朝起きられないわたしに必要だったのは「起きたくなる環境」だった話
朝、起きられない。
今までさまざまな起床方法にチャレンジしてきた。アラームをかけたスマートフォンをベッドから少し離れた場所に置いてみたり、特定のものを撮影するまで止まらない目覚ましアプリを使ってみたり、100回振らないと止まらない目覚まし時計や、ドラを叩いて起こしてくれる目覚ましを自作したこともあった。
しかし、どれもつらさが勝ってしまって長くは続かなかった。
結局、フリーランスであることに甘えて、朝起きることを諦めてしまうのだ。
起きるのを諦められる環境にあるならそれでもいいか、と割り切っていた時期もあった。しかし、寝てていいと言われたらいつまでも寝ていられる。11時頃、下手したら午後にいそいそと布団から出る生活になってしまった。これではさすがに日常生活に支障がある。
しかも、そんな自分とは対照的に、朝から充実した時間を送っている人を見るたび、「ああ、なんて自分はダメな人間なんだろう」と自己嫌悪に陥ることもしばしばあった。
朝起きられないくせに、非常にめんどくさい人間なのである。
「起きたくなる環境」を作ること
そんなマジで朝起きられないわたしが、どうしたら朝起きれるか試行錯誤した結果、最終的にたどり着いた答えがこれだ。
「起きたくなる環境」を作ること。
しかし、これは朝から活動的な人たちに「どうすれば早起きできるようになりますか」と聞くと、よく返ってくる答えでもある。
「例えば」と彼らは続ける。
「友達との美味しい朝ごはんの約束を入れておくとか?」
「美味しい朝ごはんを用意しておくとか?」
友達との予定を朝に入れておくと、こんなわたしでも確かに起きることはできる。
しかし、いつもより早く起床するために設置したアラームをとめた瞬間、「ああ、起きなきゃいけないのか… 死にたい…」と超絶ネガティブな気持ちが襲ってくるのだ。
その超絶ネガティブな気持ちは、朝起きた瞬間だけではなく、家を出て街を歩いているときも、駅のホームで電車を待っているときも持続する。
友達と合流したくらいでようやく「朝早起きしてよかったかも」という気持ちに変化してくる。
コーヒーの香りとともに目覚められる時計を買った
懲りずにまた目覚まし時計を買った。
昨年、CESとよばれる世界中から家電が集まる見本市に行った際に、イギリスのスタートアップブースで展示されていて、一目惚れしてしまった。
コーヒーの香りとともに目覚めるというコンセプトの詩的さに、実験器具のようなプロダクトとしての美しさに、こころがときめいた。
「BARISIEUR」という製品だ。
「今なら割引で買えるよ」と説明員の方からクーポンをいただいて、まんまと購入してしまった。
しかし、当時住んでた家のベッドサイドには置く場所がなかったため、届いてから数ヶ月放置することになってしまった。引っ越した後、やっとベッドサイドに場所ができそうだったので設置してみた。
朝目覚めるのが辛くない、初めての体験
ベッドサイドでアラームが鳴る。そのアラームを止めると、コーヒーの入ったドリッパーにお湯が注がれる。ベッドサイドがふんわりとコーヒーの香りに包まれる。
怠惰なわたしはすぐには起きず、ベッドの中でまどろみながらコーヒーを飲む。そのまましばらく、スマホでSNSを確認したり、本を読んだり、アプリで語学の勉強をしたりする。コーヒーを飲まずにこういうことをしていると大抵二度寝してしまうのがオチだが、コーヒーを飲んでいるためか、そうしたことはない。そして体が十分に起きた段階でベッドから出る。
ゆっくり起きることで、朝早くてもノンストレスで起床できる。
というか、ノンストレスなら朝起きることができたのか、自分……。
以前、リビング置いていたコーヒーマシーンを IoT 化して、毎日決まった時間にコーヒーを入れてくれるようにしていたこともあった。SwitchBotという遠隔でスイッチを押せるプロダクトを、コーヒーメーカーのスイッチ部分にとりつけることで実現させていた。
しかし、その試みは長くは続かなかった。
「リビングで淹れてあるコーヒー」や「友人との朝ごはん」はそれまでに越えなければいけない「起床」というハードルの高さにこころが負けてしまう。しかし、そんなこころの弱すぎるわたしでも、枕元で湧いているコーヒーなら苦なく手にすることができる、ということなのかもしれない。
朝の快適な起床のために
起きたくなるような環境をつくることが大切だと気づいたわたしは、快適な朝に繋がるよう、さらにいくつか工夫をした。
ドライフルーツも置くようにした
空きっ腹にコーヒーよりも良いだろうと思い、コーヒーアラームのとなりに、ドライフルーツも置いておくようにした。
家を出るギリギリまで寝ていたい派なので、平日は朝ごはんを抜いてしまうことが多いのだが、ドライフルーツは軽い朝ごはんのかわりにもなる。
寝室はあたためておく
やっぱり冬は寒いから起きられない。しかし、エアコンをつけっぱなしにすると、乾燥で喉がガサガサになってしまうことが多いので、これもまた厳しい。我が家は、寝室だけはオイルヒーターで常に暖かい状態を保っておくようにしている。朝、寒くて死にたいと思うことがなくなって最高。
リビングのエアコンが朝自動でオンになるようにしておく
スマートリモコン「Nature Remo」を設置して、朝、決まった時間になるとリビングのエアコンを自動でオンになるように設定した。
決まった時間よりも早い時間に起きなきゃいけないときのために、スマートスピーカーとも連携させておいて、「リビングのエアコンつけて」もしくは「おはよう」と声をかけるとエアコンがオンになるように設定した。
こころを守りながら、朝起きる方法もある
「朝起きられない」と言うと、「こころが弱いだけじゃないか」とか言われることも多いのだが、毎日「死にたい」と思わずとも、こころを守りながら朝起きれるようになる方法もあることを訴えたくて、この記事を書いた。
わたしが使っているコーヒーアラームはやや高額だし、輸入しなくてはいけないというハードルがあるが、重要なのは「アラームが鳴った時、淹れたてのコーヒーが枕元にある」ということだ。それなら違う方法でも実現できそうだ。
(例えば、IFTTTを駆使すれば、アラームをかけた時間と IoT 化したコーヒーメーカーを連動できそう)
どうしても起きれなくて困っている同志のみなさんのお役に立ちますように。
この記事は #bosyu で募ったテーマで書きました。このテーマを提案してくださった 5時こーじ/早起き村の村長(@kojijico)さん、ありがとうございました。
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