イタリアの雑な接客にムッ
先日、レストランへ行きました。
そこで受けた接客が、笑顔一つない冷え切ったものでした。なぜかこちらの気分が落ち込み、好物のデザートも喉が通らないほどでした…
日本のレベルが高すぎる
当たり前すぎて何も感じていないかもしれませんが、日本の接客は世界一です。と、大きく出たくなるほどお客様本位。お客様は神様とコンコンと伝わるこの教訓は、否定する余地なく従ってきました。
どこへ行っても、明らかに不機嫌で当たり散らす人なんていません。もちろん、相応しくない態度で行ったら、鏡のように跳ね返ってくるでしょう。
丁寧すぎる接客に、放っといてと思うこともありますが、おもてなしというか、お節介なのか、下手に出ることで、円満に済まそうという魂胆も見え隠れします。
自由奔放なイタリア
一方でイタリア人はどうでしょう。
直前に起きた何らかの出来事で不機嫌、体調不良、何かが気に入らないなどの理由で、たまたま近くにいた人に、矛先が向かうことがあります。日本人の私からすると、「あんたのことなのに、自分で解決しなよ」と感じます。人にぶつけるほど、恥ずかしく醜いものはありません。
ですが、イタリア人からしたら、「ほんと、何なのよー!もう苛立つ!」としばらく感情を引きずります。目の前に他人がいても、そのまま八つ当たりする勢い。高齢者なら、「落ち着きなさいよ」となだめることができるでしょうが、そうでないなら、かわいそうな人としてやり過ごすのが安全策。
誰かに話かけたい様子なら、共感するリアクションを取れば少しは収まるでしょう。ただ言いたいだけという場合も多いにあり。本当に彼らはしゃべって発散する人が多いと感じます。怒りやストレスを内に溜め込まず解放する習性があるように感じます。
どちらがいいということより、
どちらもうまく取り入れたいです。
自信満々のレストラン
先日訪れたお店は、海岸通りの目立つところにあり、主に魚介料理を中心に扱っています。
壁二面にびっしりに並んだワインや魚のデザインがあちらこちらに施され、自信満々さが伺えます。地元の人も来る有名店ですが、私は初めて訪れました。
通りに面した席と店内のほかに、夏は中庭席があったのでそこを選びました。
入ってみると驚き、想った以上に混雑。しかも、外国語がどんどん飛び交っていました。観光客がたくさん訪れるレストランだったんです。
以前、お水の話題で話した、トスカーナの水「アクア・パンナ」。やはり瓶でサーブされます。
向こうのテーブルには帽子を被った女性が写っていますが、イタリアでは食事する時に帽子は、いくらおしゃれでも被りません。
この女性は、トータルコーディネートしている外国人だとすぐに分かります。
注文待ち
飲み物は注文したけど、料理のメニューはまだかなぁ〜と思ったら、しばらくして、店員さんは、「そこのQRコードで見て」と。手元のテーブルのクロスとして使う紙にやっと目を落としました。柄に溶け込んでいますよね?
コロナ以降、飲食店はなるべくメニューを配らないよう規制がありました。再開したお店もありますが、多くは注文までもスマホで完結させます。
私の勤めるレストランでも、接触をなるべく避けるために全てスマホでできるようになりました。
このQRコードはメニューを見るだけです。注文は店員さんにします。ですが、ここに来ると、だいたいこれを食べるという名物は決まっているので、早く決まります。
が、なかなか来ない…
周りのテーブルは、注文待ちか料理待ちか分かりませんが、待っている人たちばかり。
しばらく時間がかかりそうだと思い気長に待ちます。
しかし、待てど暮らせど、店員さんは横を素通り。
痺れを切らして、夫が呼び止めてやっと来てもらえました。ふぅ〜
私たちが入店したのは21:30頃。決して早い時間ではなく、遅くもありません。月曜日の夜なのでそこまで大賑わいではないけれど、ボーっと過ごす時間が長くありました。
やっと注文し、料理が出てくるまではそんなにかかりませんでした。
まず私たちが注文したのは、料理はこちらです。
本日のチョイス
前菜5種盛り
・鱈のフライとひよこ豆のペースト
・ツナとマヨネーズのサラダ
・白身魚のスフォルマート
・ムール貝の魚介ソース
そして、
小鰯のシンプルなマリネ
これを二人で少しずつ分けました。量としては一人前ですが、そんなに食欲がなかったので半分で十分でした。
イカ・エビ・鱈のフリット
新鮮な三種の揚げ物。これが名物。多くの人が食べています。
天ぷらでも、パン粉じゃないのでフライでもない。イタリアの揚げ物はセモリナ粉(荒い穀粉を指すとか) これを衣に揚げるので、カラッとサクッと仕上がります。イタリア料理店でぜひ試してもらいたい独特なフリットです。
ミックスサラダ
揚げ物には、酸っぱいものを合わせたいので「ミックスサラダ」を注文。
事件は起きました。
「ミックスサラダ」を注文したのに、これが届きました。サラダ菜しかありません。
ハァ?
野菜のグリルがあるのに、人参の在庫がないなんてあり得ない!トマトソースのパスタがありならに、トマトがないなんて有り得ない!さっきの前菜の玉ねぎでもいいから使えー!
なんて言いません。
店員さんは、あくまで食事を運ぶのがお仕事。100%彼女の責任ではありません。厨房の料理人の判断です。おそらく面倒だったので "ないということで" と、片付けようとしたのでしょう。
メニューを偽り、笑顔のない接客は、トップの影響だとも感じました。厳しいルールの下、ガミガミ言われているのかもしれません。
何にムッとしているって、雑に扱われたこと。
私がこの店の店員なら、事前に断りを入れます。「人参を切らして野菜も他にありません。葉物だけになりますが、召し上がりますか?」は最低ライン。もしくは、「いつもと違う食材のサラダになりますがいいですか?」とも。マイナスをプラスに変えるくらい価値を上げてもらわないと、二度と足を踏み入れることはないでしょう。
彼らはこうして、一組のカップルを失い、批判をばら撒くことでさらなる顧客を遠ざけることになります。
もう信用度はガタ落ち。
食べて不味いわけではないけれど、心はもう折れて前向きに考えられません。
途中、私の気分次第と考えましたが、一度壊れたものは修復が難しいです 。
大好きなデザートさえ食べる気分になれませんでした。
人の振り見て我が振り直せ
以降、あんな店員にならないよう意識しています。笑顔で明るい印象を持ってもらえるように。若者にはフレンドリーで、高齢者なら丁寧語で接客します。
感情を細かく言葉にするイタリア人は、それはそれで素晴らしいですが、適度に口を閉めるときも大事だと思います。
こんなことを思いながら、明日もお仕事頑張ります!
では、Ciao Ciao a tutti!!
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