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【イタリア】2021年、急に日本人が増えた
毎年、イタリアに住む外国人の数が公表されます。久しぶりに見てみると、気になることがありました。2021年、日本人の数がドッと増えているのです。詳しく見ていきましょう。
イタリアに住む外国人ランキング
イタリアの人口は、59.236.213人(2021年1月1日)日本の約半分です。
そのうち外国人は、5.171.894人で、全体の8.7%です。
どの国の人が多いのかランキングで見ると、
1位: ルーマニア 20.8% 約 100万人
2 位: アルバニア 8.4% 約 43万人
3 位: モロッコ 8.3% 約 43万人
4 位: 中国 6.4% 約 33万人
5 位: ウクライナ 4.6%
6 位: インド 3.2%
7 位: フィリピン 3.2%
8 位: バングラデシュ 3.1%
9 位: エジプト 2.7%
10 位: パキスタン 2.6%
ぶっちぎりの1位は、ルーマニア人です。2位のアルバニアと比べると、倍以上の大きな差があります。ルーマニアとアルバニアは共に東欧ですが、この国の違いはというと、「EU加盟国」かどうかという事実が関係しています。
EUとは
たくさんの国が集まるヨーロッパでは、対立や戦争が繰り返されてきました。特にフランスとドイツでは工業に欠かせない石炭と鉄鉱石をめぐっての対立が続いていました。20世紀に入るとヨーロッパは2度の世界大戦の戦場となり、その結果、経済活動が衰えてしまいます。その一方、アメリカや旧ソビエト連邦が世界の経済や政治に影響を与えるようになります。そこで、ヨーロッパの国々では、「大国に対抗するため、協力していこう」という考えが広まってきます。まず、度々争いの原因となってきた石炭と鉄鉱石を共同で管理する国際組織を作ります。こうした国どうしの結びつきから発展して、1993年に発足したのがEUです。
EU 欧州連合加盟国
アイルランド/イタリア/エストニア/オーストリア
オランダ/キプロス/ギリシャ/クロアチア/
スウェーデン/スペイン/スロバキア/スロベニア/
チェコ/デンマーク/ドイツ(加盟時西ドイツ)
ハンガリー/フィンランド/フランス/ブルガリア/
ベルギー/ポーランド/ポルトガル/マルタ/
ラトビア/リトアニア/ルーマニア/ルクセンブルク
2022年現在 27ヶ国
EUは、「ヒト・モノ・カネ」の移動が自由になると言われていますが、実際イタリアでも起こっていることが明らかになっています。
1位のルーマニアは加盟国で、2位のアルバニアは非加盟国。ということは、ルーマニア人は、EU内の移動は自由で、市役所に住民届けを出せば住める。一方のアルバニア人は、非加盟国なので、警察へ滞在許可証の届を出して、許可されなければ住むことができません。加盟国であるかどうかが、人口に影響してきます。
さて、ルーマニア人が一番多いけれど、街にルーマニア料理店があるかというと、そうではなんです。もちろん、食料品店はあるけれど、それは、私たちのアジアンスーパーとそんなに変わりません。
私は職場でルーマニア人の女の子と仕事をしています。彼女と街を歩いていると、よく道ゆく人と母国語で挨拶をしているので、やはり多いのだろうと感じます。
知っているルーマニア人は、出稼ぎで来ている人が多く、自国にいる家族に仕送りをしています。よって、イタリアでの暮らしは質素だと見受けられます。外国人は、語学の面やイタリアの就職難の影響で就ける職業も限られています。ですので、良い暮らしは余程勉強したか、裏ワザを使って生きているかということになると考えられます。
3位のモロッコ人については、ほとんどが移民としてやってきました。自国の経済危機や危険性から脱出してくる人がいて、難民船に乗ってきたり、スペインの方では自力で泳いできたりする人たちも少なくありません。ランキングでは第3位ですが、帰化する人もいるので人口が減っているように見えていだけかもしれません。実際の数、不法侵入などの観点から見ると、さらに多くなるのは明らかです。滞在許可、国籍の取得など掘り下げる話題が溢れているので、今後じっくり調べていこうと思います。
日本人が一番多いのはミラノ
これまで約10年住んで、最高齢は70代だろう。数えるほどしかいない。60代も然り。在住歴が30年以上の人に出会うと、興味津々でインタビューしたくなります。
さて、現在の日本人の数は、
男性 2.259 女性5.604人 合計7.863人
イタリア人と結婚し生活している女性が多いのでしょうか、男性の倍の数です。周りを見ても、ほとんどがこれに当たり、イタリア人と結婚した男性は知る限り2人だけです。
ではどこに日本人がいるのか。主要都市を多い順に見てみましょう。
経済都市ミラノ:男性 672人、女性 1009人 合計 1681人
首都ローマ:男性 273人、女性 735人 合計 1008人
フィレンツェ:男性 127人、女性 552人 合計 679人
トリノ:男性 75人、女性 97人 合計 172人
ボローニャ:男性 25人、女性 104人 合計 129人
ヴェネツィア: 男性 15人、女性 102人 合計 117人
我が街リヴォルノ:男性 1人 、女性 13人 合計 14人
イタリアの経済を牽引するミラノは、支店や支部が多く、ファッションやデザインなどの仕事もチャンスがあります。絶対数の違いから見ても、他の街に比べ男性の数が多いのも特徴です。
また、その他の地方都市は、語学や料理、音楽や絵画などアートによる留学も珍しくありせん。
日本人の急増
イタリアに住む日本人の数を見ていくうちに、気になることが見つかりました。コロナ以降、イタリアに住む人が増えているのです。
ここ7年を見ると、
2015年 7.063人
2016年 7.360人 (+297)
2017年 7.494人 (+134)
2018年 7.718人 (+224)
2019年 7.471人 (+246)
2020年 7.481人 (+10)
2021年 7.863人 (+382)
2020年から21年にかけて、382人も増えています!
ミラノ9人、ローマ13人なのに対し、
ボローニャは17人
パドヴァでも21人
ヴェネツィアでは30人
なんと、フィレンツェでは55人増加しています。
原因はまだ突き止められていませんが、フィレンツェでこんなにも増えていることを考えると、語学や音楽・アート留学、交換留学、料理の授業などが考えられます。
新型コロナウイルスの影響で、海外に行けなかったこと、留学を断念した人も多かったことでしょう。そんな人たちが、昨年の落ち着いた夏頃に決意をしたんだと思います。
もし、周りにイタリアに住み始めた人がいたという方は、ぜひコメントを残していただけると嬉しいです。今後、実際に足を運んで調査してみます。
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