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「お金で交換できる経済」と「お金だけで交換しない経済」が互いに助け合う方法と技術について考えてみた

そもそも経済とは、物々交換から始まりその歴史の中で物を交換する価値の担保や尺度としてお金が発明されました。 ヒトは便利さをお金で買ってると言っても過言ではありません。しかしこの直近5年ネットやSNSの普及でそれがガラリと変わってしまったように感じます。

「お金で交換できる経済」
「お金だけで交換しない経済」の2つの経済圏。この2つの狭間で、もがき苦しんでいる若い世代を見ることが増えたように感じます。だから書いています。

前者は従来からの資本主義経済で、既存経済の資本を増やすとは、主に金融機関やベンチャーキャピタルなどから必要な資金を借り入れたり出資を受けたりすることです。この場合資本提供者は事業の成功に応じて金銭的なリターンを得ることが目的になります。「資本を集める」のは得意ですけど「反応」や「評価」は得られません。

後者はSNSを活かしたコミュニティ経済であり、クラウドファンディングなどで応援を集めるとは、ネットを通じて多数の人に呼びかけ、趣旨に賛同した人から「お金の利便性を使って応援を集めること」です。リターンは多種多様でこの場合の特徴は共感や人間関係から生まれることです。「応援を集める」のは得意ですけど「利子」や「配当」が目的ではありません。美意識や価値観が既存経済とは違います。

この2つの経済が助け合い交わることができるのでしょうか。SDGsインパクト投資ソーシャルレンディングとも違う。もちろん寄付とも違う。「お金で交換できる経済」(既存経済)と「お金だけで交換しない経済」(コミュニティ経済)この2つの経済に新しい関係は生み出せるでしょうか。

いまのところググってもそんな方法やスキルは見つかりません。だから書くことにしました。新しい未来はどう作ればいいのか具体論5000字超😊超ニッチなハナシですがどうぞお付き合いください。

※前回はこちら▼




0:経済の特性について

前回note「僕たちは「お金で交換できる経済」と「お金だけで交換しない経済」に生きている」で書きましたが、経済は本質的に資本主義経済に参加者や参加エリアを増やすこと、その多くは民主主義を広げるために資本主義経済はセットで拡大してきました。

民主主義は国民に主権があり、選択の自由があることです。その自由の象徴は、人の移動から始まるので、かってのパン・アメリカン航空であり、行く先々の国にできたヒルトンホテルでした。そこで食べるのはハンバーガー、飲むのはコカ・コーラ。タバコはラッキーストライク。ティッシュペーパーはクリネックス。資本主義経済は、参加者とエリアを拡大することで発展させてきました。

例えて言うなら、資本主義経済というサラダボウルを大きくしていったのです。それが経済成長の原動力でした。

では、経済のサラダボウルを新しいカタチで大きくしましょうよと前回noteで述べました。ただしココには柔らかいアタマが必要です。既存経済にどっぷりの旧いアタマではなく、新しい真っさらなアタマが必要なわけで、その具体的な方法を書き残したいと思います。



1:「お金で交換できる経済」(既存経済)の本質


「資本主義がきちんと駆動する理由は、お金にモチベートされない人たちの存在があることだと思っています。究極の皮肉は、資本主義は究極のお金の追求心を基礎としているのに、もし全ての人がお金を追求したら、市場経済・資本主義は機能しない点です」

経済学者・ジョセフ・スティグリッツ
コロンビア大学教授。2001年ノーベル経済学賞受賞。

NHKスペシャル・欲望の資本主義 ルールが変わる時・2016年6月放送


これを意訳するとこんな感じになります。
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お金を持っている人たちはもっとお金を稼ぐために事業をします。お金を持っていない人たちは仕事をしてお金をもらいます。このようにして商品やサービスが作られて売られています。資本主義経済の良い点は、みんなが自分の利益のために頑張るので、経済が成長しやすいことです。

もちろん悪い点もあります。お金を持っている人たちはもっとお金を稼ぐために、お金を持っていない人たちに安くてきつい仕事をさせることがあります。お金を持っている人たちと持っていない人たちの間には大きな差ができてしまいます。これは不公平で不安定な社会になる原因です。

この問題を解決しようとする考え方が社会主義です。社会主義ではお金や工場などは国や社会が持ちます。そしてみんなで平等に分け合います。しかしソ連を見ればわかりますが社会主義は結果的に成功には至りませんでした。

資本主義経済がうまく動く理由は、お金だけでなく他のことも大切にする人たちがいるからです。それは地域のために役立つことをしたい人や、新しいものを作りたい人や、自分の好きなことをしたい人などです。これらの人たちは市場に色々な選択肢や変化をもたらします。そして資本主義の発展に貢献します。

しかし資本主義は究極のお金の追求心を基礎としているのに、もし全ての人がお金だけを求めたら、市場経済・資本主義はうまく動かなくなります。これは皮肉なことです。

この皮肉と言える「お金にモチベートされない人たち」が「お金で交換できる経済」(既存経済)を助けることにヒントがあると思います。困っているコトを助ける。だから経済は動く。この善意に溢れる(ある意味で日本的な)考えの方法を説明したいと思います。




2:「お金で交換できる経済」(既存経済)の困っている点を助ける

従来の資本主義経済は行き詰まっています。資本を集めてもなかなか稼げないからです。それは「お金にモチベートされない人たち」をどのように巻き込むか?という固くて古いアタマから発していると感じます。なぜならSDGsインパクト投資などは進んだ考え方ですが、従来の資本主義経済の発想の域に留まっているように見えます。

かたや「応援を集める」人は共感やそこでの人間関係と上手に向き合ってますが、「資本を集める」ひとたちの「欲望」や「金儲け」の価値観が嫌いに見えます。ゆえに「お金だけで交換しない経済」(コミュニティ経済)からの視点で経済について論じられた「取り組み」はほぼ見当たりません。この食わず嫌いに似た状況を残念に感じることが数多くあります。だから書いている。

この両者にあるのは水と油のような「深い溝」なのでしょうか。それとも助け合える「新しい関係」なのでしょうか。そこを紐解きたいと思います。

「応援を集める」(お金だけで交換しない経済)には「お礼」や「反応」という「共感」や「承認欲求」を満たす機能があります。「資本を集める」(従来の資本主義経済)にはこの機能(下図のピンク色)は存在しません。この違いがポイントです。

「お金にモチベートされない人たち」とも言える「応援を集める」(お金だけで交換しない経済)のが得意な人たちが「資本を集める」(従来の資本主義経済)を助けることができるのはこのピンクの領域です。

「共感」や「承認欲求」の領域こそ、現代社会の求められる本質(ニーズとも言える)ではないでしょうか。経済とは人間の本質と向き合うことなのですから。

補足:
「お金で交換できる経済」(既存経済)、「お金だけで交換しない経済」(コミュニティ経済)この2つの経済圏に生きるそれぞれの人達には、「ルールやマナー」があって「好き・嫌い」もあります。人間は感情で生きてます。経済の背景には感情があります。神は細部に宿ると言いますがこのディテールを大事にしたいと思います。



3:具体的な方法(の一部)

「株式型」「融資型」「ファンド型」クラウドファンディングや、ソーシャルボンド、マッチング寄付など、さまざまな経済活動を支える方法がありますが「応援を集める」(お金だけで交換しない経済)視点で、リターンと寄付の狭間の「新しい経済手法」を開発するのは見たことがありません。とても難しいことです(当たり前)

そのためには時間とエネルギーが必要なので、次善の策として従来の考え方を応用組み合わせた方法を考えます。まずは形を作ること、段階的に進めることが大事だからです。

この次善の策とは、資本の立て替え機能などを応用して組み合わせる方法を採ります。

※資本の機能とは・・・
投資機能・分配機能・流動性機能・需給バランス調整機能・秩序機能など様々な構成する機能がありますが、「お金で交換できる経済」(既存経済)
は、独善的な支配や安易な見返りを伴わない「立て替え機能」と「安定への協力」を提供することで、成長の限界を助けてもらえるのではないでしょうか。

まずは「応援を集める」(お金だけで交換しない経済)が、従来にないユニークなアイデアで、サービスや商品を開発して、応援と共感を増やし新しい需要を創造します。そして「お金で交換できる経済」(既存経済)の成長の限界を助けます。

「お金で交換できる経済」(既存経済)は、それに対して尊敬と愛情を持って「前売り券買い上げ・販促協力してもらう」(立て替え機能・予算化)などで協力します。既存の枠組みを可能な限り調整して実現化するのです。経営者にはその責務があります。鶴の一声とは経営者ならではの発せられる力です。つまりお互いさまの精神で補い合うというものです。

※この場合「評価方法を一緒に定める」(効能を測定して次へつなげる)を同時並行で進めることが重要です。

経済は一方通行ではなく「回る」ことが大事です。どのような場合も、お互いを尊ぶココロや信頼関係がなければ物事は成立しません。しかしながら、得てして大きな方が偉いという感覚に陥りがちなのも事実。そのためには、社会に対する見識と大義が必要で、それに加えて双方が信じられる「◯◯愛」が重要になってきます。共通の理想を叶えるために信じあい協力しあうことで新しいコトは生まれるのですから。




4:具体的方法を支える技術(の一部)

前述の具体策を支えるのは、営業活動でなくマーケティングでもなく広報でもない「新しいロビー活動」が鍵です。

ロビー活動とは社長直轄の経営企画室や秘書室などが行う渉外活動です。なので一般社員の目に触れることが少ないですね。ロビー活動とは本来は政治家や役人・官僚への活動ですが、経済構造の変革時には大企業経営者などの意思決定権限者(及びその周辺の影響を及ぼせるもの)に対して、様々な行動で意思決定への影響力を行使する必要があります。この新しい組織・機能が世の中に存在しません。

ですので「空気に敏感な(空気に弱いとも言える)この国の意思決定者」に効果を及ぼす「空気を醸し出す」活動する担当者(部署)が必要になってきます。逆に言えば、新しいロビー担当者とは、渉外活動を行う営業もマーケも広報もできる人なのかもしれません。

目的:
政治家や官僚だけでなく、大企業経営者などの意思決定権限者(及びその周辺の影響を及ぼせるもの)に対して社会の利益になるように意思決定者たちへ働きかけます。

対象:
政治家や官僚だけでなく大企業経営者などオピニオンリーダーなど。

手段:
意思決定者との人的ネットワークを構築して、こちらの要望を解決できるように利害が重なり合い部分を見つけてそこへ導く。シンポジウムやイベントなどソーシャルグッド・キャンペーンなど単なる提言や陳情だけでなく「空気を醸し出す」など、あらゆる行動で意思決定への影響力を与えます。

※大手企業向けの法人営業や、マーケティングや、広報との違いを分かりやすくするため図表にしておきます。



5:おわりに

「性善説である」とか「ここは辻褄があうのか」とか「難しいですよねぇ」とか「オマエいったいナニ言ってんだ」状態かもしれませんが、皆さんはどう考えますか?

お金ばかりが資本ではないってのは皆さん分かっていると思うのですが、経済とは人々が「幸せ」を生み出すために財やサービスを生産・消費・分配する活動の総体です。そして「幸せ」とは、お金だけではなく健康や教育や文化や環境など様々な要素から成り立っています。

つまり経済とは人間そのものです。

欲望だって多種多様。だから何をやってもダメなのはダメだし、できるのはデキるとも言えます。というわけで、未来がどうなるかなんて誰にもわかりません。未来は自分たちで切り拓くものだと思うのです。

未来は若者のためにありますが、しかしその未来を切り拓くには「前提となる知識や技術」が必要です。そして「オモロい」こと。それをシェアしたかった。

これからもよい知恵を出して具体的に貢献できればいいなと思います。機会があれば、この考えをケーススタディに当てはめてみれたらいいですね。そして色んな方たちとディスカッションする機会が生まれたら嬉しいです。

貴重なお時間を割いてココまで読んで頂き感謝です。またリアルでnoteでお会いしましょう。

次回はこちら▼

※前回はこちら▼


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