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【イタリア報道】銃撃事件とオウム真理教を並べる

イタリア時間の朝、一報を知った時点で、ここから見える情報を共有いたしました。


この時点では、病院に搬送されたことを知るのみでしたが、後に亡くなったことを知り、言葉を失いました。

それ以降、日本のニュースをYouTube の「最新ニュース」と検索すれば出てくる、ANNやTBSなどの生ライブから情報を得ました。


職場で質問攻め

勤めているレストランでは、みんなが話をかけてきました。
「どうして?」「なんでこうなったの?」「悪い人なの?」「恨まれてなの?」など、質問攻めです。
一つひとつ応える気力もないし、そんな気分ではないので、ニュースを見て。と話を止めました。

また、今の時点で、イタリア語で流暢に答えられるような語彙はないので、簡単に応えることもできません。今、勉強しているところです。おそらく今後、私を日本人だと知る常連さんは、話をかけてくることでしょう。

それに対しても、個人的に準備しなければなりません。


イタリアでは「オウム真理教」との関連


イタリアで朝以降、どのような報道がされているのか随時確認しています。

安倍元総理が亡くなったこと、事件の詳細、一番長い任期を務めたこと、その功績、アベノミクス、世界との外交など、伝えられる情報が日本と差がほぼないことが分かります。

そして、昼頃に公開された新たな報道で違和感を覚えました。

オウム真理教の話題が途中で入るのです。

宗教狂信が攻撃の背景にある可能性がある。1995年東京の地下鉄で虐殺を行い、死刑を宣告されたオウム真理教の創設者、麻原彰晃の死刑執行から4年が経ったばかり。
TG7ニュース番組より

7月6日に、ちょうど4年を迎えたことと、今回の事件が関連するかもしれないとイタリアでは報道していました。

日本発のニュースを見ている限り、私にはここに関連づけたものは見当たりません。イタリアでは、どうしてそう思われたのか。


おそらく、容疑者の供述をもとに想像したと思われます。

「特定の団体に恨みがあり、安倍元首相がつながりがあると思い込んで犯行に及んだ」
FNNプライムオンラインより

しかし言葉から、団体に恨みとあるので、話の方向性が変わってくることから、関係ないと感じます。

その後の明らかになった供述では、

「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍元総理を狙った」「安倍元総理が奈良に来ると知り犯行を決意した」という趣旨の供述をしていることが新たに分かりました。
TBS Newsより

「特定の宗教団体」という言葉から、オウム真理教に繋がったと考えられます。たまたま死刑の執行日と演説の日が、偶然にも時期が重なっただけだと言えます。イタリアの一部のニュースでは、仮説として立てていると表記しがありました。


追記:7月8日(金)のイタリア夜以降の報道では、オウム真理教のことは語られることはありませんでした。

また、TG7のサイトを見てみると、「日曜日の選挙は中止する。」と締め括られています。
日本政府は、岸田総理の会見であるように、決行することを伝えたばかり。イタリアでは、見切り発車するように、急いで報道したと見受けられます。


以下、追記(7月9日(土)午前)

衝撃の瞬間

とても悲惨なことに、イタリアのニュースでは、安倍元総理が撃たれる瞬間を放映しています。これは日本の報道では隠されている部分だと気づきました。(東日本大震災の津波の映像も同様に、日本では人の映像は使われませんでしたが、海外では報道されていたのもご存知のことと思います)

メディア各社は、安倍元総理の演説を取材していたはずです。それが出回らず、市民の動画が使われていることを考えると、生々しい映像であったことが伺えます。

イタリアで報じられている衝撃の映像は、映像の解像度から、スマホで撮影したものと見受けられます。決してクリアではないですが、状況ははっきりと確認することができます。
これをイタリアの地上波TVのニュースでも使われるんです。当然ながら、子どもたちや、見たくない人たちの目にも入ることになります。興味を持ってしまうかもしれませんが、これは画面を通して暴力と捉えられます。
日本のように規制するべき基準だと感じました。

ネットでは、対処しているところもありました。
ニュース動画の前に「注意喚起」と、衝撃の映像である旨を伝えていました。一言断りがあると手を止める確率も上がりますが、そのままにしておけば動画は先へ進みます。せめて、未成年であるかどうかなどのクリックをさせるような配信ができないものかと、俊敏なデジタルの時代に残念なことだと思います。

最後に

一日経ったイタリアででも、いまだトップニュースとして扱われています。長く総理を務めたことから、外交はもちろん、イタリア訪問、新元号、オリンピックなど、何度となくイタリアでも報道され続け知られた人でした。 
ちなみに、2013年7月のミラノの新聞 Corriere della sera に再選した様子を大々的に取り上げるほどです。その当時撮影したものがありました。


ご覧の通り、イタリアでも何度となく伝えらえた人物が、一人の男性によって銃撃されたことは、治安の良い日本を覆すような出来事です。
今後、全世界で、犯行動機や事情が解明する報道が行われることを願うとともに、簡単に銃を作れることができないよう、この事件を機に、日本だからできる安全な国を徹底するべきだと思います。



さて、今日はこの辺りにして、また今回の報道で気になることがあれば紹介します。
では、また明日 ciao!




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