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【イタリア】新Sushi 開発中!幸せな香りに包まれて

2023年5月からイタリアンレストランで働き始めました。

イタリアでは夕飯の前に、お酒とつまみを嗜む
アペリティーヴォ」という文化があります。


オーナーから、
夕方の時間にお酒と Sushi を提供したいと依頼を受けて、
開発することになりました。


シェフやスタッフと会話をし方向性を決め、
食材を揃え、組み合わせを考え、想像を膨らませました。

いざ開始

私が作業する場所は、早朝にパニーニを作る一角。
お昼からの出勤なので誰の邪魔をすることなく集中できます。

レストランは、魚屋から始まったので、
常に新鮮な魚介が手に入ります。

幸いなことに、
「全てを使って好きなようにやって!」と。
こんな自由なことがあるでしょうか。
多くの料理人が求めている空間かもしれません。

しかし、私は料理人ではないので、
食材や道具の扱いは主婦レベル。
一応、学生時代のバイトと前職の影響で
知識は備えている方だとは思います。
これらを活かして何ができるのか…


2日目にしてついに Sushi づくり

まずはシャリ。
米をとぎ、水につける。
その間に、必要な食材を Sushi 用に切っていく。


イタリアで人気の「裏巻き」を作ります。

内側に詰める食材は魚と野菜、
外側にも魚介やソース、トッピングを乗せます。

予め考えていた組み合わせで巻いていく。

鮭 × きゅうり × エビ
鮪 × アヴォカド × ピスタチオ
鯛 × フェンネル



一つずつ作りながら、シェフやスタッフに味を確認。
みんな Sushi に飢えていたのか喜んで食べ
どれも美味しいと笑顔になるので、判断が難しいところ。

とりあえず定番の食材に加えて、新しい Sushi を作ります。
とはいえまだ初日、ヒット作なんて生み出せません。

ですが、若手シェフと相談しながら、
組み合わせを考えていくと徐々に掴むものが見えてきました。

香りが私を狂わせる

熱心に Sushi について考えているんですが、

ここはイタリアンレストラン…

昼食の時間…

天気がいい日にゃ…

想像できますか、

厨房の様子を。。。




隣では、ウニのスパゲッティやイカ墨のリゾット、
スズキのロースト、鯛の塩釜、野菜と魚介のフリットなど、
もう、いい香りが広がるんです!!


意識は目の前の Sushi に注目していますが、
鼻と想像は隣の料理に引っ張られるんです!

ハァ〜 なんて幸せな香りなんだ!!


顔を上げれば海が見え、右を向けばいい香り。
こんな幸せな空間があるでしょうか。

帰宅する度に夫に言うもんだから、
何に喜んでいるのかと呆れています。


3日目・4日目と、同じようにご飯を炊き、
日本らしい食材を試しながら新しい Sushi を開発。

破茶滅茶だった私の空間は、徐々に洗練され
動線を意識した作業台になりつつあります。

唯一写真を撮ったものがありました。
未完成品ですがこちら。

エビ × サラダ × リコッタ × ライム

日本の寿司とはもう程遠いじゃん…

そう思われた方もいるでしょう。
ではナポリタンはアリですか?
イタリアにはケチャップでパスタを和える文化はありません。
日本独特の文化なんです。

料理は独自に進化し改良されていきます。
私が寿司ではなく Sushi とこだわるところが
ここにあります。もう別の歩みを続けているのです。


毎日4,5本の Sushi を提案し、
みんなの反応を見ながら厳選。


今までに食べたことのない味を提供したいので、
「じゃこ、オクラ、味噌、味噌マヨ」など試したところ、
スタッフには好反応をもらえているので、
分量や割合を見ながら整えていきます。


私の理想では毎月か2週間に一度か、
定期的に味を変えていきたいと思っています。

果たしてこの街の若者は気に入ってくれるのか、
値段以上の興奮を与えることができるのか。

私と同僚の挑戦が少しずつカタチになろうとしています。



ついに週末到来。
Sushi はお休みして、ウェイトレスとして勤めます。
上手くいきますように。

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