見出し画像

広告クリエイティブは聖書も分かりやすく語れるのか。その65。

普段広告クリエィティブ業をしつつ、プロテスタントの教会でお子様にお話をさせていただいています。その原稿を公開するシリーズ。今日はアドベント。クリスマスを待つ1ヶ月のはじまりの日曜日です。ルカによる福音書のクリスマスエピソードの中で超有名な受胎告知の箇所です。なんで?って聞くことが大切なこの世と、なんでじゃないレベルで考えるのが神様との対話ということなのかなというお話です。

ルカによる福音書1章26-38
26:六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。 27:ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。 28:天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」 29:マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。 30:すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。 31:あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。 32:その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。 33:彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」 34:マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」 35:天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。 36:あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。 37:神にできないことは何一つない。」 38:マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。

日本聖書協会

<なんで?が通用しない世界>
四谷学院という予備校の広告で「なんで私が東大に?」というキャッチコピーがあります。そんなに成績よくなかったのに、四谷学院という予備校にいって成績があがって、そして東大に入りました。という広告なんですね。それをみていつも思います。東大受けたからやと。受けたから通ったんやと。

いろんな出来事にはその原因があります。なんでそんなこと起こるの?ということにもたとえば飛行機事故、なんでってなりますが、飛行機事故の確率があって何万回に一回おこってしまうものなんですね。
一件、なんでから分からないことも、それは自然の摂理ともよばれてそれは起こるべくして起こるということがこの世界でたくさん起こっているんですね。

<いきなりのおめでとう>
でも今日のところは、そんな自然の法則とは全然関係なく、突然おこった不思議な出来事のお話。
6ヶ月目にとありますがこれはこの前の話でマリアさんの親戚のエリサベトというおばあちゃんがこれも不思議なことに子供ができたんですね。なかなか子供ができなかったんですが。できてみんなびっくりしてたんですがそのエリサベトさんに赤ちゃんができてから6ヶ月ということです。そこにダビデの家系のヨセフさんのいいなずけ、婚約者だったマリアさんという人がいました。そこにに天使がやってきていいました。「おめでとう、恵まれた方、主があなたと共におられる。」と言われました。いきなり。このおめでとうという言葉は喜んで!という意味だそうです、で恵まれた方というのはマリアが才能に恵まれたとかそういう意味じゃなくて、幸せなあなた、という意味だそうです。そして主があなたと共におられる。と。いきなり喜んで!って言われても意味がわからないですよね。なんで?何が起こるの?だし、なんで私?ってなりますよね。このなんで私がということが今日のポイントです。

<さきさき行ってしまう天使>
そのなんでの状態がつづいたまま、天使さんは先にすすんでしまいます。あなたはみごもって男の子を産むがその子をイエスと名づけなさい。またなんでわたしに?に関しては全然こたえてくれなくて、さきさきいっちゃうんですね。そして、それに対してマリアさんは答えます「どうして、そんなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」と。なんでわたしに、もおいといてまたわからないことが。わたし結婚してないのになんで子供が生まれるんですか?と。聞くわけですよ。こどもが生まれるわけないじゃないですか!と。             
でも天使はさらに答えます。「聖霊があなたにくだり、いと高き方の力があなたをつつむ」と。聖霊がやってきてあなたをつつみこんで子供がうまれますよと、そしてその子供は神の子と呼ばれると。
なんで私?なんで子供?なんで神の子?
マリアさん、"なんで?"しかなかったと思います。そんななんでなんでのマリアさんに対してエリサベトさんのお話をしはじめます。あなたの親戚も歳をとっていて、なかなか子供できなかったのに、子供ができて、もう6ヶ月もたってるのよ、だからあなたにもこども生まれるよと。そしてすごい言葉でしめくくります。「神にできないことは何ひとつない。」と。この世の中をつくった神様なんだから、なんでもできるんだ!と。もうこのマリアさんと天使さんの会話、ものすごいですよね。いきなり現れて、喜んで!って言われてそして子供生まれるよ、って言われてその子供が生まれること自体も不思議なのにさらにその子供は神様の子供で、と。なんでわたし?なんでこども?なんで神の子?とこのなんでに一向にこたえてくれない天使さん、そして最後は神にできないことは何ひとつないで締め括られて。コミュニケーションなりたってない会話です。

<なんで?しかないはずなのにマリアの答え>
でもここでマリアさんはとっても不思議な答えをします。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますようにと。」わたしは神様につかえるひとです、と。なので神様からいわれたことをやるのが当たり前ですと、そして、その言葉どおりになりますようにと答えたんですね。これはすごい答えです。
なんで?なんで?の連発してもおかしくないのに、こんな答えをしたマリアさん、なんでこんな答えができたんでしょうか?
神様のされることは分からないということが分かっていたなんですね。人間にはわかならない、なんでわたしなの?ということからはじまって、それは別にマリアさんが何か特別だったのか?というとそうじゃないんですね。ただ神様がマリアさんにした、ということ、その理由はわからない。そしてその理由がわからないことを受け入れました。
そしてこどもが生まれるということ、それもなんで?と思うことですがそれも受け入れました。そんなわけないじゃないですかーと一回は言うのですがでもそれも、そんなことが本当におこるのか?なんでそんなことできるんだ?となんで?があるんだけど、それも分からないけどそうなんだろう、とそれも受け入れました。

<主があなたと共におられるという言葉の意味>
なんで受け入れられたんでしょうか?それは天使がいった最初のことば、「主があなたとともにおられる」ということばを信じていたからなんです。神様が一緒にいるよ、というこのことば。このことさえあれば、神様がいっしょにいてくださるのであれば、なんで?なんで?なことばっかり言われたけど、でも大丈夫なんだろうと信じることができたんですね。だからマリアさんはぜんぶを受け入れることができたんです。

<クリスマスという希望>
今年ももう終わりますが今年もさまざまなことがありました。なんで?と思うことがたくさん起こりました。戦争はまだつづいているし、終わる感じがしません。そんな絶望してしまいそうなことがおこりますが、そんななかで主はあなたと共にいる。という言葉を神様からいただいたこと、そしてイエス様が他の聖書の箇所でインマヌエルと呼ばれると書かれています。これがまさに神は我々と共におられる。という意味。つまりイエス様の存在、イエス様が生まれるということが、神様が私たちと一緒にいてくださる、ということの証拠なんですね、その約束を神様がわたしたちをしてくださったということ。それがイエス様がお生まれになることの意味なんです。だから、イエス様が私たちといっしょにいてくださるということ、それが希望なんです。

<この身になりますようにと祈れる希望>
なぜ希望か、みなさんがこれからの人生、なんで?と思うことがいっぱい起こると思います。その答えはわからないことの方がおおいとおもいます。まるで今日のマリアさんに起こったことのように。なんでわたしが?なんでこんなことが?と。でもわたしたちにはイエスさまが一緒にいてくださいます。だからマリアさんみたいに、すべて神様のお考えの通りになりますようにとお祈りしましょう。そう祈れることが希望です。いつでも希望を失わないために、この世にやってきてくださった、一緒にいてくださるイエス様、希望がお生まれになるクリスマスを今年も一緒にお祝いしましょう。おしまい。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?