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広告クリエイティブは聖書も分かりやすく語れるのか?その80

普段広告クリエイティブの仕事にどっぷり浸かりながら、日曜日に子供さんに聖書のお話をするお役目をいただいております。そのお話の原稿を晒す企画。もう80回です。今日は主の祈りの内容について。主の祈りってご存知ですかね?お祈りの基本とされているもので礼拝ではどこかでかならずお祈りします。その前半部分についてのお話し。ただお願いするのではないお祈りって?というお話。キリスト教の思想のど真ん中ですね。

マタイによる福音書6章9節10節
9:だから、こう祈りなさい。『天におられるわたしたちの父よ、
御名が崇められますように。 10:御国が来ますように。御心が行われますように、天におけるように地の上にも。

Copyright: 日本聖書協会

<お願いとお祈り>
先週からお祈りについてお話ししています。先週は、神様、とちゃんと呼びかけましょうということを聞きました。そのあと、どうお祈りするか、が今日の箇所です。
お祈りするっていうと特に、日本だと神社に行って、パンパンって手を叩いて、何からお話しするか、どんなイメージがあるでしょうか?パンパンと手をたたくと、すぐ、健康でいられますように、とか、受験がうまくいきますように、とか、商売がうまくいきますように、とか、自分のお願いからスタートし、そして自分のお願いで終わり、です。お祈り、より、お願いなんですね。キリスト教のお祈りってお願いどう違うの?ということこれが今日のお話です。お祈りと自分のお願いの違い、それは自分のお願いの前にみっつのみ、が入るということです。お願いの前に、みっつのみ で覚えてください。み、とは、この字、御って 相手を尊敬する、あなたは大切な人ですよ、という時につかう言葉です。その言葉を使って大切ですよーと伝えたい相手は、誰かというと神様です。

<御名をあがめさせたまえ>
その御、という字、みっつの御、ですがまず一つ目は御名 あなたの名前、という言葉の意味です。御名があがめられますようにと。あなたの名前があがめられますように。あがめる、というのは、尊敬する、大切にする、ということです。あなたの名前を大切にできますように、尊敬できますようにということですね。名前を大切にするっていうのは普段つかわない言い方ですよね。これはどういうことかというと、名前は名前だけじゃなくて、その人の性格とか存在まで含むと言われています。つまり、名前の音、だけじゃなくて、そのものを大切にすること、尊敬できますようにということ。さらに御名があがめられますように、というのは、私が神様を大切に、尊敬できますようにということなんです。大切に、尊敬できるためには、まず、いつも神様がいるーって思っていないとできません。そして、もうひとつ、神様を大切にしている、尊敬しているという生き方ができますようにということも含まれているんですね。キリスト教のお祈りとは自分のお願いの前に、神様との関係についてのお願いが入るということを覚えてください。そのひとつが御名があがめられますようにというお願いでした。

<御国が来るって?>
では2つめの御、それは御国が来ますように。です。
神様の国が来ますようにとも言い換えられますが、国が来るってどういうことでしょうか?みなさんはなんという国に住んでいますか?日本ですね。普通に考えると違う国がやってきて、日本じゃない国になりますように、とも言える言い方ですよね。ゴゴゴっとでかい国が飛んでくるイメージ、日本が、中国になりますように、日本がアメリカになりますように、とか、けっこうすごい言葉ですよね。実は当時のイスラエルの人もそう考えていた人が多かったんです。ローマという大きい国に占領されていたこともあって、ちゃんと新しい国になって、ローマを追い出してほしい、と思っていた、それを本気でお願いしていたんですね。なので新しい国になりますように、というお願いにも聞こえますが、イエスさまはそういう意味でお祈りしましょうとおっしゃったのではありません。

<神の国とは神様の目が行き届いているということ>
神の国が来ている、それは神様が考えることが、この世の中、この地上で、ちゃんと行われているということなんですね。神様の目が行き届いている状態、とも言えるかもしれませんね。この言葉だけをみると、神の国っていうのはまだ来ていないというふうにかんじますよね。来ますようにということは、まだ来てないということじゃないの、と。ところが、イエスさまは別の箇所で「神の国は実はあなたがたのただ中にあるのだ」と言っています。つまり、もう来ているともおっしゃっているんですね。なんだよ、来てるの?来てないの?ややこしいと思いますよね。

<神の国が今日も来ますように>
わたくしも、このあたり、ずっと教会に来ていても難しいなあと思っています、でも、最近思うのは、神様の国が今日も、神さまの国がきょうもありますように、というお願いだと考えたら分かると思います。神様の国がこの地上に来続けますように、というお願いなのかもなあと思っています。英語でいうと現在完了形、ちょっと難しいかもしれないけど、そんな感じです。
そして、神の国が来ますようにという言葉の意味はもうひとつ、イエスさまは天にあがられていて、いつかこの地上にもういちどいらっしゃることになっています、その時に、神の国が完成するとおっしゃっています、なのでその日が来ますようにという意味でもあるんですね。

<御心が行われますように>
御名があがめられますように。御国が来ますようにと2つの御を説明しました。そしてさいごの御、ですが御心が行われますように、の御です。神様のお考えがその通りになりますように、という意味になります。このお祈りの大事なところは、神様のお考えってどんなお考えだよ、ということです。神様の好きにしてください、とも言えますよね。よく、喧嘩になって最後に、「好きにしたらいいんじゃないの!」となることがあります。これは相手が何をしようともう知らない、という投げやりな状態です。もう関係ない、あなたのすることは。ということ。自分は関係ないというスタンス、態度でもあるんですよね。これ、なんでこうなるんでしょうか?それは相手のことを信じてない、信頼してないから、なんですね。関係ない態度というか。

<世界のプロだからまかせられる>
でもこの御心がおこなわれますように、というのは、神様との関係をどう考えるか、がとっても大事になってきます。まず、神様は自分より自分のこと、世界のことをを分かってくださっている、だってこの世界をつくってくださった方だもんな、と思えるかどうか。そんな神様が考えることが間違っているはずないよね、と信じているということなんですね。この世界の専門家、この世界のプロフェッショナル、だからそのプロにおまかせします、ということ。私は初めであり、終わりである、とおっしゃる神様のおっしゃるとおりで、ということでもありますね。そしてもうひとつ、先週お話にあった、父なる神と呼びかけた言葉にもあるように私たちを愛してくださっていること、そんな愛してくださっている神様が私たちによくないことをするはずがない、ということを信じるということでもあります。

<3つの御から始まるお祈りを祈るということ>
今日のお話、自分のお願いをする前に神様のお願いがある、それがキリスト教のお祈りとしてとっても大切ということ。そのお願いはみっつの、御、ということ。御名があがめられますように、ちゃんと神様を大切に、尊敬してい生きられますように、御国が来ますように、今日もちゃんと神様の考える世界でありますように、そして神様がまたこの世界に来てくださいますように、ということ。御心がおこなわれますように、ということ。神様のお考えがそのとおりになりますように。この3つのお祈り、これから主の祈りをするときにこの3つのお祈りがもつ、意味を思い出してください。そしてその神様にお祈りをする、神様との関係に感謝する、というくだりがあってからお願いが始まるということを覚えておいてください。まずみっつ御があってから、ということですね。それがキリスト教のお祈りです。おしまい。

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