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いつの間にか空を見なくなった僕へ。

冬は某教習所で送迎の仕事に就いている。

乗ってくる生徒も様々。家に帰る生徒もいれば、バイトに行く生徒も。

「すいません!バイトが4時からで…間に合いますか?」

もう時刻は4時を回ろうとしているところ、少し渋滞気味、間に合いそうには無い。

こんな時は焦れば焦るほど、信号に捕まり、どんどん遅れるのが常。

少し遅れる事をバイト先に伝えるようにと生徒に告げ、車を走らせる事数分。

バイト先が近くなった交差点で生徒が

「見てください先生。めっちゃ綺麗じゃないですか?」

夕焼けと月。生徒が撮ってAirDropでくれた。

本人も間に合わないので開き直ったのだろうか。景色を楽しむ余裕が見える。

撮った写真をAirDropでもらってバイト先で下ろす。

帰り道。そういえば空を見上げることがなくなったなぁと、気づいた。

人間の感性の総量は生まれつき決まってると思っている。

その時々で各分野に割り振ってるだけなのだろうと。

景色の分野に俺はポイントを割り振って無かったのだと。

いつからこうなった

20代の頃は狂ったように空の写真ばかり撮ってた。勘も良かったので今日は夕暮れが綺麗だなと思うと綺麗に撮れるポイントでよく待っていた。

いつしかそんなことも無くなってしまった。

その代わり他の事にハッとさせられたり、何気ない事で曲を思いついたりするようになった。

そういうもんなのだ。その時々、心が向く方にステータスを割り振るけれど、振り直す事を忘れてしまう。気づいたら景色を全く見なくなってた。

曲作りの原点は、空だ。

空のような曲を書きたいと、思ってたのだ。

なのに空を見るのを忘れていた。

何気ない生徒の写真でハッと気付かされ、

空に感性ポイントを少し割り振った夕暮れ。

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