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友人たちの“普通の暮らし”を訪ねて【6月12日〜13日 宮城県大崎市〜仙台市】

3日間滞在した鶴岡にほど近い三川町の道の駅での目覚め。今日も良く眠れた。窓から外を覗くと、あ、車中泊仲間の中に、キャンピングカーの方がいる。私たちのキャブコンよりも、かなり大きな車体。どんな旅をされているのか、あとで声をかけてみよう。

車中の朝ごはんも、だいぶ慣れてきた。今日は鶴岡の新鮮なお野菜と干物、ご飯とお味噌汁で和朝食。娘がうれしそうに、写真を撮ってくれた。朝につき、ノーメイクで失礼します(笑)

今日はふたたび太平洋側へ。しばらく宮城に滞在する予定なのだけど、まずは今年2月に鎌倉から宮城県大崎市へ引っ越した友人家族を訪ねます。地図を見ると、国道47号線を一直線に東へ走るルート。最上川沿いを約2時間、今日はお天気も良く息子のご機嫌もいいので、私が運転を担当することに。意外と運転にハマっている私。

国道47号線は、道幅もそこそこあって視界が開けているので、とても走りやすい。見渡す限りの田園風景を通り過ぎると、徐々に山あいに。それでも、最上川の川沿いを進んでいるので、道は平坦。新緑と川の水面がキラキラとあまりにも美しいので、随所で車を止めて、のびのび〜!

青空と澄んだ空気が気持ちいいので、どこかでテイクアウトして川を見ながらランチを食べようと検索すると、ちょうど中間地点の新庄市に、美味しそうなパン屋さんを発見。「げたぱん」?名前も気になるので、立ち寄ってみよう。47号線のすぐ脇の住宅街をゆっくり進んだところに、看板を発見。高まる期待とともに、店内へ。

パン好きの娘、さっそく鷲掴み。ハード系からお惣菜系、デザート系まで、ずらりと美味しそうなパンが並んでいました。私もかなり好みな感じで、なんだか買いすぎてしまいそう。キャンピングカーを見て声をかけてくださったお店の女性に聞くと、もともとはご主人の実家の家業である履物屋さんの横でパン屋を営んでいて、今は独立して「げたぱん」になったのだとか。パン屋はふたりの夢でもあったことも、ニコニコしながら聞かせてくださった。人生を楽しまれている方が、ここにも。偶然にも旅の道中で出会えたことに、感謝。

「げたぱん」からさらに東に15分ほど走ったところに「川の駅」があったので、清流を眺めながら、ランチを。食べ終えた娘は、川に遊びに行っておおはしゃぎ。なんて贅沢で、幸せなひととき。

更に東へ、鳴子温泉の硫黄の匂いを感じながら車を進めると、1時間ほどで目的地近く。酒蔵や糀屋など昔ながらの文化を感じるまち・大崎市岩出山に到着しました。出迎えてくれたのは、4歳の息子さんと、まだ生後2ヶ月の娘さんのいる友人家族。

ほにゃほにゃの赤ちゃんを囲んであれこれお互いの近況を報告したあとは、ご近所にある「感覚ミュージアム」へ。

入口にどどーんと置かれていたのは、ペダルを漕ぐことでチョークが動き、黒板に絵が描けるというもの。子どもたちは大はしゃぎで体験。息子も、その横にある手先の感覚を刺激する展示物に、興味津々。「感覚」だものね、0歳児でも大いに楽しめる。

撮影禁止の有料ゾーンにも、音や光、匂いといった五感を大いに刺激する体験型展示物がいっぱい。子どもがこんなに楽しんでる美術館って初めてかも!と思うほど、時間を忘れて見学できた。屋上からの美しい景色も素晴らしく、のんびりと夕暮れタイムを過ごす幸せ。

みんなでお風呂屋さんに行き、その場で夕飯を済ませ、お布団で休ませていただく。娘はすっかり仲良くなったおうたろう君のお布団で寝たいと言い出し、私たちとは別の部屋で就寝。大きくなったなぁ。旅路の過程の娘の言動をしみじみ振り返りながら、穏やかな眠りへ。

翌朝、幸せな朝ごはんタイムを過ごしたあとは、みんなでお片付け、そしておうたろうくんを保育園へお見送り。岩出山は、山あいの小さなまちながら、どこか洗練された雰囲気を感じる。麹屋や酒蔵といった古くからの文化が根付いていることも、大きいのだろうか。

のんびりお散歩しながら、ひでみさんとあれこれ、人生の話を。鎌倉では夫婦で設計事務所「Studio Syncroll」を営まれていた渋谷大輔さん、ひでみさんご夫妻。ご主人の実家である岩出山に家族でUターンすることを決めたのは、昨年のことでした。第二子妊娠中のお引っ越し、そして見知らぬ地での出産は、相当なご苦労があったと想像します。それでも、引越し後3ヶ月ほど経った今、大輔さんはご自宅の一部を事務所にリノベーションして引き続き設計業を続けるかたわら、「BLUEFARM」というプロジェクトに参加。東北の一次産業を盛り上げようと「農ドブル」や「フロムトーホク」といった、6次産業化にイノベーションを起こす取り組みに建築のプロフェッショナルとして関わり、日々奔走している。一方のひでみさんは、まだ産後2ヶ月。慣れない土地で2人の子どもたちの育ちの環境を整えることに専念しながらも、臨床美術士などご自身のスキルを活かしてこの地でこれから取り組んでいきたいことにワクワクも感じている様子。暮らしの場所を移す決断、そして自らの手で新たな環境をつくっていこうとする姿勢。同じ年頃の子どもを持つ親として、人として。おふたりの力強い生き様に、私までパワーをいただきました。

居心地よく、すっかり長居させていただいた渋谷家をあとにしたのは、もうお昼前。今日はもうひとり、友人を訪ねることになったので、仙台に向けて車を走らせる。待ち合わせの公園に車を停めて、ランチは仙台と言えば!の牛タン。

私はあまり牛肉を食べないけれど、牛タンならいけるかも、なんて思えるほどやわらかく美味しかった「」のランチ。この地ならではの味に満足したあとは、まるで夏本番のような日差しを感じながら、徒歩10分ほどの北七田公園へ向かう。右手には、泉中央駅の大きな駅ビルも。こういう都会の景色はこの旅で初めてかもしれない。ちょいとお疲れ気味の娘をおんぶしつつ、歩みを進めていると、「美砂子さん?」との声。わぁ、愛さん、お久しぶり!

2日ほど前、私の旅のことを知り、メッセンジャーで連絡をくださった齋藤愛さん。娘がまだ赤ちゃんの頃、彼女の参加していた取り組み「KURASOU.」を取材させていただいたご縁でつながり、その後もちょくちょく連絡は取っていたけれど、お会いするのは、おそらく3年以上ぶりのこと。自宅も近く、遊具も豊富で広大な北七田公園には、愛さんも家族で良く遊びに来るのだとか。すぐに意気投合した子どもたちのはしゃぐ姿を眺めながら、あれこれお互いの近況報告を。

愛さんは、私が出会った当時は子育てしながら東京でお仕事をされていたけれど、数年前に旦那様のお仕事の都合で上海へ。上海での暮らしも楽しんでいたようですが、3人のお子さんを抱えて、気になっていたのは食のこと。もともと食のお仕事をされていたこともあって、安心・安全なものが選択肢として手に入らない環境に、モヤモヤを感じていたのだとか。帰国のタイミングで決断したのは旦那様の実家がある「仙台に帰る」ということ。今は子どもたちとの暮らしを楽しみながら、自らも食に関する広報のお仕事や講師業を掛け持ち、多忙な毎日を送っている。

愛さんは長崎出身ながら、仙台を選んだ。それは、「ほどよいまちだから」と教えてくれた。東京にもそこそこ近く、人も多すぎず、便利さもあって。働きながら小さなお子さん3人を子育てするのは、並大抵のことではない。でも、愛さんの佇まいはとても自然体で、お話を聞いている私も本当に心地よくて。きっとそれは、愛さんが自ら選び取ったまちの空気も手伝っているのだろう、と思う。自分の出身地にとらわれず、自分の居場所を自らの意志で決めているという誇りも、感じ取ることができた。愛さん、美しいなぁ。

生きていると、いろいろなことがある。自分の意志とは関係なく、取り巻く状況が変化することも、多々。でもそれに翻弄されることなく、状況を受け入れながらも自分の意志で選択していく、そんな芯の強さを持つ愛さんのあり方にこの地で出会い、一緒に”ほどよい”まちの日常を感じられて良かった。短い時間だったけど、私たちの旅路に付き合ってくれて、本当にありがとうございました。

宮城の地で、友人たちの日常を体感させていただいた2日間。それぞれの生き方、あり方、家族のかたち。離れていても、心通うあの人がこうして暮らしていると思うと、なんだかうれしくなる。力が湧いてくる。相変わらず観光地は巡っていませんが(笑)、私はこういう、日常を体験させていただく旅のかたちに、幸せを感じています。つながってくれているみなさん、ありがとう。心から。今度は私の茅ヶ崎での暮らしも、体感しに来てくださいね。

今夜は、仙台市のお隣・富谷市のスーパー銭湯「ゆっぽ」の駐車場で車中泊。フロントで声をかけたら「いいですよ」と、閉店までトイレも使わせてくださって、感謝。人に助けられて、暮らすような旅が成り立っています。

明日は石巻方面へ。晴れるといいな。

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貴重な時間を割いて読んでくださったこと、感謝申し上げます。みなさんの「スキ」や「サポート」、心からうれしく受け取っています。

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フリーランスライター・エディター、2人の子どものお母さん。人の言葉をありのままに聞くことで本質を見つめるインタビューがライフワーク。現在は主にウェブマガジン「greenz.jp」にて、「ほしい未来」のつくり手のみなさんの言葉を紡いでいます。