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【イタリア】本屋で見つけたニッポン!

今回は、イタリアの大手本屋にて、面陳列・平積みになっているものの中から見つけた「ニッポン」について紹介します。

小説が並ぶコーナーには、当然イタリア語の本がズラリ。だけれども、その中にいくつもの「ニッポン」が、意外にもたくさんあったので紹介します。



日本人作家

三島由紀夫 
『Vita in vendita:命うります』

1968年30歳の作品。自殺に失敗した男が、 他人のために命を売ろうとする話。 この作品は、三島没後45年である2015年に、日本で突如人気が出たとか。翌年にベストセラーを記録。

イタリアにも、三島由紀夫について興味を持っている人がいます。実際に、イタリア人から本を読んだと言われたことがあります。
作品が棚に並んでいることは知っていましたが、このように、53年もの前の作品がイタリアで面陳列されることを誰が想像したでしょうか。


吉田修一
『Appartamento 401: パレード』

5人のルームメイトの若者たちの暮らしぶりを描いた作品。楽しそうな共同生活だけど、実はそれぞれに言えない闇や偽りがあったという…。最後に衝撃的な展開が待ち受けているとか。
 第15回山本周五郎賞受賞。
2010年には、行定勲監督・脚本により映画化。

こちらは、入口から入ってすぐの、アイランド型になった棚に平積みされていました。 2冊で9.90€ というシールが貼られています。このようにして、ニッポンの作品が手軽に読まれていくんですね。



日系作家


Aki Shimazaki 島崎あき 

日系カナダ人作家。1954年岐阜県生まれ。
27歳でカナダ移住。41歳の頃にフランス語を習い始め、4年後にはフランス語での小説『Tubakiー椿ー』('99) を執筆し話題を呼んだ。その後も、『Hamaguriー蛤ー』、『Tsubameー燕ー』『Hotaruー蛍ー』などの作品を発表。

日本での暮らしが苦痛だったこともあり、カナダへ移ったようです。しかし、著書のタイトルに日本語をつけるあたりに、どこかしら尊さを感じているのかもしれません。
棚には、これらの本がありました。

  • 『Azamiー薊ー』(2014)

  • 『Hoozukiー鬼灯ー』(2015)

  • 『Suisenー水仙ー』(2016)

  • 『Fuki-no-tōー蕗の薹ー』(2017)

  • 『Maimaiー蝸牛ー』(2018)

比較的、新しい作品をシリーズが並んでいます。


Hanya Yanagihara
『Verso il paradiso:パラダイスへ』


ハニヤ・ヤナギハラ
ロサンゼルスでハワイ系4世。日系アメリカ人の父と韓国系アメリカ人の母を持つ。成長過程でアメリカ内の引っ越しをおこなってきた。スミス大学を卒業後は、ニューヨークタイムズ紙の編集長に就任。
2013年『森の人々」デビュー。『A little Life』(2015)を発表。
『パラダイスへ』は、2022年の最新作。700ページもの長い作品で、19〜21世紀の中の幸せを求める姿勢、トラウマ、同性婚など現代社会を切り取っている。

話題作の棚の、一番下の段に並んでいます。
どこの国人かよく分からず、シリアスな眼差しは、感情をうまく掴み取れないくらい、いかようにも感じることができます。
本の複雑さを絵に表しているようです。



日本をモチーフ


Gabriele Di Fronzo
 『La samurai』 

ガブリエーレ・ディ・ブロンヅォ
1984年生まれ トリノ出身 2016年デビュー。2022年の2作目の小説。

水彩画家のヴェロニカという女性が主人公の物語。侍の習慣や美容術はもちろん、武術の仕方を知だけでなく、それ以上を知っているのではないかという。

ミステリアスな人物の基として「侍」を題材に描かれています。手に取るには少し躊躇するデザインです。
作家はまだ40歳手前。二作目ですから、これから伸びてくるであろう期待があります。


Tommaso Scotti
『LE DUE MORTI DEL SIGNOR MIHARA』

トンマーゾ・スコッティ
1984年生まれ。ローマ出身 2012年から日本在住。
東京で数学博士号を取得。金融や広告業界の職業に就く。 2021年に最初の小説を出版。 90年代後半から、武道を行い、趣味にカリグラフィー、読書、バイク、写真撮影など。

前作の『L'ombrello dell'imperatore』(2021)に引き続き、日系アメリカ人の西田監察官が出てくる物語。難解な事件に直面するところから始まる。 三原という実業家が自宅で殺された事件。西田は、いくつかの奇妙なことが気になり、どんどんと深みにはまっていく。

面陳列された中に、日本語の筆文字が目を引きます。イタリア人には何を書いてあるか分からないだろうけれど、日本や中国に関する本だということは一目で判断できます。そこから興味を持ってもらえる確率が上がるので、装丁のデザインにも注目です。

まとめ

本屋に並んでいる「ニッポン」を探してみました。
新旧問わず作家が並んでいること、また日系の方々の作品、またイタリア人作家が日本のものを題材に書くなど、調べてみると想像以上にバリエーションかあることに気付きました。

見せている商品以外に、棚には有名日本人作家のものや漫画などは溢れんばかりにあります。
今後、漫画コーナーについても調査してます。

では、Ciao Ciao a tutti!!


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