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イタリアで買える日本食材2021 アジアンスーパー篇
近年、日本食材の扱いが増えている。アジアンスーパーだけでなく、どのスーパーマーケットでさえも棚が広がっているので、現状を記録すべく2021年バージョンとして書き留めておこう。書いているうちに量が多くなったので、今回はアジアンスーパーでの調査特集。
人口16万人の街
ここは、中央イタリアのトスカーナ州の一部で、ピサの斜塔から30分の港町。一つのデパートと二つの大型ショッピングモールがある。ZARAやH&Mはあっても、一流高級ブランドの服はセレクトショップにしかない。
大学はないが、イタリアが誇る海軍士官学校があり全土から志願者がやってくる。港付近には、工場や海運にまつわる会社が多く建っている。
三方を山や森に囲まれ、他の街へはそれを越えて行かなければならない。孤立というより、隔たれていて、雲さえも遮るからいつも晴れている。夏には海水浴場客で賑わい、一年を通して魚介料理を食べたい人で賑わう。
外国人の数
2020年の市が発表しているデータによると、16万人のうち外国人は約12000人もいる。その半分以上が、主にヨーロッパ内からの人たちだ。彼らは同じヨーロッパであることから、移住手続きは難しくない。また東欧からは出稼ぎに来ている人も周りにたくさんいる。次いで、全体の20%が、アフリカからの移住者や移民。それに続く16%がアジア人だ。中国人を筆頭に、フィリピン人、バングラデシュ人、パキスタン人と、私の同僚もこのグループ。
日本人はというと、
男性1人、女性11人の0.10%にすぎない。
16万人のうちの12人だから、イタリア人に「初めて日本人を見るょ!」と言われることは何度もある。また、街で日本人同士が偶然に出会うこともほぼない。あと、なぜかここ何年もの間、日本人の数は減り続けている。
なのに最近、
日本食材は増えている
人気度・知名度の上昇
日本人の数は減っているのにも関わらず、アジアンスーパーへ行くと、日本の食材はどんどん種類が増えている。間違いなく、イタリア人や外国人が、日本食を家でも食べてみたいと購入しているのだろう。また、流通の面でも運びやすくなったのかもしれない。数年前に、寿司をメインとした日本料理店(中国人によるもの)が次々に出てきた。だから、食材の運搬が以前に比べ広がったとも考えられる。また、ネットでは扱う日本食材の種類も増え、日本から外国へ輸出する規模も拡大しているということだろう。
さらに、昨年から家で過ごす時間が長くなり、自炊することが増えるとともに、明らかに外食へいく人は減っている。私が勤める日本食レストランは、秋から繁忙期に入るが、平日の数は伸び悩んでいる。家食が盛んなようだ。
アジアンスーパー
我が家は、街の中心地にある。近所にどのくらいアジアンスーパーがあるかというと、5軒は存在している。街全体で言うと、何十軒にのぼるだろう。お店はそれぞれの出身地によって、品揃えが変わってくる。
中でも、私が頻繁に通っているのは、中国人の夫婦が営んでいるお店。中央市場に近い立地のいいところに構えている。中国の食材を中心に、日本、韓国、南アジア、アフリカなど、あらゆる国の外国人に出会える。
では、イタリアでどのような食材が手に入るのか、写真と共に紹介していこう。
日本食材2021
◆生野菜◆
今は初秋とあり、大根、白菜、里芋、長芋っぽいもの、かぼちゃ、さつまいもなど。夏にはゴーヤもオクラも出てくる。
◆冷蔵◆
絹ごし豆腐、もやしは定番の商品。そこに今年は、生の蓮根(約413円) が仲間入りとなった。これまで、冷凍のスライス蓮根しかなかった。挟み揚げや煮物にするには、食感が柔らかくなりすぎていたが、これからは、自分の好きなサイズやカタチにカットできる。二人家族では使い切れるだろうか。
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◆キノコ類◆
確か昨年だったか、えのきを見つけた時には興奮した。それが今では、エリンギや白いぶなしめじも手に入る。一袋150円ほどなので、鍋やつけ添えに登場する。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65859339/picture_pc_3e58b0e3472c69160da9e7f9f9192a66.jpg?width=800)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65859341/picture_pc_ddec9c78dd0f567cb9a49f32544b392b.jpg?width=800)
◆調味料◆
ここ数年で、目まぐるしく増えているジャンルだ。日本人は、なぜこんなにソースを使うのか不思議なくらい種類が多い。料理を味わっているのか、ソースの違いを楽しんでいるのか、ありすぎて迷う。
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852322/picture_pc_98f7dcf12d287003d26efcb87b0c834e.jpg?width=800)
照り焼きソース(約500円)は、もう醤油に次ぐ人気の味。今年に入って、ポン酢(約580円)の種類が増えた。そして、餃子のタレ(約450円)やさしみ醤油までやってきた。さらに喜ばしいのは、ドレッシングの登場!オリーブオイルとバルサミコ酢の国で戦えるかどうかは分からないが…
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65861561/picture_pc_3c27c32523a57177b041a1724df1b28f.jpg?width=800)
寿司を作るための米酢(約450円)は、もう探し回ることはなくなった。そして、みりん(約580円)も然り。一度イタリア人男性に「みりんはどこに売っていますか?」と聴かれたことがある。謎の調味料は、もう夢のものではないと感じているだろう。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852321/picture_pc_0b72d777ebd6feb54c8dc314e88c9bf1.jpg?width=800)
とんかつ・焼きそば・お好み焼きソース(約840円)がいつでも手に入る時代になった。これらの料理名は、少しずつイタリア人にも知れ渡っていると感じるが、家で作るにはまだまだ情報が足りていないだろう。
最近驚いたのはコレ。
![画像24](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852339/picture_pc_8e53f83cb80775d6d0563738567d3830.jpg?width=800)
イタリアにもマヨネーズはある。が、イタリア人はあまりつけない。ヘルシーさを感じないからだろうか。その味は独特で、キューピーに慣れた人からするとちょっと違和感を感じる。日本で暮らすアメリカ人YouTuberは、「日本のマヨネーズは美味しいからアメリカで販売したい!」と絶賛。これはイタリア人にも食べてもらいたい。
◆味噌◆
あお洒落なパッケージの味噌が増えた。(140g約220円)。実は、台湾で製造されているようで、日本の地味なものとは違い、若者も外国人も手に取りたくなる近代を意識したデザインだ。味も日本のものと似ていて、私が以前買った「信州味噌」は歴とした信州の配合になっているし、上品な味噌汁ができあがる。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65851315/picture_pc_0929969946686f4d003288c30fe72aad.jpg?width=800)
調味料は他に、だしの素、白だし、カレールゥ、鰹節などを扱っている。だが、鰹節(約900円)はまだまだ高い。出汁をとるのにはもったいないくらい少ない量だ。
◆お菓子◆
中国のお菓子は、日本のパッケージに似たものがいくつかある。どちらが先なのだろうか… 今度その特集もしよう。
お馴染みのお菓子をイタリアでも食べられるようになった。ポッキーの存在は嬉しい。イタリアには、ポッキーと呼ばず「Mikado」という名のグリコのお菓子がある。海外版だろう。だから、この本物のデザインには手が震える。
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852327/picture_pc_935a0593c56144ef9bcfd810e762490e.jpg?width=800)
これはよく知らないが、飴のようだ。(約320円)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65861560/picture_pc_f03e95e981f21f943786438a21104da9.jpg?width=800)
カラムーチョ(約220円)これはとても辛いタイプらしい。
![画像18](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852329/picture_pc_dc629bf1e01be22f0d729838aa8027e5.jpg?width=800)
以前、同僚にお礼として、このポテチ(約323円)の照り焼き味をプレゼントしたら喜んでもらえた。また食べたいとまで言ったから、ウケは良さそう。
![画像19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852332/picture_pc_7b3fbbeab40b9022f46fc9b8f38f45dc.jpg?width=800)
キットカット(約646円)は、イタリア人に配ると喜ばれる。日本が誇る味の豊かさを、イタリアでも楽しめるようだ。バナナキャラメルや桜味はどんな人が買うのだろう。
![画像21](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65852335/picture_pc_9d02eee05e708d489ee8155c52f66b47.jpg?width=800)
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65896557/picture_pc_4b5a457eb75cea78512ec58746677918.jpg?width=800)
柿の種のわさび味(約630円)は、次買おうと思った時にはなかった。
◆和菓子◆
穀物屋で小豆は売っていても、調理済みの缶詰(約350円)が存在するする事は大きな安心感がある。しかし、小豆はイタリア人の評判は半々と感じる。"豆が甘い"ことを受け入れられないようだ。好きな人はハマる。
ちなみに、子どもたちは『ドラえもん』の影響でどら焼きは知っている。食べてみたいとレストランで提供しているが、ほとんど残さず食べるのは、固定概念がないからだろう。
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65896558/picture_pc_96651ee7fd6cddf0b0a03c236b5fcf34.jpg?width=800)
抹茶(約1600円)は、まだまだ高級なものだが、和菓子を楽しむには欠かせない。お茶を立てて飲むにはルールが多すぎて、困惑するイタリア人も多いだろう。お湯に溶かして飲む粉末とでも思っている人もいた。
◆冷凍食品◆
枝豆、蓮根、唐揚げ、餃子、肉まん、餃子の皮、春巻きの皮、桜海老などがある。
◆麺類◆
茹でうどんのパック、蕎麦(約245円)ラーメン、出前一丁(約100円)など。
讃岐うどんは手に入らない。フィレンツェには冷凍があるのだが、今の私には打つほかない。
◆午後の紅茶◆
コーヒーの国イタリアに来て、まさか午後の紅茶(約193円)を手にすると時が来るとは思ってもいなかった。学生時代に飲んでいたこれを、せっかくなので買って、レストランの同僚である中国人たちに振る舞った。すると、「美味しいね!」と喜んでもらえた。私はというと、甘すぎてお湯で薄めたいと感じるほど、10代の頃とは味覚が変わっていた。
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65896754/picture_pc_ee5809b77422a49de84e661049cbc13e.png?width=800)
扱って欲しい商品
これだけ並べれば結構ある。レパートリーも増えると思うかもしれないが、頻繁に買える値段ではないので躊躇してしまう。誰かへのおもてなしや特別な日に買いたい。
ロンドンとドイツの充実ぶり
16万人の街でもこれだけ揃う。だけど40万人のフィレンツェは、商品が3倍の量になる。
醤油、カレールゥ、味噌、ワカメ、昆布、麺は数種類から選ぶ。お好み焼き粉もある(買わないが)。ふりかけの種類は3つも!だから、行くたびに買い物をして帰る。
これが、大都市ロンドンなら、ほぼ日本のスーパーのようで、雑誌まで買える。さらに、ドイツの日本人街であるデュッセルドルフは、もう日本と変わらないだろう。あちこちに日本料理店や本屋、旅行会社などの看板が並び、帰国した気分。
だが、どちらも飛行機で行った際、液体を持ち込むことが出来ず、出汁類や塩麹などを断念した。
これだけの品揃えでも、食材が足りていないと思っている日本人は私だけではない。どんなものが欲しいかと言うと、
・紫蘇
・みょうが
・ごぼう
・水菜
・豆腐関係 (巾着、お揚げ、厚揚げ)
・焼肉のタレ
・ごまだれ、ごまドレ
・そうめん
・麺つゆ
・無添加の出汁パック
・ふりかけ
・粉末コーンスープ
・おかき類
・お餅
ただの欲張りだろうか。まだまだ帰国できない分、味で気分だけでも日本を感じたい。次のお正月は、食材が増えたことで、ちょっと気合を入れたいと思えてきた。それもまた紹介しよう。
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