料だが、
4月末に支払われるらしい。

市から全市民へ緊急支給



この街でも、アルコール消毒液やマスク、手袋などが品薄となった。
まだこの状況は継続している。
今、マスク着用は義務付けされているので、
していないと外出はもとより、入店さえもできない。

私たちは、これまでマスクの購入はしておらず、
夫が仕事で支給されたものか、
私が日本で買っていたものを利用している。
飛行機の中で乾燥した状態が嫌いなので必ず乗る前に購入する。
買ったことを忘れて2パックあったのでまかなえたが、
使い捨てなので少なくなってきたところだった。

そんな最中、市は使い捨てマスクを全市民に配布すると発表した。
新聞には、部屋を満たすダンボール箱の前で市長が喜ぶ姿が写っている。
その箱から中国製だと分かる。
6歳以上の市民に一人2枚ずつ配られるようで、
それを個包完了次第、順次発送すると書かれている。

その数日後、インターホンが鳴りマスクが郵便受けに投入された。

これがそのマスク。


今日、着けている夫を見てある「一つの問題」を発見した。

針金が短い!

口を覆う大きさやゴムの長さはピッタリだが、
鼻に沿うように曲げるための針金が短すぎて浮いている。
本来ならば、「W」のように鼻にフィットさせるところが、
短いので「V」になってしまうのだ。
こんなところで鼻の高さを感じるとは。
外国人に向けられて作られたものではないことが分かる。
ちなみに、生粋の日本人である私の鼻には見本のごとくハマる。

でもないより良い。

このように、
政府や市の支援策は徐々に届いている。
今日の給料日には何も届かないが、
家賃はきちんと支払った。
来月ドッと払うなら今払った方が気が楽だから。

外で好きなように買い物ができるわけでもないし、
家で静かに過ごしていることは家計の面でも悪くはない。
ゆっくりできる時間を満喫している。

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