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【イタリア】虫歯治療① レントゲンを撮ってきて!

テアトロ(劇場)の前で何やら頭蓋骨の展示。
彩よく塗られた作品は怖さと茶目っ気で
複雑な感情を抱きます。

劇場での演目に関連づけているんだとか。
作ったのは、山車が練り歩くカーニバルを行なっている
ヴィアレッジョという街のアーティストと、
国際的な職人芸術家によって、
巨大な頭蓋骨の作品群ができたようです。



今回は歯のはなし


留学する前に、必ず学生に周知されるのが、
「歯の治療を済ませてから行きましょう」ということ。

行ってからでは、言葉が分からないから、
症状の説明ができないし、聴いても理解できないこと、
また費用の高さや時間がかかることなどから、
予め不安を取り除いて発つことを勧められます。


10年前のこと

私も会社を辞め、日本を出る直前に行きました。
検診を受け、歯石を取り、詰め物を直し完了。

あれから10年…


これまでに何度か歯石を取ることはありましたが、
特に異常もなくここまで来ました。
いつも父親譲りの歯に感謝します。


イタリアでは、歯の治療の多くは保険対象外。
痛みがある場合は、近くの歯医者へ駆け込みます。
保険が効く場所は、ホームドクターの紹介状が必要で、
痛みや問題がないとたいおうしてもらえないんだとか。
また診てほしくても、混雑していて数ヶ月待ちも当たり前です。

ですので、ほとんどが近くのすぐ治してくれる
歯医者へ行くようです。



数年前から、奥歯が痛むような時がしばしば。
親知らずかなと思いつつも、
数日様子を見て待つを繰り返しました。

前回の歯の検査はもう何年も前。
虫歯があるかどうかも知りたかったので
一度診てもらうことにしました。

歩いて1分もかからない歯医者へ。

女性の笑顔満面の先生は、

「見る限り、特に問題はなさそうだけれど…
次回は、詳しく見るために、
レントゲンを撮ってまた来てください。」



レントゲン⁈


撮って来て?


えっ、ここでできないの⁇


私が行った歯医者は、個人でひっそりと行っているところ。
先生と助手の二人だけ。

レントゲンは、街中のある場所へ行くよう指示されました。

日本なら、どの歯医者にもありますよね?
なんなら、部分的に撮れるものまであって、
画期的だなと思っていたんですが、
その設備は置いていないようなんです。

イタリアでは、このような歯医者はよくあるんだとか。
考えてみると、大きな機械を入れるよりは、
専門でやっている人のところへ行けば
お医者さんも患者側も負担は少なく済みます。


ですが、このレントゲン撮影、
怖いし億劫で、なんと一年も放置してしまいました。


今のところ全く痛みはないし、特に困ったこともない。
ちょっと歯がしみるくらいだったので、逃げ続けていました。



やっと重い腰を持ち上げた動機は少しの好奇心から。
レントゲン屋さん?を見てみたいと興味が湧いたんです。



街の中にある普通の建物。

ここは、レントゲンを主に行っているところで、
歯もあればMRIやCT、マンモグラフィーなど、
あらゆる種類のものを撮ることができるようです。

へぇ〜。気になれば撮ってもらえるんだー。
(専門医による一筆が必要になると思いますが)



受付で紹介状と身分証明を渡し支払いを済ませました。
「後ろの門を開けて地下へ降りてください」とのこと。


誰もが簡単には入れないように仕切られ、
地下の階段を降りていきました。
廊下の両側にはいくつもの扉があります。
そして至る所に、黄色に黒いプロペラのような
「要注意」の表示が貼り付けてありました。

市松模様の廊下。普通の柄だけれども、
なんだか怖い…。

物が少なく、一人の白衣を着た女性がいるだけ。
音楽もないし、地下という密閉度がさらに
静けさが増しています。

名前を呼ばれ個室に入ると、部屋の片隅に大きな機械が。
突起を噛み、後ろからも頭を固定され、
何度も頭の角度を直されました。
手は前にあるハンドルをしっかり握る。
そして「動かないで!」と、お姉さんは扉の向こうへ。
頭や体が硬直したまま不安に包まれる。
ピカっと光ったり、痛みがあったりするのでは…

怖かったので、目を閉じて待っていました。
すると、顔の前にある機械が右から左へ
移動しているのが分かります。


。。。。。


はい、終わりでーす!


ふ〜


さよなら〜


たらたら書いていますが、
入ってから出るまでわずが5分の滞在。
物々しい空間だと思ったこと、何か起こったら…
という不安を妄想しすぎて、
ただ一人で緊張度を高めていただけでした。


翌日レントゲンをもらいに戻りました。

その後、夫と街ブラする予定だったのですが、
あの透明のフィルムを持って行くのか…

歩いている時に手から滑り落ちて、
私の剥き出しの歯が露わになったら…
ホラーだヮ。なんてまた妄想。

さすがにデジタルの時代。
とは言え、CDで渡してくれました。
データではないようなんです。
無くすからでしょうか。


ついに、歯医者の予約をし、
今朝行って来ました。

あっ、長くなったので今日はこの辺で。
明日は、二本の虫歯を一本分でOK!
という話題をお届けします。

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