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【イタリア】モンブランを俯瞰で見る


鳥のように空中から見下ろすモンブラン


こんな話ではありません。


誰がケーキを下から望むのか。
そんな人はいないでしょう。


今回は本物の「山」の話。

モンブランという名前はフランス語。
しかし、山の国境はイタリアにも跨っているので
イタリアでも同じ「白い山」の意である、
「モンテ ビアンコ」と呼びます。

かつて夏に、麓へバカンスに行きました。
イタリアの北側だけれどフランスとの文化が混在。
元々はどちらでもない独自に発展した地域だと実感します。

冬場はスキー客が詰め掛けるのですが、
夏場というとトレッキングが人気。
私たち夫婦ももちろんの山登りに行きました。
2時間くらいで登れるのですが、途中から急勾配で、
落ちたらキケンという怖さが付き纏う。
黙々と登り切ると、そこに待ち受けたのは、
360度山しかないパノラマが広がっていました。
このどこかにモンブランがあるはず。
しかし検討もつかないので、近くにいた女性二人に話をかけました。
すると、地元の人らしく、彼女たちは指を指してこう言いました。

アレが私たちのビアンコょ!


‼︎


わ・た・し・た・ち・の

ビ・ア・ン・コ


何ということでしょう。

モンテ ビアンコを「ビアンコ」と呼ぶんです。
しかも「私たちの」とまで所有物のように言うもんだから、
山よりもそっちが気になって。

富士山を、「富士」と呼んでも、「私たちの富士」と言う人はどれほどいるでしょう。
私の地元で考えてみると、「八栗(やくり)」と山を付けずに呼ぶと…呼び捨てであるようにきこえます。
山と書いて「さん」と呼ぶ日本は、山にも敬意を払っている。
だから、八栗だなんて言えない。


そんなことは良いとして、
モンブランを俯瞰で見ることができました。

それは、前回行ったパリからの帰り道。
イタリアに向かう飛行機の中で気づいたんです。
進行方向、左の窓側に座っていました。



急に山が連なりだし、地図で確認すると
ちょうど国境近くに差し掛かっていました。
それからしばらく頭を窓に押し付け、
ずっと観察して。
どうもこの辺りがそれっぽい。

あっ、あの山が特に高いような気がする。

写真を撮ってみよ

エイッ


ひときわ際立つ白い山。

もし、コレがモンブランじゃなかったら何だと言うのか。
マッターホルンは少し向こうにあるから、
航路から考えると違うと思う。

機内アナウンスで「左側に見えるのがモンブランです」
なんて富士山のようには言ってくれないから
自力で識別するしかない。


写真を撮ると確認できる便利な位置情報で
見てみると、
「ボーフォール」と表示されました。


おぉ!ここはまだフランスで、
モンブランの麓の地域にあたる。
その先に雪山が見えると言うことは
ほぼ間違いない!

後でGoogleマップからモンブランの
航空写真モードで山の形を確認。
手前に流れる流線は同じ。
まるで歯科技師が歯形とレントゲンを
確認するようなものでしょうか。

これは完全一致。
身震いしました。


こうして、私はモンブランを上から望むことができたのです。

その様子をあなたにもお届けしましょう。


俯瞰で見たモンブラン

モンブランは西ヨーロッパで一番高い山(4,808m)。
この部分だけ雪山になっていて、
険しい連山が確認できます。

写真の左側がフランスで右側がイタリアです。
イタリア側の麓から山上まで skyway という
ロープウェイで登ることが出来ます。 
ちょうど薄い雲がかかっているあたりに展望台があるはず。

展望台のポストカード


西ヨーロッパ最高峰
と呼ぶのには意味があって、
ヨーロッパで一番高い山はロシアと言えるんです。
しかしこの山はアジアを跨いでいることから、
ヨーロッパと言えども "あっちの方" という感覚です。
だから、西ヨーロッパが付くんですね。

イタリアの北側に連立する山々のことを
何と言うか覚えていますか。
地理の授業で必ず学びます。
ハイジの舞台となった山…


そう、アルプス山脈。

4000m級の山ですが、飛行機からもしっかり確認できるくらい。
着陸体制に向かっているからだとは思いますが、
意外にも近いところを飛んでいるんだと感じました。
人までは確認できなくとも、しっかり山や街を把握できる。

鳥の目って興奮しますね。
地理好きとしてはたまらない構図です。
左側の乗客全員に言いたいくらい、
モンブランは上から見ても見事。
パリからピサへの航路ではぜひ左側を選んでください。

あの高揚感が忘れられず
ここに認めました。

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