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永久の星よ。愛しい星よ。 #クリスマス金曜トワイライト

4本目で最後の「クリスマス金曜トワイライト」です。あなたを想う気持ちが届きますように。

こころから愛しているひとよ。
こころから愛しいひとよ。


平日と休日の境い目。トワイライトに流れる時間。相変わらずエモい文章は書けません。だけど一生懸命書いてます。今回は特に苦しかった。なかなか書けませんでした。だからあなたに届けたい。平日と週末の境い目。マジックアワーはどんな空でしょう。あなたと一緒に過ごしたい。ずっと一緒に。

※一緒に音楽を聴きながらどうぞ。

【ONE OK ROCK】・・・「ONE OK ROCK」と書いて「ワン オク ロック」と読む。海外においてはRとLの発音の違いなどから「OKROCK (オーケーロック)」と書いて「o'clock (オクロック)」と読ませることは難しいので「ワンオーケーロック(One Okay Rock)」と発音することで統一している。

2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。2007年デビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナツアーを成功させる。2016年には11万人規模を動員する野外ライブを2018年は東京ドーム2日間を含む全国ドームツア開催。日本のみならず海外レーベルとの契約をしアルバム発売を経てアメリカ、ヨーロッパ、アジアでのワールドツアーを 成功させるなど世界基準のバンドになっている。2019年2月ニューアルバム「Eye of the Storm」を全世界同時リリース決定。


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永久(とわ)の星よ。愛しい星よ。


教会の天井まで伸びるステンドグラスにパイプオルガンが響いている。綺麗な聖歌が遠くから聞こえてきた。これは夢の中なのか。それとも酸素が足りないからだろうか。ハンドルについた小さなメーターを見ると心拍数は198と表示されている。時速56km。目いっぱい踏んでもこれ以上は出そうもない。自分の脚力を恨むしかない。あともう少し。あともう少しなのに夢に届きそうもない。あの日の自転車ロードレースは最終戦だった。

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手が柔らかく包み込まれた。握る手は柔らかく優しい。でも胸は苦しい。これは幻覚なのだろうか。夢なのか。

必死にもがいていた。あの坂を越えればゴールが見える。ゴール直前にエースを送り出せばチームは優勝できる。今まで仕事やプライベート全てを犠牲にしてきた。あなたのことも。。でもそこにはチームの仲間たちの願いがこもっていた。今年で自転車ロードレースはやめようと思っている。僕の賭けてきた全てがこの瞬間で決まる。唾液がヨダレとなって流れていく。視界は白く霞んで、口の中は苦い味が広がっていた。

再び手が優しく握られた。ビクッとして起きた。疲れで寝てしまっていたみたいだ。横を向くと、あなたが優しく微笑んでいる。聖歌が終わって静かな時間が教会に広がっていた。あなたはハンカチを出して僕のヨダレを拭いてくれた。あなたは静かに微笑んでいる。目をこすると聖母様が見えた。

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僕はCMやキャンペーンに振り回されていた。上司にもクライアントにも振り回されていた。賞もなかなか取れなかった。ある日、自転車ロードレースに出るって話をしたら応援すると言ってくれた。走り出したら鉄砲玉みたいな僕をいつも穏やかに見つめていてくれた。ダメな僕をいつも励ましてくれた。

あなたならできる。
あなたが決めた道を行けばいい。

終わりが見えない時代に、希望が信じられない時代に、僕はあなたに優しくなれただろうか?今年も終わろうとしている。あなたへ何と言えばいいのだろう。今日こそ伝えなければならないのに、また寝落ちしてしまった。ダメな僕はどこまでもダメなんだろうか。

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スタンドコーヒー屋さんで出会った。赤い自転車に乗っていたあなたに恋をした。あれから何年経ったのだろう。2度目に会った時にあなたは痩せ細っていた。だから僕は一生懸命ご飯を作ってあげた。そして仕事に戻った。そんな日が続いて一緒に住むようになった。

数学が得意で設計図も書けるあなたはインテリアを選ぶセンスが良かった。図面を読むのが上手だった。IKEAのテーブルの図面を読むあなたに言われるがまま電動ドリルでボルトをとめた。白いテーブルに花を飾った。あなたはいつもニコニコしていた。インテリアデザインの仕事が大変な時も、毎朝早くに起きてコーヒーを淹れてくれた。長いことそんな時間が普通になっていた気がする。あなたは僕に何も注文することはなかった。怒ったりすることはなかった。あどけない寝顔をみて守ってあげたくなった。

果たせない想いと 願いが叶わない時代。わかち合う想いと抱きしめたいエゴが葛藤する。限りある時間や希望が信じられない時代に僕はあなたへ何と言えばいいのだろう。あなたは私の星。人生の航海に必要な目印だから。

今年。前を向かせてくれたアナタに。
溢れる想いを伝えたい。
今年。チカラをくれたあなたに。
言葉にならない想いを伝えたい。
今年。もっと大スキになれたアナタに。
どこまでも届くほどの熱い想いを伝えたい。

静かにペンを置いた。

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教会を出て歩く2人の影は長く伸びている。もうすぐ陽が暮れる。ゆっくり歩いた。どこまでも。川沿いの道はどこまでも続いている。


『今日もいい日だったね。ありがとう』
あなたが僕の目を見つめて静かに言う。

『今年もいい年だったね。ありがとう』
あなたの茶色くて青い淵の瞳が大好きだ。

僕たちは通りに面したバルの窓際に座った。生ハムとチーズを注文する。ブルーのエプロンが似合う優しそうな顔の店員さんがビールを静かに置いてくれた。

『乾杯』

自転車ロードレースは今年で辞めることを話した。あの日の最終レースは2位に終わった。来年はチームのスポンサーが降りる。やむなくチームは解散となった。メンバーは転勤や転職するもの、自転車ロードレース本場のフランスに渡るもの、みんなバラバラに世界へ散っていく。

僕は姿勢を正した。そして礼拝に寝坊した時のこと。いつも仕事で疲れ切って寝落ちすること。たくさんのワガママや、いつも生活がだらしないことを謝った。あなたは驚いた顔をしている。僕は静かにポケットから指輪の入った青い箱を出した。メッセージカードを添えて、あなたの前にそっと置く。

『,,,,結婚してくれるかな』

あなたの瞳から星の雫が流れるのが見えた。雫はどこまでも透明で美しい。片方の手が柔らかく包み込まれた。握る手は柔らかく優しい。胸が苦しい。これは幻覚なのだろうか。夢なのだろうか。

『約束するよ。この気持ちが永遠だと』

僕はゆっくりとビールを飲んだ。爽やかな風味にほんのりと蒼く苦い味がゆっくりと広がっていく。キンキンに冷えたビールだけが美味しいビールじゃないとあなたが教えてくれた。これからも、ゆっくりと一緒に歩いて行ければいい。

『....はい』

いっぱいに広がった笑み。僕はいま生きていると思った。あなたと一緒に生きている。

こころから愛しているひとよ。
こころから愛しいひとよ。

あなたがグラスで、僕がビール。
目いっぱいまで満たしてあげたい。
あなたとクリスマスを一緒にすごせる幸せに感謝します。
いま愛していると伝えたい。
僕の愛の真ん中にはいつもあなたがいるから。

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第4話・おわり
編集 : 仲高宏 嶋津亮太  クニミユキ
#クリスマス金曜トワイライト
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#ステラアルトワ

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1本目「真冬のレモンは小さくて甘く切ない」、2本目「離れていても温めますか」、3本目「逃げていた。だけど幸せだった」だけでは足りないと感じて、違う恋を描きたくて何度も書き直してやっと書きあげました。

僕にとって今年は大変な一年でした。しかし実りの多い年でした。来年はみなさんにとっても、素晴らしい一年でありますように、心から願って4本目をお届けしたいと思います。ステラとは星。あなたと一緒に星を眺めて、過ぎゆく2020年と来たる2021年に乾杯!


オトナは恋かシゴトでしか変われない
#クリスマス金曜トワイライト イベントについて

※逐次アップデートされます。最新情報はTwitter

12/18(金) 
開場:18時半~
開演:19時~21時(予定)
会場:Tasting BAR 柴田屋酒店 本店(地図
賞品協賛:ステラアルトワ Anheuser-Busch InBev Japan
主催:クリスマス金曜トワイライト・プロジェクト
※今回はソーシャルディスタンスを取りながら、人数限定で発表・授賞式イベントを開催します。詳細は近日noteにUPします。少々お待ちください。

◆イベント内容(会場+zoom+youtube)
1:「いま何を書くか?」平山高敏さんと池松潤のトークイベント
2:応募作品・ノミネート作品の紹介(3分間プレゼンテーション)
3:サポーター紹介・コラボ協賛紹介
4:授賞式
5:受賞者による5分間プレゼンテーション(ZOOM)
6:会場とオンラインで全世界を結ぶ中継型・懇親会

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◆「クリスマス金曜トワイライト・イベント」とは
「恋愛小説をリライトした作品」をクリスマスシーズンに行う表彰式イベントです。

◆恋愛小説・金曜トワイライトとは・・・
池松潤が書き下ろしたオトナの恋愛小説。7月~9月の毎週金曜日に配信されました。その作品をもとに自由にリライトしてもらうという企画です。初回10月の開催では1週間で48件の応募がありました。各参加者のフォロワーによりSNSでシェア&拡散されて、さらにnote公式編集部にピックアップされる等ヒット企画になりました。まったく新しいタイプのイベントです。

◆そもそも「リライト」ってなに?
「執筆者以外の人が、文章に手を入れて書き直すこと」です。または、ある文章を目的に合わせて書きなおすこと。 例)「記事を放送用にリライトする」など。クリスマス金曜トワイライトは、広義のリライトなので、恋愛文章愛があればOKです。

◆作品エントリーする効能とは?
1:「他人の書いたのはよ~く見える」から「自分のも見えるようになる」
2:人のダメな所とかココを直せば良くなるツボが見えてきます。
3:noteを一緒に育てるような気分になれます。色んなnoteをレーダーチャート診断で1万本ほど読ませて頂いて気が付いたのは「他人の書いたのは、よ~く見える」ことです。他人のをリライトすると楽しく執筆スキルがあがると思います。やはり恋バナは楽しいですね。

◆作品エントリーについて
1:池松潤が書く4本から1本を選んでください。
2:その選んだ作品の引用noteを貼ってください。
3:ハッシュタグ「#クリスマス金曜トワイライト」をつけてください。
4:下記の理由を「追記」として書いてください。
「なぜその作品をリライトに選んだのか?」
「どこにフォーカスしてリライトしたのか?」
を本編の下に「追記」として必ず書いてください。
※お一人何本でも書いて頂いてOKです。エントリーを楽しみにしています。

※応募エントリ―開始は12/4(金)トワイライトからです
※※応募期間を、〜12/11(金)23:59までを12/14(月)午前6時までに延ばします❗️

★初回とおなじく全応募作品を池松潤が読んでコメントをnoteでフィードバックさせて頂きます。

★「クリスマス金曜トワイライト・文学賞」総合大賞には、池松潤は僅かながらですが1万円をご用意したいと思います。

※各賞と授賞選考ポイントについて

1:「選考委員賞」:あなたによって生まれ変わった恋の新しい原作を書いてくれた方へ選考委員会から贈る賞です。
2:「読み手・賞」:スキ・引用RT・引用noteを集計して一番多い方へ贈る賞です。
3:「書き手・賞」:リライトした書き手による投票数で選ぶ賞です。
4:「妄想賞」:妄想の激しさを基準に選考委員会が贈る賞です。
5:「イケマツ賞」:池松潤の独断と偏見で贈る賞です。正直わたしの好みです。すいません。
6:「覆面座談会・大手出版編集者・賞」:覆面座談会形式で大手出版社の編集者によるプロが贈る賞です。

⇒◆この「6つの賞」から「総合大賞」を選考委員会から贈ります。総合大賞の方の作品はアニメ映像化をしてyoutubeへUPします。そして副賞として前述の賞金と、ステラアルトワ(ビール)+グラスのセットをお送りします(宅配便で送るので国内の方に限ります。海外の方が受賞した場合は次点の方にさせていただきます)

◆前回についてはこちらをどうぞ。
1週間で48件ものエントリーがあった「前回参加者作品一覧と池松コメント」をどうぞ▼


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