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人の行く裏に道あり花の山―人生に役立つ父が残した株式相場から10の格言

株式相場の世界では、先人が血が出る経験から人生に役立つ格言を残しています。これはわたしの父が生前に残した(物理的な)ノートからピックアップしたものです。他にもたくさんあるのですが、編集して10個をシェアします。初めて私のnoteを読む方は▼こちらをお読み頂ければ幸いです。

私はかって大手広告代理店で広告をつくる人でしたが、もともと証券業の血筋です。株屋の血筋と言ったほうがいいかもしれません。父は最後は大手証券会社・子会社の役員でしたし、祖父は証券会社を経営していました。幼少の頃から兜町の証券会館のレストランへランチに連れていかれ、株屋の背中を見て育ちました。わたしはそんな2人を見て「株屋ってクソだな」と思って育ったのも事実です。ぜんぜんスキになれませんでした。以来「マネーゲームで儲けたいオーラを出してるヒト」に嫌悪感があります。美意識の問題なのでコレばかりはしかたがない。というわけで社会にでた時は、広告の世界に飛び込んでました。そんな私が、縁あってFigurout中のひとになった経緯はこのnoteに書いたので割愛しますが、株とコミュニケーションが重なり合う世界とも言える「IR界隈」に関わることになるとは誰が想像したでしょう。人生は偶然と突然に囲まれている。面白いものです。

池松潤/Jun Ikematsu
スタートアップCEOの壁打ち相手。コミュニケーションデザイン/事業計画/エクイティストーリー/エンタープライズ営業コンテンツ/マーケティングなど。慶応義塾大学卒/大手広告代理店を経てスタートアップの若手と世代間常識を埋める現役57歳。ときどき婦人公論.jpにコラムなど。 ⇒ https://lit.link/junikematsu




株式相場の世界では、先人が血が出る経験から人生に役立つ格言を残しています。生前の父が私に残した(物理的な)ノートから、ピックアップして再編集しました、他にもたくさんあるのですが10個をシェアします。

1:人の行く裏に道あり花の山

世間は桜が満開になってから注目するけど、人の後追いでは成功できない。
相場は、人と同じ張り方をしていても儲けることはできない。株で儲ける人は安いときに仕込んだからで、脚光を浴びてからでは遅い。

これと類似の格言に
「友なき方へ行くべし」
「相場師は孤独を愛す」
がある。

ウォール街には
「人が売るときに買い、人が買うときには売れ」
「株というものは高いときには最上に、安いときには最低に見えるものだ」
という格言がある。

参考
日本証券業協会:https://www.jsda.or.jp/start/proverb/contents/proverb03.html
野村証券:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/hi/hitonoikuura.html


2:見切り千両

見切り千両の「千両」とは「見切る」には「千両」の価値がある。という意味。株の世界で「負け」続けているときは「よし!今度こそ」と泥沼の深みにはまりがち。「あそこで止めておけば、ここまで損はしなかったのに」と後悔する。逆に大勝ちしているとき、さっさと手仕舞いすればいいものの「あそこで止めておけば」と後悔することもある。ちなみに「見切り千両」には続きがある「見切り千両、損切り万両」つまり「目先に振り回されるな」ということ。
参考
野村證券:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/mi/A02044.html


3:朝の来ない夜はない、夜明け前が一番暗い

いまが一番苦しい時だが、夜は必ず明ける。相場もいずれ上昇に転じる時が来る。だから絶望するなかれ。ここで重要なのは「夜明け前が一番暗い」という部分。これは厳冬期のキャンプをすれば肌感覚で理解できます。そのとおりです。「もうダメだ」と心折れる時、夜明け前だと思って、もう一踏ん張りせよ。ということ。
参考
日興フロッギー編集部:https://froggy.smbcnikko.co.jp/27796/


4:相場は明日もある

「いまが底値だ!」と言われば「早く買わねば」と焦り、「暴落するぞ!」と言われれば「早く売らねば」と焦るのは人情である。相場で「先を読むこと」など不可能に近い。しかし転換と模索の時代には、自分のアタマを使って先を読むことそのものが重要だ。焦って「飛びつき買い」をせずに、冷静になって見極めることが大事。もしその株の好材料がホンモノなら、確実に株価は上がっていく。だから焦る必要はない、相場は明日もあるのだから。という意味。
参考
日本証券業協会:https://www.jsda.or.jp/start/proverb/contents/proverb16.html
auカブコム証券:https://kabu.com/glossary/kabu1271.html


5:当たりはずれは世の習い

勝敗に一喜一憂してはならない。という意味。負けたら反省し腐るな。という意味でもある。相場とは喜怒哀楽の連続である。それを我慢すると、心の底でずーっと引きずってしまう。悩んでいては頑張るチカラも沸かない。だからココロを空にして無心に向き合うという意味。


6:もうはまだなり、まだはもうなり

相場で、そろそろ天井だろうと思った段階ではまだ高値が残っていて、まだ高値が残っていると思ったときは、もう天井を打っている。つまり、相場の変化に対して独善的な判断は如何に危険か。という意味を示している。つまり「もう、そろそろ」と思いになったときは、無意識に「見切る理由」を探しがちだから気をつけろ。という意味。反対も然りである。「人の行く裏に道あり 花の山」とならんで格言の双璧と言われる。
参考
日本証券業協会:https://www.jsda.or.jp/start/proverb/contents/proverb21.html


7:株を買うより時を買え

株の世界は「安く仕込んで、高く売る」が基本である。つまり儲かるか、損をするかは、銘柄より売買のタイミングが重要になる。ところが、銘柄の勉強や研究に熱心になる人ほど、タイミングに意識が向かない。タイミングは相場だけでなく人生の教訓でもある。縁と運とタイミング。良い案でも、時期を外すと決まるものも決まらない。タイミングはとても重要である。


8:損して休むは上の上

相場で損をしたときは「次は取り返すぞ!」となるが、頭に血が上った状態で冷静さを欠いた心理状態では、判断を誤って傷口を広げてしまう。だから一休みして頭を冷やせ。という意味。徳川家康も「人の一生は重き荷を負うて遠き道を行くがごとし」という格言を残しているが、その続きに「急ぐべからず」とある。これは「慌てるな」という真意であり、慌てず騒がず「ひと休み」せよ、それが人生という長丁場を歩むコツなのだ。


9:商いを仕掛ける時はまず損金を積むべし

商いを仕掛けるときは、相場が悪くなった展開を考えて、余裕資金の中から損した分を積んでおけ。という意味。最悪の事態を想定しておくことで、自分の思惑と逆の動きになってしまった時に「まさか!」とパニックにならずに済む。有効な手を打つためには冷静さが不可欠。最悪に備えれば怖いものはなくなる。


10:頭と尻尾は猫にくれてやれ

欲をかいて「大底買い」や「天井売り」ばかり狙っていると、最良のタイミングを逃して損をする。という意味。相場とは人の噂や情報で動くもの。だから「魚の頭と尻尾は持っていけ!」と太っ腹に構えることこそ、出世や儲けを手にする方法。「急がば回れ」ということ。目先にキュウキュウとして追わず、大局を見失わないためにも、人間の器を広げる努力を日頃から怠らないこと。
参考
auカブコム証券:https://kabu.com/glossary/kabu1276.html


◆おわりに

振り返ってみると、株屋稼業には「相場で勝たなければ、顧客のためにならない」という本質があるように思えます。利他的な行動と利己的な行動が重なり合う部分を見つけるのが、ビジネスの基本だと考える私には、その本質が利己的に感じます。今思えば、その点が私の美意識と相容れず、父との関係にも影響を及ぼしていたのかもしれません。しかし、父から学んだことは多く、特に社会人としての先輩としての教えが数多くありました。その中で、父が残してくれたノートは、私が社会に出てからも大いに役立ったものです。今回、その一部を皆様と共有させていただきました。なにかのお役に立てれば幸いです。

これからも「資本主義」や「会社のお金」に関することも、興味がわく視点があれば、書いていきたいと思います。

ではまたnoteでお会いしましょう。


◆最新情報はXで

https://x.com/jun_ikematsu/status/1830918725425602695





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