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【イタリア】夫の冷蔵庫への偏った愛

我が夫は、なぜか冷蔵庫を大切にします。


野菜は保存袋へ移し替えて整頓、
ボトルは詰め替えてラベルを付け、
卵は洗って容器に移し、
お肉は使いやすく小分けにする…

そんな人なら夫の鏡として表彰されているでしょう。

こだわりはそこではありません!


我が家の冷蔵庫はお宅のものと
そんなに変わりはないはず。
何となく仕分けているくらいで
適材適所なんてありません。
あと汚れた時に掃除するくらい。


夫のこだわりは "偏り" というくらいだから、
他の人が全く気にしていない場所。


それが…


中身ではなく



扉。



これが理解に苦しむというより、
理解に苦笑です。


もう、それは愛車を撫でるかの如く、
大切に触れます。

信じられますか?

冷蔵庫ですよ。

「冷蔵庫」という言葉から想像するのは、
旅で集めたマグネットを飾ったり、
重要な書類を忘れないよう貼ったり、
ラップやペンなどを置く便利な容器を付けたり。

そんなものは我が家では飾れないのです。

なぜならば「傷がつくから」。


どう思います?


冷蔵庫ですよ。



我が家の冷蔵庫は、
4年前に越してくる時に購入しました。

たまたま立ち寄った家電量販店が
閉店セールをしていて、
8万円相当のものを6万円弱という安さで販売。
一点ものだったので、これは誰にも譲らないと、
冷蔵庫の前で他の人に買われないように、
見張をしながら勝ち取ったものです。

鼻息を荒くして想定以上のものを変えたので
幸運だったと喜びました。


元々 200L の小さなものを使っていたのですが、
350L の大きさになり、夫婦二人では持て余しています。
一番上の段は高いし使わないので、
白ワインの寝床になっています。


夫の嘆き

たまに冷蔵庫を見ては可哀想と言い出します。

それは扉の部分の凹みを見つけた時。

また始まったと思う瞬間です…


我が家の冷蔵庫は左側から右側に開きます。
動線としては逆なんです。
左端にあるのに左開き。
すぐに使いたかったので扉の付け替えを断りました。
ここに問題アリ。

隣にオーブンがあるんですが、
同時に開けるとあちらとこちらの扉がぶつかり、
弱い冷蔵庫は凹むことになるんです。

同時に開けないでしょ?と思うでしょうが、
開ける時がたまにあるんです。
作業しながらだとつい忘れてドンッと。

その証拠がコチラ。

中央少し上に点が見えるでしょうか。
その斜め上にも傷があります。

ここまでしてやっと見えるくらい。

でも夫は気づくんです。
特に疲れている時に粗に気づく。
触りながら「大切に扱ってよ」と。


また言いますけれど、

冷蔵庫ですよ。

あんたのメガネは放り投げて傷でガッサガサなのに、

冷蔵庫の傷になぜそんなにこだわるの?

その理由が知りたいわ。


さらに、もう一つ。


扉はどうしても汚れてきます。
気づいた時ではなく、
"ヤバい注意されそう"と焦りを感じたら拭きます。
本当は、気づいた人が掃除すればいいのですが。

食べ終わった後に、テーブルを拭いてその流れで
ガスもシンクも冷蔵庫も〜と流れ作業で行います。
と言うことは、ササーッと手早くしますよね。

そこに「待った」が入ったんです。



「よーく見て、この模様が横縞になってるから、
左右に拭くと傷になっても分かりにくいよ」と。


… … …


カチンと来る人もいるでしょうが、
私はそうなりませんでした。

もう笑いにしかならないんです。
「そんなバカな!」という爆笑です。

もっとこだわるべきことがあるでしょう!
と思うのに、冷蔵庫の扉を大切に思う夫が
何だか愛おしくてたまらないのです。

見てみると、本当に横縞模様です。
触ってみると感じませんが。

もう、おかしくておかしくて。

ここまで扉への想いを捧げている夫は、
冷蔵庫から表彰されてもいいくらい。

冷蔵庫の中身にはそこまで言わないのがいいでしょ。


この注力、なんなら洗面台の鏡にも
同じ熱量持ってくれたらいつも綺麗が保てるのに…

いやいや、これでいいの。
他なら神経質になるところだったのかも。

冷蔵庫のしかも「扉」で良かった。
中身に関しては無頓着でありがたい。


これからは、
オーブンと冷蔵庫は同時に開かない!
拭く時は左右に!ね。


なんて、
忘れた頃にまた凹みを増やすでしょう。
それがあんたの傷あり妻だよ。

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