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【イタリア】大人だけのスパリゾート 飲んで整う施設

先日行ってきたバカンスの一番の目的は
「スパ: 温泉」でした。
温泉と言っても、いくつもの大浴場を
巡りながら穏やかな時間を過ごす温泉テーマパークです。

イタリアにも温泉があるの?と
思った方もいるでしょう。
実は多くあるんです。

ヤマザキマリさんの漫画『テルマエロマエ』
から分かるように、イタリアにおいて
温泉は古来からの嗜みだったんです。

日本でもそうですが、山間部に行けば
水質が格段に良かったり、
温泉成分の入った水が湧き出たり、
都市との違いを感じます。


さて、
今回訪れたのは、フィレンツェの郊外にある施設。
巨大なスパは、イタリア人だけでなく、
外国人も訪れる観光の一つにもなっているようです。
ここは18歳以下は入ることができない、
大人だけの空間です。

温泉好きの夫はずっと行きたいと言っていて、
今回のバカンスに組み込みました。
調べてみると、なんと年中無休で営業。
どちらかというと書き入れ時なのでしょう。

私たちはクリスマス直後で祝日の26日に行くことにしました。
クリスマスは混雑する可能性があるから、
必ず入れるチケットを割高で扱っていました。
ですが、早朝から行けば入れるだろうと
飲み物と軽食が一緒になったものを購入。
当日、一か八かで入場できるかどうかにかけました。
たとえ入れなくても、チケットは2年間の有効期限があるので、
またいつでも来れると考えていました。


郊外にあるためバスに乗って移動です。

看板の下に張り紙があります。
見てみると、祝日のバスの運行についてでした。

12月24日〜1月6日まで
休日用の便数を減らした運行を行うとのこと。
そして、25日と元日はともに運休となっています。

日本では、災害以外でバスが運行しないって、
聞いたことがありませんね。
ストのあるイタリアだからできることかもしれません。
それほど、クリスマスが大事な日だということが分かります。
では元日は…同じように休ませてよ!という感じでしょうか。
素晴らしい行動だと思います。

おかげで街は静かで空気は綺麗です。


いつの日か、クリスマス時期をフィレンツェで過ごす方は
バスが運休することを記憶の片隅に置いておいてください。


祝日運行だと便数が減りますが、
幸運にもタイミングよく乗ることが出来ました。
運転手さんも珍しく丁寧で、スパに行くことを伝えると、
このバスで合っているょ!と穏やかに応えてくれました。

そしてもう一つ、運転手さんがバス停に着くたびに
お知らせしていたことがありました。それは、
ショッピングモールは今日は休みだよ!」と。
乗っては肩を落として降りる人が何人もいました。
稼ぎ時だと思いますが、潔く休むんですね。
これにも天晴れ。

バスに揺られること約40分。

目的地付近に到着しました。地図によると、
バス停からスパまで焼く10分歩くとのこと。
しかし、ただの10分ではなく、
幹線道路の脇道を歩くんです!

怖い〜
舗装されていない遊歩道。
どちらかというと路肩と畑の間の道。

周りを見渡すとこんな田舎の風景です。


オレンジのド派手なコートを着ていて良かった。
目立つからしっかり幅を取ってくれます。
どうしてここにバス停を使ってくれないのか。
みんな車でくるんでしょうね。
それにしても…怖い。


そして畑の中にポツンと建つスパに到着しました。

アズマナという名の施設

野放しのうさぎがのびのび遊んでいます。

駐車場の車は少なく入り口に列もなかったので、空いている様子。
よかった、この日の限定入場券を買わなくて。
割高になるんです。

入場料金

料金プランはいくつもあり、事前にネットで購入できます。

    《全日》 《平日》 《入場補償》
 一日 : €42  €37
5時間: €36  €31   €45
3時間: €30  €25

入場料とマッサージや食事と合わせたセットがお得なので、
私たちは、2人と軽食のセットを購入。
有効期限は発行から2年というチケットをPDFで受け取りました。
€89でした。

この写真の下部に内容とQRコードが書いてあります


着替える場所は、巨大なロッカールームがあり
男女に分けられることなく入れます。
これが助かる!カップルで来た場合、
事前にバッグを分けなくてもいいんです。

壁側全面に更衣室が連なっているので、
荷物を持って着替えて、準備ができたらいよいよ入浴。

事前にトイレとシャワーを済まし、いざ!
スマホは盗難と水没回避のためにロッカールームに
置いておきました。撮影しているのは、アジア人が多かったです。
やはり、リラックスする場所なので、置いてくる人も多いようです。


ということで、施設の様子は、公式のインスタから紹介します。


まず、一階の屋内浴場。

観葉植物に囲まれた丸みある形。
実は、そこかしこにジェット噴射があり、
腰や脚のマッサージをすることができます。

そして奥で光っているのが、バーカウンターです。
これには後ほど触れます。

写真左側にガラスの扉があります。
ここは、自動ドアで屋外浴場へと出ることができます。


巨大な浴場が広がっています。

石で敷き詰められた浴室は、
まさにテルマエロマエを彷彿そさせるような
重厚な造りで、人が落ち着くための考案がそこかしこに感じられます。

画像からも分かるように、水中には段になった椅子や
波を描いたような石のベッド、弧を描いた部分では
ジェット噴射が定期的に起動します。

そして、気になるバーカウンターは、屋外でも利用できます。

半島のように突き出た場所で、軽食と飲み物を提供しています。

私ちの軽食セットは、このような感じです。

ちなみにアルコールも扱っています。
一人当たり最大5杯まで飲むことができるんだとか。
それでも飲み過ぎだとは思いますが。

支払いは、時計のようなロッカーキーをかざし、
機械で読み込むことで、支払いは出口で行います。
だから、いくら使ったのかは最後のお楽しみ。

ここ以外にもレストランもあり、しっかり食べることも、
軽めに栄養をつけることもできます。


マッサージとケア

さて、美容に特化したスパは、
マッサージやフェイシャルケアなどを受けることができます。
あまり興味がないので私たちは利用しませんでしたが、
館内を歩いていると、こんな顔の人たちが現れ驚きます。
男性の真っ白はまるでバカ殿。



サウナのスペクタクル!


近年、日本ではサウナブームのようで、
snsを見ていると、あの人もこの人も夢中になっていて、
サウナ熱がひしひしと伝わってきます。

さて、この施設でもサウナは多く、
ハーブ、ワイン、禅、火、インド式などとどれも気になるものばかり。
ワインは酔いません。香りもあまりしませんが、
抗酸化作用があるような印象ですがよく分かりません。


じっくり体感たのが、インド式サウナのスペクタクル

四角い部屋の壁3面が階段状の椅子になっていて、まるで劇場です。
儀式があるので呼び込みが聞こえ入ってみることに。

部屋を暗くし、落ち着いた音楽で少しの緊張感があります。
筋肉美の男性が、踊るように熱々の石の上に水をかけ、
塩の塊を溶かしていきます。さらに水をかけ、蒸気が上がる…
すると、大型のバスタオルを取り出し、
ブンブンブンブン振り回していきます。
ピザ職人が生地を伸ばしているかの如く、
ぐるぐるくるくる、上へ投げ飛ばして受け取って、
今度は熱風を客席に向けて吹かせています。

徐々に激しくなる音楽と踊るようなタオル儀式は、
観客全員が息を呑み瞬きするのを忘れるくらい凝視しています。
何度もブファ〜と送られる熱に圧倒され、
タオルを操る姿に目が離せません。
男性は段々と汗だくになり、力を振り絞り
動きが激しくなっていき、もうタオルは留まることなく
回転し続け、速度を上げていく!!そして、見ている私たちも、
歓喜の声を上げずにはいられないほどの高揚感!!
大拍手と声援で感動したところで、15分の実演は終了しました。

見ていただけなのに、少しの脱力感。
シャワーを浴び、ゆっくり休憩するよう案内がありました。


サウナの良さはこれまであまり感じていませんでしたが、
スマホを持たず、じっとする時間は貴重だと感じました。
またこのようなショータイムがあることで、
より集中力が高まり、身体が温まりつつ、呼吸もしっかり行え
改めて「整う」を体感しました。

以前通っていたジムでは、更衣室にサウナがあり、
髪を乾かすために利用していました。
せっかくならば健康のためにまた始めようかとも変心しています。

疲れたならば…

こんなダブルやシングルのベッドがそこかしこにあり、
ぐっすり眠ることもできます。

時間を忘れて寝てしまいそう。
私たちは5時間チケットを購入していました。
もう超えてもいいから時間を気にせず過ごそうとなりました。

とはいえ、ぐっすり眠ってはいられない。
あちこち見て回りたいし、身体が冷えた頃にまたお湯に浸かるを
何度となく繰り返しました。

そして、暗くなる前に施設を出て家へと向かいました。
なんと入り口にはたくさんの人だかり。
おそらく入場制限がかけられていて、待っているんでしょう。
夜の温泉も美しいでしょうね。

バスと電車を乗り継ぎ、意外にもぐったりすることなく、
元気に歩いて帰ることができました。



温泉スパ施設の感想

私は日本に住んでいた時、東北の温泉巡りを毎年行っていました。
「のぼせ」や「湯中り」を心配するために、
あまり長湯をしないよう、またこまめな水分補給を行います。
過去にひどい熱中症を体験したことから、
脱水症状を引き起こしやすい身体になったために、
人一倍気を使うようになりました。

ですがイタリアではそんなことはないのか、
はたまた身体の作りが違うのか、
みんな平気で何十分も浸かり続けています。
夫もその一人。休憩もせずにジェット噴射でコリをほぐしています。
彼らにとってはスポーツのようなものなのか。



時間を忘れて身体や心を休める時間が必要なんだと思いました。
一日にスマホや電子機器を触らない時なんで寝ている間だけ。
こんなにスマホを見ず、ただ考え事をし、夫婦で語り合うことができ、
とても貴重な一日を過ごせました。

もっと取り入れていきたいけれど
一度に最低でも3500円かかるので頻繁には行けない。
近くに海があるんだから海水で我慢するか…
。。。ちょっと違う気もする。

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