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私の偏頭痛歴と対処法

かれこれ、約30年の付き合いになる。
イタリアに来てさらに見聞が深まったソレについてまとめる。


10代で出会う


小学生の頃には、既に頭痛を持っていた。
おそらく、生理になってから始まったと振り返る。
しかしその多くは、食べれば寝れば治るものだった。

高校生になると、頻度が多くなった。
そして原因は、生理だけでないことに気づいた。
ある日、傘を持っていなかった私は、帰り道に少し濡れた。
家に帰ると、じわじわと襲ってきて、夜にはぐったり。

・・・雨によって頭が濡れると、奴は必ずやってくると知った。

大人になるにつれ、食べても寝ても治らないから、
翌朝は、ぐったりと這いつくばりながら、
母にご飯とふりかけと薬を用意してもらうようになった。

私の母も、頭痛持ちだから、遺伝だろうか、お互いに気持ちがわかる。
母が辛い時は、私がサポートをした。


20代の引き金


社会人になり、パソコン作業が増えると、頭痛の数も増えた。
また、緊張やストレスも相まって、偏頭痛を起こすようになった。

この頃には、デスクの引き出しには頭痛薬を常備させていたし、
同僚もみな、持っているので、いざと言う時には助け合った。
こんなもんなんだと、思いながら仕事をしては定期的に襲ってきた。


ある日、爆発的な痛みに見舞われた。

かつて、番組で瀬戸内の島々から中継するようになった。
『瀬戸内国際芸術祭』という、アートの祭典の
オフィシャル番組を担当していた。
初めて開催される芸術祭に、運営側も番組スタッフも
不安や活気や高揚感を覚えていた。

芸術祭には、アート展示だけでなく催しも多くあり、
担当者として参加する機会が何度もあった。


・・・あの日は、梅雨明けした日で、島の観光協会の人は、
「僕は、空を見て気付きました!」と意気揚々と話してくれた。
それくらい、日差しが燦々と照る暑い日となった。

その夜、ほかの島で屋外の舞台公演があった。
会社には戻らず、中継機材を持ったまま会場へ向かった。
機材は、四角い機械、マイク、ケーブル、予備の充電、充電ケーブルを
トレッキング用のリュックサックに入れて持ち歩いていた。
梅雨明けしたての島は、日陰が少なく、いくら水分を摂っても
間に合わないほどだった。

移動の船の中で、先輩が「梅干し食べる?」とみんなに聞いていた。
私ひとりが「大丈夫です」と断った。
なぜなら、酸っぱいものが苦手なのだ。
酢の物もグレープフルーツも酢飯も苦手。でも寿司は食べる。


しばらくすると、体調がすぐれないことに気づく。
他のスタッフはケロッとしているのに。
徐々に強烈な頭痛がやってきて、横になりたいくらいぐったりしてきた。
夜の公演をキャンセルしたところで、島に向かっているので、
引き返すこともできない。
根拠もないが「大丈夫です。」と、先輩に気を遣った。


番組では、島に行く時は、必ず飲み物や軽食は持参することを勧めていた。
それは、ありつけない可能性があるから。
人がドッと押し掛ければ売り切れになるし、
買おうと思ってもお店や自販機まで遠い場合がある。

この日は、症状が現れ出した時には、もう手遅れだった。
頭痛薬を持っていたが、食べ物がないから飲めない。
私は胃腸が弱いから、空腹で飲むとお腹を壊す。


絶望の淵に立たされたまま、島に着岸。
ここで、誰かにどうにかして食べ物を分けてもらえないと
帰宅することすら危ういし、先輩たちに迷惑をかける。
何とかしないと!と思いつつ、会場に到着してしまった。


そこは、美術館の屋外展示場で、本来ならば静かな空間だが、
この日だけは違っていた。

まるで、別の国に到着したような、賑やかな装飾やライティング。
それが嘘みたいだったのが、
何と、入り口から会場までのアプローチに、

屋台が並んでいた!


舞台公演を行っている「維新派」という集団は、
独自の巨大な屋外舞台を設置して演劇を行うだけでなく、
会場に屋台村を作るという空間にこだわっていた。


こうして食にありつけた私は、無事に薬を飲むことができ、
舞台も揚揚と鑑賞することができたのだ。

あとで、この私の症状は、「熱中症」であるとわかった。
私だけに現れた原因は、
中継機材をリュックに背負って背中に汗をかいたことと、
もう一つは「梅干し」。
塩分と酸をここで一緒に取らなかったために、頭痛になった。
この程度のことで済んだから良かった方だとも思う。
それ以降、中継には、かなり気を使うようになった。
梅干しはどうしても食べられないので、塩飴を持参するようにした。


30代の気付き


イタリアに来て、頭痛の考え方が違うことに気づいた。

義母に、頭が痛いことを伝えると、すぐに彼女は、
「何か食べなさい!」と言ってきた。
イタリアでは、空腹だと頭痛になると紐づけられている。

もう一つは、頭痛になったら、
「コーヒーを飲みなさい!」と。
頭痛で、コーヒーだなんて逆の発想。
薬を飲むのに、コーヒーが邪魔をして効果がなくなる!と
思うのが一般的だが、イタリアでは違う。
コーヒーが、何らかの作用で頭痛を緩和させるというのだ。


イタリアに来てから、
ストレスがなくなったこともあり、頭痛の数が減った。
生理痛だけが定期的にくるが、これも学習し、
痛みが来たらすぐに薬を飲むようになり、回避できるようになった。

そして、初夏からは毎年何度も熱中症になっている。
おそらく、初めての熱中症が引き金になって、
引き押しこしやすい体質になってしまったんだと思う。

まだ深くは解明しきれていないから、自己判断しかない。
なるべく、汗をかいての発散できる服装で、
水分だけではなく、塩分やマグネシウムも摂る。
気をつけていても襲ってくるから、もう仲間になるしかない粋に来ている。


頭痛の違い

偏頭痛はほぼ起こさなくなった。
生理痛は月に2回来る。それももう来そうなタイミングがわかる。
そして今もなったから、薬を飲んで治ったので、これを書いている。


生理痛の場合は、
頭全体がじんわり痛いし重〜い。
マッサージすれば緩和される。
そして、薬を飲めばすぐに楽になる。


熱中症の場合は、
ズキンズキン脈を打つのがわかる。
背中や肩が筋肉痛のような痛みがある。
マッサージしてもお風呂に入っても変わらない。
もしくは、しない方がいいのだろう。
そして、薬を飲んでも効かず、3日は痛みが続く。


とはいえ、3日間我慢するのはかなりキツイ。
あらゆる方法を試した結果、最短の方法を見つけた。


それは、かつて義母が言っていた、
「コーヒーを飲みなさい!」

これが、すぐに効果が現れる。

生理痛でもない頭痛が来た場合、
熱中症を疑い、行動を振り返ってみると、
ほぼこの確率が高い。

その多くは、レストランでウエイトレスをしていて、
なかなか水分が摂れず、汗ばかりをかいた時はやって来る。

そうなると私は、朝でも夜中でもコーヒーを飲む。
エスプレッソのブラックをグイッと全身にお送り込む。
空腹だっていい。最優先は頭痛の緩和だから。

調べてみると、コーヒーには、血管を収縮させる効果があるとか。
それが、生理痛よりも熱中症の頭痛の際、抜群に効果を発揮する。


スポーツしているからなりにくいと思われているが、
もし、この人が一度でも熱中症になっていたら、
そうとは言えないかもしれない。
私は、気をつけていても襲って来る時があるし、来ない時もある。
一番は、水分しっかりととることと、
汗をかいたら、服を脱いで蒸発させること。
これから20度を越える日が続くと私は怯える。


40代になったら、また新たな気付きがあるだろう。
また、もう少し熱中症についての研究も進んでいることだろう。
この情報が、誰かの役に立つことを祈っている…

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